第1話

こんどこそ死ねるかな…

「愛菜、愛菜」
ふと、そんな声がどこからか聞こえてきた 
目を開けるとおばあちゃんがいた。(あー。私睡眠薬大量に飲んで…死のうとしたんだった…また失敗しちゃった)意識がもうろうとするそんな事を思いながら
愛菜:おばあちゃん…
加奈子:愛菜何やってるの。どうしてこんな事するの?
愛菜:何やってるのって…
加奈子:いくら電話をかけても全然出ないから心配になって家に着てみたら…何があったの?
おばあちゃんが、説教混じりの心配をしてくる中私は絶対こんな事した理由なんて言える訳なかった。言ったら、どうなるかわかってたから。だから、上手い理由を考えた結果 
愛菜:あー。最近よく眠れないから睡眠薬飲んだらちょっと飲み過ぎたみたい…アハッ
加奈子:何がアハッよ!おばあちゃんどれだけ心配したと思ってるの?
愛菜:アハハ。ごめんごめん
加奈子:助かったから、良かったものの…
愛菜:そうだね!私助かって良かった!まだまだ、死にたくないもん!
なーんて、言ってみた。こんなの全部嘘。本当は助かって良かったなんて、思ってない。死にたかった。こんな事した理由が、虐待といじめだなんて口が裂けても絶対言えない。
そんな事思いながら、おばあちゃんと色々な話をしやがておばあちゃんは帰っていった。
虐待だなんていえば、おばあちゃん傷つく。自分の娘が虐待してるなんてわかったら。いじめなんていえば、お母さんに言われる。そして、お母さんは私に向かって言うんだ「お前なんて誰からも必要とされてない。死ねば良かったのに」って。
お母さんからの暴言は、物心つく頃には始まってた。「お前なんて産むんじゃなかった」「お前なんて死ねばいんだ」「お前の顔なんて見たくない」こんな言葉は飽きるほど聞いた。
時には、あざができるほど殴られた。

なんで、お母さんがこんな事するのか私には分からない。でも、こんな酷い事されてもお母さんの事が大好きなんだ。お母さんは私の事なんて、大嫌いなはずなのに。

医師:松村愛菜さん~
愛菜:はい!
そんな事を考えながら、病室のベットで寝ていると医師から呼ばれた。

医師とゆうより、名村先生とゆう女のカウンセラーみたいだ。
名村:なんで、睡眠薬あんなに飲んだの?
愛菜:最近、寝付きがめっちゃ悪くて…
また、嘘をついた。つもりだった…なのに
愛菜:涙涙涙涙涙涙涙涙
急に涙があふれ出した。
名村:愛菜ちゃんどうしたの?
愛菜:なんでもないです。ただ、死ななくて良かった!助かって良かったなぁ!って考えてたら嬉しくて…
そんな嘘をとっさについた。でも
カウンセラー:ほんとなの?何か嫌な事があったんじゃないの?だから、死のうとして…
愛菜:ち、違う…涙涙涙涙
名村:だったら、なんでそんな泣くの?
どうやら、プロの目はごまかせないみたいだ。私は勇気を振り絞って全て話した。虐待の事。いじめの事。今まで何度も死のうとした事。
そうしたら、全部わかってくれた。
名村先生は私をギュッと抱きしめてくれた。
そして、私はこんな事を言った。
愛菜:先生どうして私は死ねないの?何度やっても駄目。ねえ?私そんな悪い事した?もうこんな辛い思いばかりするの嫌なの。なんで、私ばかり…。お父さんもお母さんも同級生の子もなんなの。私は幸せになっちゃいけないの?私は贅沢な事は望んでない。ただ、普通に両親に愛され、友達と一緒に遊んで学校で勉強して、恋もして…。こんな、平凡だけど幸せな人生を送りたいだけなのに。一生こうゆう人生をおくるなら早く死にたいよ。
思わず、本音がポロポロ出てきた。誰にもいった事がない私の心の叫びだった。
すると、先生は私を抱きしめながらこうゆった。
名村:愛菜ちゃん今までつらかったね。
愛菜ちゃんはなんで何度やっても死ねないの?って言ったよね?でもそれはね、神様からの宿題だよ。
愛菜:神様からの宿題?
名村:そうだよ。愛菜ちゃんは一度でも生きてて良かった・幸せとか人から愛される喜びを感じた事ある?
