●前原氏の献金問題、進退に発展か…外国人と認識
(読売新聞2011年3月4日23時04分)http://p.tl/e-4W
 前原外相は4日の参院予算委員会で、政治資金規正法で禁じられている外国人からの政治献金を受け取っていたことを明らかにした。


 前原氏は「返金し、政治資金収支報告書を訂正する」と述べるとともに、全容を調査する考えを示した。野党は辞任を要求する構えで、進退問題に発展する可能性も出てきた。公明党の山口代表は同日、「しかるべき責任が問われる。菅首相の任命責任も問われることになる」と述べた。

 自民党の西田昌司氏の質問に答えた。西田氏は前原氏に対し、「京都市内で飲食店を経営している在日外国人から、少なくとも過去4年間で毎年5万円ずつ、20万円の献金を受けていたのではないか」と指摘した。献金をしていたのは在日韓国人の女性。前原氏は答弁で「(献金者は)在日の方だ」と述べ、在日外国人と認識していたことを認めた。



●前原外相、在日外国人から献金=規正法に抵触、野党は辞任要求-民主内にも進退論
(時事通信2011/03/04-23:28)http://p.tl/xNul
 前原誠司外相は4日午後の参院予算委員会で、在日外国人の女性から政治献金を受け取っていたことを明らかにした。前原氏は「返金し、政治資金収支報告書を訂正したい」と述べた。政治資金規正法は外国人からの政治献金を禁じており、自民党は前原氏に辞任を要求。民主党内からも前原氏の進退を問う声が上がった。「政治とカネ」に絡む有力閣僚の不祥事が表面化したことで、菅直人首相の政権運営は一段と厳しくなりそうだ。
 予算委で前原氏は、自民党の西田昌司氏の質問に答え、事実関係を認めた。前原氏は京都市内の飲食店経営者から2008年に5万円の献金を受け取っていた。この経営者との関係については「政治の世界に入る前から親しくし、特に私が政治の世界に出てからも一生懸命応援いただいている」と説明した。
 西田氏は献金額について「過去4年間、5万円ずつ計20万円ではないか」と追及した。前原氏は「全体像を調べてしっかり対応したい」と述べたが、西田氏は「責任を取って辞任すべきだ」と要求。首相にも前原氏の罷免を求めた。
 前原氏はこの後、首相官邸で首相に謝罪。首相は徹底調査するよう指示した。引き続き外務省で記者会見した前原氏は、献金について「そういう形で頂いているとの認識はなかった」と釈明した。また、「全て私の責任だ」と述べるとともに、「全体をよく調べた上で、どのように判断するか決めたい」と語った。 
 前原氏の献金受領について、小沢一郎民主党元代表に近い同党幹部は「(外国人からの献金が)故意なら議員辞職だ。閣僚は辞めざるを得ないだろう」と指摘。閣僚の一人は「だいぶ深刻になってきた」と語った。
 前原氏は、小沢氏の政治資金に絡む問題で、小沢氏の説明責任を厳しく指摘してきた経緯がある。一方、前原氏の政治団体が、脱税事件で有罪となった男性が会長を務めていた企業にパーティー券を販売していた事実も判明している。


