●小沢系16人が造反=予算案採決欠席、菅政権に打撃-民主執行部は処分検討
(時事通信2011/03/01-05:36)http://p.tl/jBy1
 菅直人首相の退陣を要求して民主党会派からの離脱を表明した渡辺浩一郎衆院議員ら16人が2011年度予算案の採決が行われた1日未明の衆院本会議を欠席した。予算案は可決したものの、足元から造反者が出たことで、厳しい政権運営が続く首相はさらなる打撃を受けた。岡田克也幹事長ら党執行部は処分の検討に入るが、党内の亀裂は決定的で、「菅降ろし」の声が広がるのは確実だ。
 首相は1日未明、予算案の衆院通過について「国民の皆さんにとって予算が成立し、執行されることが何よりの喫緊の課題だ。しっかり参院でも議論していきたい」と述べた。16人の造反に対しては「残念だった」と語った。
 渡辺氏らは2月17日に会派離脱願を提出したが、岡田氏は混乱拡大を懸念し、離脱を認めない一方、処分の対象とはしてこなかった。しかし、首相指名選挙に並ぶ重みを持つ予算案採決での造反に対し、執行部は厳しい姿勢で臨む方針。1日午後に臨時役員会と常任幹事会を開き、16人の処分を検討する考えだ。
 渡辺氏らは小沢一郎元代表に近い。造反した議員の一人は、取材に対し「(衆院選マニフェストで約束した)予算の組み替え、見直しをしていないのは許されない」と強調。16人は新党結成も視野に入れているとの見方があり、今後も首相批判を強めていくとみられる。
 ただ、16人以外には造反者はなく、小沢氏自身も本会議に出席し、予算案に賛成した。
 深まる民主党の混迷について、自民党の谷垣禎一総裁は国会内で記者団に「民主党崩壊が始まっている。予算案の造反は党の分解であり、非常事態だ」と述べた。 



●離脱願民主16議員、本会議の予算案採決欠席へ
(読売新聞 2011年3月1日03時04分)http://p.tl/5AKd
 民主党の小沢一郎元代表への処分に反発し、会派離脱願を提出した同党の比例選出衆院議員16人は28日、2011年度予算案への対応について、「衆院選政権公約(マニフェスト)と予算案の内容がかけ離れている」などとして衆院本会議での採決を欠席する方針を決めた。
 16人からは、「予算案採決は欠席にとどめる。本当の勝負は予算関連法案の採決だ」との声も出ている。ただ、農水政務官の辞表を提出した松木謙公衆院議員は同日夜、「予算案に賛成する」と明言した。
 民主党の岡田幹事長は28日の記者会見で、16人の欠席の動きについて、欠席でも処分対象になるとの見方を示した。一方、16人中、川口浩衆院議員を除く15人が同日夜に衆院本会議で行われた中井洽衆院予算委員長の解任決議案の採決を欠席した。菅首相は同日夜の衆院予算委員会で「そうした行動は大変遺憾だ」と述べた。この採決には、小沢元代表も欠席した。



●予算案採決、「会派離脱願」16人が本会議欠席へ
関連法案、再可決は絶望的

(日経新聞 2011/3/1 0:55)  http://p.tl/3xhV

衆院予算委員会は28日夜、2011年度予算案を採決し、与党の賛成多数で可決した。1日未明に開く衆院本会議の採決でも可決、参院に送付される見通しで、年度内の自然成立が確定する。ただ、民主党に会派離脱願を出した小沢一郎元代表に近い16人は予算案を採決する本会議を欠席する方向だ。予算関連法案を衆院で再可決できる3分の2の議席確保は絶望的となり、菅直人首相の政権運営はさらに窮地に追い込まれる。

 衆院予算委での予算案採決に先立つ28日夜の衆院本会議は自民、公明両党、みんなの党、たちあがれ日本の野党4党が提出した中井洽予算委員長の解任決議案を採決。共産、社民両党は賛成したが、与党の反対多数で否決された。自民党は衆院に11年度予算案の組み替え動議も提出したため、予算案を採決する衆院本会議は1日未明にずれ込んだ。

 衆院で与党会派の所属議員は311人だが、解任決議案への反対票は293票。民主党に会派離脱願を出した小沢元代表に近い16議員のうち15人が本会議を欠席し、小沢元代表本人も欠席した。16人は予算案を採決する衆院本会議も欠席で歩調を合わせる方針だ。

 岡田克也幹事長は28日の記者会見で、予算案採決で造反した場合について「厳正に対処する必要がある」と強調。党幹部の一人は「最低でも党員資格停止だ」と語った。衆院再可決に必要な議席数は318なので、16人全員が欠席・棄権すれば予算関連法案の衆院での再可決は絶望的になる。


●予算案未明の可決、首相「16人の採決欠席は残念」
(2011年3月1日4時33分) http://p.tl/n-7u
 菅直人首相は新年度予算案が衆院本会議で可決された1日未明、国会内で記者団に対し、予算案の採決に民主党の小沢一郎・元代表に近い衆院比例の16議員が欠席したことについて「残念ですね」と語った。16議員の処分の有無には言及しなかった。16議員は小沢氏の処分に反発して民主党会派から離脱表明。予算案の本会議採決には、それぞれの「自主判断」の形で欠席することを事前に決めていた。