愛菜:そんなのあるわけないじゃん。お父さんもお母さんも友達も同級生も、皆私の事なんて大嫌いなんだ。私なんて、必要とされてない。いらない人間なんだもん。皆皆、私を裏切っていく。
名村:愛菜ちゃん。この世界にいらないとか必要とされてない人なんて1人もいないんだよ。今はまだ、分からないかもしれない。でもいつか愛菜ちゃんを必要とし愛してくれる人ができた時に分かるよ。
今だって、愛菜ちゃんが気づいてないだけで愛菜ちゃんを必要とし愛してくれる人いるのかもしれないよ?その人達の為にそんな事言っちゃ駄目。愛菜ちゃんがそんな事思ってるなんてわかったらその人達傷つくよ?私がさっき、神様からの宿題って言ったの覚えてる?
愛菜:うん…宿題って何?
名村:人は誰しも誰かを愛し・愛され幸せになるために生まれてくるんだよ。不幸になるために生まれてくる人なんて1人もいない。
でも、愛菜ちゃんはそう感じた事ないんだよね?生涯ずっと不幸で辛くて苦しいまま死ぬなんて嫌でしょ?
愛菜:それは…そうだけど…
名村:だから、神様は愛菜ちゃんが誰かを愛し・愛され幸せを一度でも経験するまであなたは死ぬべきではない。神様が愛菜ちゃんに与えた宿題は、「生きてて良かった!今私幸せ!人生ってこんな楽しいんだ、素晴らしいんだ」って思えるようになるまで死なさないよ!って事。
今は辛くて苦しいかもしれない。今、愛菜ちゃんはどん底にいるのかもしれない。でも、これ以上の事なんてないよ。これからは、愛菜ちゃん次第でどんな幸せだって掴めるよ。もし、何かに困った時は私を頼ってね!頑張れる?
愛菜:うん!私もう一度頑張ってみる!両親の事もいじめの事も、ちゃんと向き合ってみる!私先生に出会えて良かった!先生に出会うまで私死ぬことしか考えてなかった。でも、私が死ねないのは神様からの宿題って言葉を聞いた時。今まで、私は神様も私の事が嫌いだからこんな辛くて苦しい世界に何度も帰すんだ。死なせてくれないんだ。って思ってた。でも、実はそうじゃなくて神様は私に幸せを経験してほしくて何度も帰すんだ!って思ったら頑張らなくちゃって!思えた!先生本当にありがとう!
また、先生に頼ってもいい?
名村:もちろんいいよ!
頑張ってね!私は愛菜ちゃんの味方だからね!後さ、愛菜ちゃんこんな可愛い顔してるのに、こんな髪型じゃもったいないよ。気持ちを切り替えるために、まずは髪型から変えてみよっか?
愛菜:えー!でも…
名村:でもじゃないの!頑張るんでしょ?ここから頑張らないと…ね?
愛菜:はぁ…もう分かりましたよ…
名村:なんなの笑。そのもうどうでもいいです感!笑
愛菜:アハハ笑。分かりました!髪切ります!
名村:よし!!髪切ったら教えてね~
じゃあね!
愛菜:はーい!
そうして、名村先生と連絡先を交換してお別れした。
そして、何とか一命をとりめ精神的にも身体的にも少し落ち着いた私は病院を退院した。
(さぁ!頑張るぞー!そうだ、名村先生に髪きれって言われてたんだった…美容院にいかなきゃ!)
美容師:い、いらっしゃいませ~
お店に入った私を見て、美容師は少し固まった。なんてったって、前髪は目が隠れるぐらいあるし後ろ髪もお尻ぐらいまで伸ばしてるから、遠くから見たら貞子に見えるからね…笑
美容師:今日はどうなさいますか?
美容院なんて行った事なくて、どうすればいいか分からなかったからとりあえず
愛菜:えっと、おまかせで!
と、言ってみた。
美容師:分かりましたー!ご要望は特にないですか?
愛菜:とりあえず、今の感じからすっごく変えたいんです!
美容師:分かりましたー!
そうして、美容師は私の髪をジョキジョキ切り出した。
私は髪が切り終わるまであえて、鏡は見ずに雑誌を見て時間をつぶした。内心どうゆう風になるかすごいワクワクとドキドキでいっぱいだった。 
美容師:できましたよー!こんな感じでいいですか?
愛菜:うわぁ!
美容師:うわぁ?すみません‥お気に召さなかったですか?
そうじゃなかった。今までの私とは大違いで、まるで別人だった。あまりの変わりようにびっくりしすぎて、うわぁ!と言ってしまったのだ。
愛菜:いえいえ!そうじゃないんです!凄い私変わったなぁ~って思ってちょっとびっくりしただけです…笑
美容師:良かったです!笑。にしても、凄い可愛いですね!お人形みたい!お店に入ってきた時はなんだこの客って思いましたが…笑
髪切って大正解ですよ!