●前原氏窮地に=菅政権にまた打撃
(時事通信 2011/03/04-22:23)http://p.tl/78Ca
 前原誠司外相が4日、政治資金規正法で禁じられている外国人からの献金を認めたことは、菅政権にとって手痛い打撃となった。「政治とカネ」の問題をめぐり、前原氏はこれまで小沢一郎元代表に説明責任を求めてきたが、今度は自身が説明を求められる立場に。「ポスト菅」の有力候補ともみられている前原氏だが、野党だけでなく、民主党内からも辞任論が出るなど、窮地に立たされることになった。
 4日午後の参院予算委員会。自民党の西田昌司氏は前原氏をターゲットに、「(献金者は)日本国籍を持っているのか。いくら受けたのか」と執拗(しつよう)に献金問題を追及。前原氏が在日外国人から献金を受けた事実を認めると、「罪が確定したらあなたは公民権停止。大臣どころか国会議員の資格がない。責任を取って辞職すべきだ」と迫った。
 民主党執行部は当面、前原氏の調査を見守る方針だ。菅直人首相は4日夜、記者団に対し「ちゃんと調べて、自らはっきりさせることが必要だ」と表明。党幹部は「証人喚問でも参考人招致でもやって、自ら説明する姿勢を示すべきだ」と語った。
 民主党の小沢氏系議員は「外相辞職ものだろう。金額の多寡なんて問題じゃない」(若手)、「これまで小沢さんに対して何と言ってきたか」(中堅)と前原氏を批判。「故意なら閣僚は辞めざるを得ない」(党幹部)との声も飛び出した。
 自民党は「ポスト菅」候補の前原氏にダメージを与え、民主党政権を揺さぶる作戦に出た。野党からは「直ちに外相自ら出処進退を明らかにすべきだ」(逢沢一郎自民党国対委員長)、「外国人と分かっていながら献金を受けていたなら、前原氏は即刻辞任すべきだ」(渡辺喜美みんなの党代表)と辞任論が噴出。前原氏は今後どう説明責任を果たすか、正念場を迎える。



●自民・逢沢氏「自ら出処進退を」 みんな渡辺代表も「即刻辞任を」 
(産経新聞 2011.3.5 00:04)http://p.tl/B9Yb
 前原誠司外相が在日外国人からの政治献金受領を認めたことを受け、自民党の谷垣禎一総裁は大阪市内で記者団に「外国人から献金を受けたらいけないことは選挙に出る人なら皆承知している」と批判した。

 石原伸晃幹事長は神奈川県藤沢市内で講演し「外相が外国人からお金をもらう神経は到底理解できない」。逢沢一郎国対委員長は「明らかになった事実だけでも法律に抵触する可能性が濃厚だ。問責決議案提出を待つまでもなく直ちに自ら出処進退を明らかにすべきだ」と述べた。

 みんなの党の渡辺喜美代表は「外国人と分かっていて献金を受けていたなら即刻辞任すべきだ」と強調。「辞めずにしがみつくなら問責決議案を出すことになる」と警告した。


●「18年間応援。違法とは知らず」 献金の外国籍女性
(産経新聞2011.3.4 18:58) http://p.tl/KFGs

 前原誠司外相が京都市内に住む外国籍の女性(72)から献金を受けていた問題で、献金した女性は4日、産経新聞の取材に対し「18年前の初当選のころから応援している。少しでも役立ててほしいと思った」と話した。

 女性によると、献金は平成17~20年の4年間で計20万円だったといい、外国人の個人献金を禁じる政治資金規正法の規定については「知らなかった」としている。


●野田氏政治団体:脱税関係企業からパーティー券代金
(毎日新聞 2011年3月4日11時15分) http://p.tl/hpbU
 野田佳彦財務相は4日の閣議後会見で、脱税事件で逮捕された男性が関係する企業2社から計80万円のパーティー券代金を受け取っていたことを明らかにし、自身の政治団体に返還を指示したことを明らかにした。野田氏は「当時は善意で購入をしていただいたとの認識であり、法令上問題ない法人だったので購入をお受けした」と述べた。

