政倫審で説明しろ!!「誠司とカネ」民主党直撃 (日刊ゲンダイ2011/3/3)

仕掛けたのは自民かそれとも官邸か

“誠司とカネ”の問題に民主党が大揺れだ。前原誠司外相の政治団体が、暴力団との関係が噂される企業にパーティー券を購入してもらっていたというのだ。次の首相候補ナンバーワンが泥にまみれた。

問題になっているのは、「M」という企業グループである。

「グループのS会長は、武闘派で知られる暴力団の相談役だった人物。商才に長(た)け、不動産や飲食店など数々のビジネスを成功させて一大グループを築き上げました。しかし、04年に巨額の脱税で摘発されて、ビジネスの表舞台からは退いた。もし、脱税したカネが政治家に流れていたとしたら大問題です」(警察関係者)
きょう(3日)発売の「週刊文春」によると、09年分の「まえはら誠司東京後援会」の収支報告書には、Mの子会社が50万円分のパー券を購入、さらにMとよく似た名前の映像製作会社も50万円分のパー券を購入したと記載されている。
この製作会社の住所は「千葉県四街道市」。ところが、代表者名には同じ企業名だが「東京都港区」にある人材派遣会社の社長名が書かれている。ちょっとややこしいが、表記に音引きや「ゥ」があるかどうかの違いだけで、Mとソックリな2つの企業の「住所」と「代表者名」を組み合わせた“架空の会社”が収支報告書に記載されているというのだ。勝手に名前を使われた2社は、ともに「献金していない」「まったくの無関係」と話している。
また、M社と関わりの深い人物が07年に前原の資金管理団体「新緑会」に12万円、08年にも前原が支部長を務める政党支部にも12万円を寄付。さらには07年に野田財務相の政治団体からもパー券40万円分を購入したほか、蓮舫行政刷新相が支部長を務める政党支部に120万円の寄付をしていたという。


看板官僚の蓮舫、野田も

前原は文書で「一部報道による指摘を受けて調査いたしました結果、収支報告書を作成している京都事務所の誤認による記載ミスであることが判明いたしました」と発表。今週中に収支報告書を訂正するというが、単なる記載ミスにしては、ずいぶんフクザツな間違え方をしたものだ。実際にパー券を買ったのは誰だったのか。
「このタイミングで『政治とカネ』のスキャンダルが出てきたことには、謀略めいたものを感じます。標的にされたのは、前原さん、野田さん、蓮舫さんと民主党の看板閣僚ばかり。3人とも“クリーン”が売りだっただけに、政権へのダメージは計り知れません。民主党政権に致命傷を与えるために、自民党が仕掛けたのか。信じたくはないが、情報源は官邸サイドだという噂もある。菅首相が政権から引きずり降ろされそうになり、“ポスト菅”の有力候補を潰すためにスキャンダル情報を流したというのです」(民主党関係者)

今の官邸にそんな力があるとも思えないが、これまで小沢元代表の「政治とカネ」で、菅はさんざん「説明責任」と言ってきた。同じ記載ミスの小沢に議員辞職まで迫ったのだから、前原にも説明を求めなきゃウソだ。政倫審に呼んで話を聞くしかあるまい。

前原も、「政治家自らが襟を正すことは大事なこと」とか「疑惑にしっかり答えることは、大変重要」とかエラソーに言ってきた男だ。当然、説明責任を果たすのだろう。まさか、収支報告書の訂正だけで済ませるつもりじゃ……? 政治とカネでも“口先番長”の本領を発揮するのか。



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