愛菜:あ、ありがとうございます…笑
誉められたのは、嬉しいしぶっちゃけ自分でも髪切って良かった!って思ってるけど…。なんだこの客…って思われてたんだ…笑。ちょっとショックだなぁ…。にしても、この美容師さん正直すぎない?笑。そんな事思いながら…
美容師:ありがとうございました!また来て下さいね(●´ω`●)
愛菜:はーい!
そうして、私の初美容院は終わった。
名村先生に髪きった事だけ報告しとこっと!
『先生ー!先生のゆう通り髪切ってきましたよー!また顔見せに行きますね♪』
さぁ、先生にも報告したし!次は…家に帰らなきゃ‥
本当は帰りたくなかったけど、向き合うって決めたんだもん。時間はかかるかもしれないけど、お母さんとも少しずつ打ち解けていかなきゃ。家についた。ひさびさの我が家!
ふぅ…ガチャ
愛菜:ただいま~
内心すっごく怖かった。お母さんがどうゆう反応するのか。なんで帰ってきたの?なんで生きてるの?って言われないか。
由紀子:おかえり
この時、母はこれ以上の事は言わなかった。私が想像してた暴言はなかった。決して優しいとは言えない態度だったが、少しほっとした。
母と一緒にいるのは気まずいから、逃げるように自分の部屋に行った。
はぁ…今日はあんまりちゃんと向き合えなかったなぁ…明日こそ!と思っているとメールがなった。 
名村先生かな?と思いながら、携帯を開いた。
『綾』
綾?なんの用だろう?と思いメールを開くと…
『愛菜今すぐ○○公園に来い!話したい事あるから。』
話したい事ってなんだろ?にしても、いきなりすぎるな…やっと帰ってきたばかりなのに…。そう思いながら…
『はーい!分かった!』
と返した!
問題はお母さんにどう言って、公園に行こうか…
愛菜:お母さん、ちょっと気晴らしに公園行ってくるね!
由紀子:うん、いってらっしゃい
ふぅ…なんだか、今日は変な感じ…妙にお母さんが普通だ。たまたまかな?そんな事思いながら、なんで綾に呼ばれたのかを考えてみる。綾は生まれた頃からの知り合いだ。そのせいか、兄弟みたいで何でも気楽にはなせるし私がゆういつ信用してる人物だ。綾はいつも私を守ってくれる。綾がどんなつもりか知らないけど、私はそんな綾が好きだ。でも、私のせいで綾もいじめられたり友達と上手くいってない。綾も傷ついてるはず。でも、私の前ではいつも強がってる。そんな綾を見るたび胸が痛む。だから、今日はちょうどいい機会だしもう私を守らなくていいよ!ってちゃんと言おう。綾の為に。
そんな事思いながら歩いていると公園についた。
愛菜:綾~久しぶり~!(≧∇≦)bいきなり何?
せっかく久しぶりに会える~って喜んでたのに…しかも、心配させないためにハイテンションで喋りかけたのに…。綾は何故かカンカンに怒ってる。いきなり私の腕を掴んで公園の端に連れて行った。
綾:おい!何が「綾~久しぶり(≧∇≦)b」だよ。馬鹿じゃねえの?
愛菜:えっ?綾どうしたの?
綾:どうしたの?じゃ、ねえだろ。お前どれだけ俺が心配したか分かってんの?
愛菜:えっ?
綾:加奈子おばあちゃんから聞いたんだよ!愛菜薬大量に飲んで倒れたって。
愛菜:ああ…その事か…その事ならもう大じょ…
綾:はぁ?ああ…その事か?その事ならもう大丈夫って?お前何言ってんの?なんで、こんな事する前にもっと俺に相談しろよ!何、遠慮してんだよ!前未遂した時に俺言ったよな?「もう二度とこんな事するな!したら俺が許さない。俺が絶対愛菜を守る。だから、1人で抱え込むな」って!
愛菜:・・・・。
綾:何黙りこくってんの?何か言ってよ。
愛菜:ねえ?綾。もう辞めて。
綾:はあ?何を?
愛菜:もう、私を守るの辞めて。
綾:はあ?お前何ふざけた事言ってんの?俺がどんな思いでお前を守ってきたか分かってんの?
愛菜:分からない。私には綾が分からない。なんで、自分も私のせいでいじめられたり友達と上手くいってないのに…なんで、そこまでして私を守るのか分からない。私が可哀想だから?親にも愛されず、同級生にも嫌われてる私に同情してるの?兄弟同然の仲だから?