 この男性が関係する企業からは、前原誠司外相や蓮舫行政刷新担当相も献金やパーティー券購入があり、返金の意向を示している。【坂井隆之】



●子ども手当、修正協議拒否へ=「つなぎ法案」も応じず-公明
(時事通信2011/03/05-01:01)http://p.tl/VUFa
 公明党は4日、子ども手当法案について民主党との修正協議には応じない方針を固めた。複数の党幹部が明らかにした。公明党は菅政権への批判を強め、子ども手当法案の見直しは民主党マニフェスト(政権公約)違反に当たると判断。あくまで衆院解散・総選挙で信を問う必要があるとの考えだ。これにより、同法案が廃案となり、4月以降、自公政権時代の児童手当が復活する可能性が高まった。
 現行の子ども手当法は2010年度限りの時限立法。児童手当が復活すれば、中学生への支給はなくなり、小学生以下への支給も減額。また、自治体の事務作業の混乱も指摘されている。
 これに関し、公明党幹部は「修正協議は菅内閣の延命に手を貸すことになる。児童手当に戻せばいい」と指摘。別の幹部も「修正協議を行うつもりは一切ない」と言明した。
 同党が修正協議を拒否する方針を固めたのは、4月の統一地方選を前に、支持率が低迷する菅政権に協力するのは得策ではないとの判断からだ。また、小沢一郎民主党元代表に近い議員らは子ども手当の見直しに否定的なため、そもそも同党内で修正案がまとまらないとみている。
 こうした中、子ども手当法案の年度内成立が絶望的な状況を踏まえ、民主党は4日までに、同法案を3カ月間程度延長する「つなぎ法案」提出を公明党に打診した。4月以降の混乱を最小限にとどめるのが狙い。同法案が成立すれば、3歳未満への支給額は増額されないものの、6月に1人当たり1万3000円の現行の手当支給が可能になる。
 ただ、公明党は「修正協議に応じない以上、つなぎ法案に賛成することもあり得ない」(幹部)としており、合意の可能性は低い。 


●特例公債、賛成できない=自民幹事長
(時事通信2011/03/04-23:52)
 民主党の岡田克也幹事長は4日、自民党の石原伸晃幹事長に会い、2011年度予算関連法案のうち特例公債法案について、年度内成立への協力を要請したが、石原氏は拒否した。
 石原氏が同日夜、神奈川県藤沢市で開かれた会合で明らかにした。同氏によると、岡田氏はまた、「(野党が)追い詰めていくと、菅直人首相は解散してしまう」と語ったという。


●内閣不信任案可決なら解散も 参院予算委で首相言及
(朝日新聞2011年3月4日12時25分)http://p.tl/qk6U

 参院予算委員会で4日、全閣僚が出席する基本的質疑が開かれ、2011年度予算案が実質審議入りした。菅直人首相は予算案の早期成立に野党の協力を求めたが、自民党は首相の退陣を求めた。

 首相は山本一太氏(自民)が「解散も退陣もしないのか」とただしたのに対し、「解散するつもりはないが、憲法上、何らかの対応を迫られることがあれば、ルールにのっとって行動する」と答弁。内閣不信任案が可決されれば解散に踏み切る可能性があるとの考えを示した。

 自民党が提出した予算案の組み替え動議について、首相は「農業の戸別所得補償や高速道路無料化の実験的取り組みは重要。必要ないとする(自民の)動議は理解できない」と述べた。民主党の佐藤夕子衆院議員=愛知1区=が離党届を出したことについては「民主党で当選した方。党を離れるのは国民の理解を得にくい」と述べた。

 民主党は、野党が多数を占める参院で可決される見通しがない予算関連法案の衆院採決を先送りし、予算案だけを1日に参院に送付。野党が反発して審議入りが遅れていた。首相は4日の予算委で「予算、関連法案の取り扱いは国会に決めてもらう。国会での扱いを直接指示したことはない」と説明した。

 また中国への政府の途上国援助(ODA)について、前原誠司外相は「中国のGDP(国内総生産)は日本を抜いた。その下の国がODAを増やすことはあり得ない」と指摘し、削減の方向で見直す考えを明らかにした。首相も「私も同じような考え方だ」と同調した。



●蓮舫“無責任”与謝野にムカつく!「気分いいものじゃない」
(夕刊フジ 2011年3月4日17時00分)http://p.tl/SY2q

 参院予算委員会は4日午前、菅直人首相と全閣僚が出席して、2011年度予算案の基本的質疑に入った。自民党が論客を質問者として送り出し、菅首相は矛盾点を次々と指摘される厳しい展開。蓮舫行政刷新相が与謝野馨経済財政相に「気分がいいものではない」とキレる一幕もあった。

 「統治能力のないあなたがトップにいることは国民にとって不幸だ」

 最初に質問に立った自民党の小坂憲次氏はこう述べ、自民党が菅首相を解散・総選挙に追い込む姿勢であることを鮮明にした。菅首相の答弁は防戦シーンが目立ち、「まともに答えていない」として野党側は何度も審議を止めた。

