菅の目くらましアドバルーンには騙されない! (日刊ゲンダイ2011/3/1)


定数削減 歳費削減 公務員人件費削減

追い詰められたスッカラ菅首相が、ここへ来て矢継ぎ早に“身を切る改革”を言い出した。

2月17日に参院本会議で、国家公務員の総人件費2割削減について「不退転の覚悟で取り組む」と答弁したかと思えば、26日には、社会保障と税の一体改革の集中検討会議で「議員の数や歳費の問題も、6月の一体改革と同時並行的にやる」と発言し、議員定数削減と歳費削減を、政府・与党に指示したのだ。
国会議員の定数・歳費削減や公務員の人件費削減は、民主党が掲げたマニフェストの中でも、有権者が優先的に取り組んで欲しいと望んでいた改革である。議員が覚悟さえすれば、予算措置が必要ないのだからいつでもできるはずなのに、政権交代からズルズル1年半、民主党は腰が重かった。

しかし、菅が本気かというと怪しい。今や求心力ゼロに近づいた菅が民主党内を簡単にまとめられるわけがない。どうも有権者向けのアピールのにおいがする。
若手中間派議員は、「昨夏の参院選後の歳費日割り法案でさえ、政府はモタモタして野党に先を越されたうえ、参院限定の法律になった。ヤル気があればあの時もっと深掘りできたはずです」と懐疑的だ。
「菅さんは自分の首相としての存在意義を訴えるために、定数削減や歳費削減などの改革を言っているとしか思えません。社会保障と税の一体改革もそうですが、『こういう政策があるから、自分は首相としてやり遂げなければならない』と言いたいのでしょう。政策や改革案はアドバルーン。“延命”目的以外の何ものでもありません」(政治ジャーナリスト)

“口先”首相の「目くらまし」にだまされるほど有権者はバカじゃない。



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