綾:はあ?お前馬鹿じゃねえの?俺はお前のせいで友達と上手くいってない訳じゃないし、いじめられてるのもお前のせいだなんて思ってない。だから、お前こそ自分を責めんな!俺は大丈夫だから。それに、俺はいじめなんて卑怯な事する奴らが大嫌いなんだ。自分から関わってないだけ。愛菜のせいなんかじゃない。
愛菜:でもね、私はもうこれ以上綾の傷ついてる姿見たくない。無理して強かってる綾見たくない。苦しむのは私1人で十分だよ。もう私死のうとなんて絶対しないから安心して!これからは、1人で親とも皆とも向きあう。時間はかかるかもしれないけど、それでもいんだ。
綾:じゃあ、一つ聞くけど俺がもしお前の元からさって、お前の事いじめる側に回ったら?
愛菜:それでもいい。綾が友達と楽しく過ごせるなら私はいい。綾が傷つかないなら、それでもいい。
綾:さっきから、聞いてりゃ。綾が綾が…って。お前人の心配する前に自分の心配しろ。こんな精神的にも身体的にもボロボロになって…。俺そんな愛菜見てると、ほっとけねんだよ。俺が愛菜守らなきゃ誰が守る?
愛菜:自分の身は自分で守る。もう、私のせいで誰かを犠牲にしたくない。大切な人を犠牲にしてまで、助かりたいなんて思わない。
綾:私のせい私のせいって…お前自分を自分で追い詰めてどうすんの?ほんとお前って馬鹿だな。大切な人?
愛菜:馬鹿でごめん。うん。大切な人。私、綾が大切だからこそこれ以上綾の傷つく姿見たくない。だからお願い。もう辞めて。ごめんね!今まで私の為にありがと。そしてごめんね。
そうゆうと、私は綾の元を去ろうとした。これ以上綾と話してると泣いちゃいそうだったから。泣いてる姿なんて見せたら、綾はもっと心配するだろうから。
すると、後ろから走り音が聞こえてきた。なんだろう?と思い振り返ると…
綾:おい!まだ、話は終わってないぞ?何一方的に終わらしてんの?俺まだ納得してないんだけど!
綾が、怒り口調でそう言ってきた。
愛菜:ほんとごめん。
綾:さっきから、ごめんごめんって…
愛菜:今、綾に言える言葉はごめんしかないの。これ以上綾には頼れない。
私は精一杯の強がりで、綾に冷たくした。そうすれば綾も諦めてくれると思ったから。
綾:愛菜…
愛菜:綾何してんの?辞めて。
綾がいきなり私の事を、強く抱きしめた。私がいくら言っても離してくれなかった。私を抱きしめながら、綾は静かに語り始めた。
綾:愛菜。俺はさ、どうでもいい奴の事をここまでして守ったりはしない。
愛菜:うん、兄弟同然の仲だもんね。お互い感情はあるよね。
綾:違う。そりゃ、生まれた頃からの知り合いだからっ兄弟同然の仲だからってのもある。でもさ、愛菜俺はそんな感情から愛菜を守ってるんじゃない。
愛菜:えっ?どうゆう意味?
綾:愛菜。俺お前が好きだ。
だからこそ、守ってやりたくなる。だからこそ、お前が苦しんで傷つく姿見てると胸が痛いんだよ。俺も苦しくなる。お前が、また未遂したって聞いた時俺マジで死ぬかと思った。愛菜が死んだら、俺は一生自分を責め続けると思う。お願いだよ。断らないで!俺が絶対守る!なぁ?愛菜?
愛菜:綾、私さっき大切な人を犠牲にしたくないって言ったの覚えてる?
綾:うん!
愛菜:あのね、私綾が好きなの。 
綾:えっ?
愛菜:だからこそ、綾が苦しむ姿はもう見たくない。
もう、嫌なの。私は、大切な人の人生を私のせいで台無しにしたくない。私は綾の幸せな姿を見るだけでいいの。友達と笑いあって恋いもして…そんな姿が見れれば、いいの。
私は私なりに、やっていくよ。お母さんとも皆とも!だから、もう私に関わるのは辞めて!!ごめん。
そうゆうと、私はまた走り出した。綾ごめんね。今までありがと!幸せになってね!そんな事思いながら、家についた。走り出した時、綾が何か言っていたけど何言ってたのか分からなかった。





















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