 自民の山本一太氏は、民主党の佐藤夕子衆院議員が離党届を提出したことを追及。菅首相が「民主党として当選したので、離れるのはなかなか国民の理解を得られない」と答えると、「そこに座っている与謝野さんは自民党を離党して入閣した。国民の理解は得られるのか」と、すかさず質問。菅首相は「社会保障と税の一体改革に対し最も志があり、高い能力を持っている。理解は得られる」と「入閣」についてだけ答え、「離党」については「いろいろな経緯があった」と答えるのが精一杯だった。

 その与謝野氏は、この日も過去の言動の言い訳に追われた。昨年の参院選街頭演説で「(菅政権は)全共闘時代の新左翼崩れがつくった政権」との発言には「選挙特有の演説だ」。自著『民主党が日本経済を破壊する』で「事業仕分けは文化大革命の粗暴な紅衛兵だ」と記していたことには「本は面白おかしく書かないと読んでくださらない」などと述べた。

 鳩山由紀夫前首相をほうふつとさせる無責任発言。山本氏が「紅衛兵」のくだりに関して蓮舫氏に水を向けると、蓮舫氏はクビをかしげながら登壇。「読んでいないが、そう気分がいいものではない」と憮然とした表情で語った。

 岡田克也幹事長が子ども手当の所得制限に触れた件でも、菅首相は「政府案がベスト」と否定し、「党幹事長としての発言」と述べたのに対し、蓮舫氏は「個人的な発言」とチグハグ。これには山本氏もあきれ顔だった。



●追い詰めると首相は解散…岡田氏が石原氏に
(読売新聞 2011年3月4日21時13分)http://p.tl/VnVi
 自民党の石原幹事長は4日、神奈川県藤沢市での党の会合で、民主党の岡田幹事長が同日、「追い詰めていくとあの人(菅首相)は解散しちゃいますよ」と述べて、衆院解散・総選挙の可能性に言及したことを明らかにした。
 石原氏が「それはいいよ」と解散を促すと、岡田氏は「その後、 混沌とした社会がやってくる」と語ったという。岡田氏はまた、赤字国債発行のための特例公債法案について「なんとか賛成してもらえないか」と成立への協力を求めたという。


●河村旋風“東京上陸”に自民警戒 小沢の影…楽勝ムード一変
(夕刊フジ 2011年3月4日17時00分)http://p.tl/TH5d
 名古屋市の河村たかし市長(62)率いる地域政党「減税日本」の勢いに、自民党が警戒態勢を取り始めた。減税日本が統一地方選で全国進出することを受け、自民党候補の差し替えを検討しているのだ。「死に体」の菅民主党を相手とする、左うちわのような選挙戦が一転。河村氏と連携する小沢一郎元代表(68)の暗躍にも目を光らせているようだ。
 「練馬を東京進出の象徴にしたい!」
 河村氏は先月27日、練馬区内での会見でこう言い切った。「名古屋トリプル選挙圧勝」の勢いのまま、練馬区議の菅田誠氏(42)=民主党離党=を練馬区長選(4月24日投開票)に出馬させるほか、都内の区議選に公認・推薦候補10人を擁立すると発表したのだ。
 これに泡を食ったのが自民党都連。
 菅内閣の支持率が10%台まで急落したこともあり、「現職の志村豊志郎区長(78)の3選は固い」(地元関係者)とみて推薦を決めていたが、菅田氏が「河村系」という“錦の御旗”を獲得したため「高齢の志村氏では苦戦必至」と、候補者差し替えを求める声が浮上しているのだ。
 このほか、都内の区議選に出馬する「減税日本」の公認・推薦候補者の多くが、「選挙巧者」と呼ばれる小沢氏に近いことも判明した。
 自民党選対関係者は「小沢氏が裏にいるのが問題だ。彼はこれまでも『政治改革』や『政権交代』といった言葉で有権者を取り込んできたが、今度は『減税』を看板にする気だ。有権者はだまされやすく、ブームとなれば勝てるものも勝てなくなる。候補者選定の再検証が必要だ」という。
 こうした中、河村氏の元秘書で、小沢氏を支持する「北辰会」のメンバーである佐藤夕子衆院議員(48)=愛知1区=が3日、民主党を離党した。「河村シスターズ」かつ「小沢ガールズ」といえる佐藤氏の動きは、小沢、河村両氏の“政界生き残り戦略”の一端に違いない。



●民主、マニフェスト検証委を設置へ 8月めどに見直し
(朝日新聞 2011年3月4日21時40分)http://p.tl/22kM

 民主党はマニフェスト(政権公約)見直しを進める政府と合同の検証委員会を来週にも設置する。岡田克也幹事長を委員長、玄葉光一郎政調会長と輿石東参院議員会長の2人を委員長代理とし、8月末をめどに見直し内容をまとめる。4月の統一地方選前に主要政策を(1)実施済み(2)修正して実施する(3)財源がなく実施できない――などに分類し、実施済みの政策を統一選でアピールする。一方、2009年の総選挙マニフェストで掲げた約16.8兆円の財源捻出が実現できていないため、検証委の下に「財源検証委員会」も設ける。



●1回生の造反防げ…民主国対が意見交換の会議
(読売新聞2011年3月4日19時43分)http://p.tl/CGWC

 民主党は4日、安住淳国会対策委員長ら国対幹部と同党の衆院当選1回生が意見交換する「国対全体会議」の設置を決めた。

 8日に初会合を開く。

 比例選出の1回生が2011年度予算案の衆院本会議採決を欠席したり、同じく1回生の佐藤夕子氏が河村たかし名古屋市長が率いる「減税日本」の支援を理由に離党届を提出したりするなど、1回生の反執行部的な動きが続いているため、安住氏らとの接触を増やし、今後の予算関連法案の採決での造反などを防ぐ狙いがある。


●<年金切り替え漏れ>細川厚労相「救済制度、知らなかった」
(毎日新聞 3月4日(金)21時32分配信)http://p.tl/ZdvE

 会社員の妻ら国民年金第3号被保険者の切り替え漏れ問題に関し、細川律夫厚生労働相は4日の参院予算委員会で、昨年12月の課長通知による救済制度「運用3号」について「当時は知らなかった。不明を恥じる」と述べた。また、2月24日に3号の一時停止を発表する際、細川氏は「年金の支給は留保する」と表明していたが、15日には運用3号適用者493人に年金が支給されることも判明、細川氏の責任問題に発展する可能性が出てきた。

 自民党の世耕弘成氏に対する答弁。細川氏は昨年3月に大筋を決めたとする運用3号に関し「当時の長妻昭厚労相が決めた。(副厚労相だった)私は労働を担当しており、タッチしていなかった」と強調した。しかし、世耕氏は「前現両大臣の責任は免れない」と指摘し、長妻氏の参考人招致を求めた。

 世耕氏は、厚労省と日本年金機構が職員向けに作成した1月27日付の資料も暴露した。

 資料には、運用3号を法改正でなく課長通知で決めた理由について「第3号被保険者制度を巡っては、これまでの制度改正の際にもさまざまな議論がなされており、調整は容易でない」と記されている。世耕氏はその部分を取り上げ、「要するに国会で法律議論したらいろいろ議論が出て時間がかかって面倒くさいからすっ飛ばそうと。議会制民主主義の否定だ」と追及した。

 専業主婦らは保険料を納めなくてもいい3号制度には、働く女性から「不公平だ」との批判が出ている。

 運用3号を法改正でやろうとして国会で審議すれば、野党から根本的な問題も蒸し返され、収拾不能になる事態を同省が懸念していたことがうかがえる。細川氏は資料について「不適切な点もある」と認めざるを得なかった。

 さらに世耕氏は、細川氏の「ウソ」も明らかにした。運用3号の申請者は1月30日時点で2331人。世耕氏は「既に942人の受給権が確定し15日には493人に年金が支給される」と指摘し、細川氏が表明した「支給留保」は誤りだと問いつめた。細川氏はこれを認め、「訂正させてほしい」と答えた。【鈴木直、山田夢留】