今回のコンサート、横浜大阪共通のプログラムはこちら。(書くのがめんどいから写真)

 

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と、こんな感じでした。山本奈央とのオカリナデュオは傾向としてはやはりクラシック寄りの作品をじっくり取り組みたいというモードになります。二人の音楽性が一番交わるポイントなのかもしれません。

それに加えてこのコンサートをせっかくやるのならここまでやりたい!という勢いが乗っかって前回同様非常にヘビーなプログラムになりました。(吹くのも、多分聞くのも)

 

簡単に今回のプログラムをご紹介させていただきます。裏プログラムノート。

 

1.シバの女王の入城

 

この曲は一般的にどの程度有名かわかりませんが、金管アンサンブルをずっと好きでやってきた僕としては短い曲ながらとても憧れの強い作品です。荘厳なキラキラとした華やかなサウンド、それが出せたらいいなと昔から思っていまして…金管アンサンブルではまだやったことないのですがオカリナカルテットをやるときにもアレンジをしてやってみた曲です。そして今回もデュオと森さんの重厚なピアノに合うんじゃないかなと思いアレンジしてみました。

「好きな曲だけどソロではやるつもりにならない曲」ランキング第一位です。

 

2.アイネクライネナハトムジーク

 

言わずと知れた名曲ですが今回これをプログラムにいれるなら全楽章でしょう、ということで無謀にも全曲アレンジしました。

話はそれますが、アレンジといってもこの曲に限らずすべての曲ですがピアノパートに関しては森浩司さんに随分助けていただきました。与えられた役割の中でオーケストラのようなサウンドを出すためのアレンジ、弾き方に関しては本当に天才的で今回も驚きの連続でした。

 

さて、全楽章というのはとても有名な1楽章、そこそこ有名な美しい2楽章、3楽章のメヌエット、4楽章ロンドは僕自身そこまでじっくり聞いたことは無いというくらいの曲でしたがやはり軽やかで美しい名曲。

ざっくり言えばバイオリン2パートをオカリナで担当していたような状態ですが、やはりオカリナで吹くのは至難の業…!難しそうに吹いているうちはまだまだだなと思いつつもモーツァルトの曲はオカリナに合うかもという僕のイメージは間違ってないと思いました。オカリナデュオという編成にとってとても価値あるレパートリーの一つになったと思います。

 

3、主よ人の望みの喜びよ

4、ユモレスク

 

この二曲は一般的にもとても親しまれているクラシックの小品ですね。デュオによってソロの演奏よりも固かったりつまらなかったりする結果になっては意味がないのでこういう曲もしっかりと練り上げる必要がありました。こちらは出版されている譜面を使いましたがオカリナパートは大幅に組み替えて、デュオでやる意味もとても広がった気がします。

 

5、ダッタン人の踊り

 

前回もやった曲ですが今回はピアノとのトリオで。「一人オーケストラ」森浩司さんの力が激しく発揮されました。こちらもやはり魅力的なメロディーをなるべく全て取り入れたいと思い、カットはしていますが組曲の全曲+吹奏楽ではしばしばセットで取り上げられる8分の6拍子の部分。技巧的にもかなりの努力が必要だし、多彩な音色で構成される音楽をオカリナだけで表現するためにトリプルオカリナの全音域をフル活用して縦横無尽に吹きまくる、山本奈央とのデュオだからこそできるレパートリーです。

この曲は特にそうですが基本的に「僕がお客さんだったとして、こんなことやってくれたら楽しいだろうなあ、興奮するだろうなあ」というベクトルでアイディアを考えていますので、そんな楽しさが伝わったらいいなと思っています。

 

休憩を挟んでここから後半

 

6、カノンソナタ

 

プログラムの作曲者が間違っていました!大変失礼いたしました。大阪公演も終わって、するどい方に指摘されて初めて気が付きました…なんども眺めていたのですが…

お客様、そしてG.P.テレマン様に深くお詫び申し上げます。

そんなテレマン作曲のカノンソナタ。譜面は1パートしかありません。これを1小節遅れでもう一人が演奏するという完全なカノン形式で作られています。この曲だけピアノはお休み。

ホールいっぱいに響くオカリナの音をサラウンド効果で体験していただこうと思い、ステージの端と端で演奏しました。演奏する方はスリリングです。バロック+オカリナ、これも相性良いです。

 

7、懐かしく、暖かく

 

毎回説明もさせていただいていますが南大阪オカリナフェスタのオープニングテーマ曲として作曲させていただきました。後から作らせていただいた2重奏版を使用して我々も演奏。気持ちの良い曲です。沢山の方に演奏もしていただいてどんどん親しんでいただいているのが嬉しいです。

 

8、365日の紙飛行機

 

朝ドラのテーマでとても人気になりました。こちらも爽やかでオカリナの演奏に適した曲です。森浩司さんは一番苦労した曲だそうですが気持ちよく演奏できました。歌物はやはり歌詞が欲しくなってしまいがちですがデュオだ色々な変化も出せてフルコーラス問題なくできたかなと思います。

 

9、童神

 

沖縄の歌手古謝美佐子さんの代表曲で、オカリナの素朴な音色がとても合います。山本奈央の歌心をたっぷりと聴いていただきました。

 

10、今日、そしてまた明日

 

山下康介さんに1月に書いていただいたオカリナのためのオリジナル曲です。元々はソロとピアノの曲ですが、許可をいただきセカンドオカリナパートもつけさせていただきました。

とても美しく、演奏し続けたい曲です。

 

11、ウェストサイドストーリーメドレー

 

今回のプログラムの最後にということで山本奈央提案により取り組んだ曲です。イメージしてみるとけっこうデュオ向けの曲だしちょうど良いサイズのメドレーができるかも、とすぐにアイディアが膨らみました。本当はもっと色んな曲を取り入れたいくらいではありますが…

掛け合いもあり、美しいハーモニーもあり、そして3人で一丸となって突き進む場面もあり、ととてもエキサイティングで楽しいプログラムです。お客様にも大変好評で、なんとかここまでやれて良かったなあ、と安心しました。今後さらに発展させたいレパートリーです。

 

 

ここからアンコール

12、「新世界」より 家路

 

所謂「遠き山に日は落ちて」です。大阪公演は予定ではここで日が落ちるのですが…

素晴らしい名曲ですね。クライスラー編曲のバイオリン版の譜面を使用して、オカリナパートはデュオ用に書き換えました。音域、雰囲気、オカリナにぴっっったりです。

 

13、「カルメン」より ジプシーの歌

 

最後の一曲です。どんどんテンポが上がりテンションMAXへと導く構成。最後まで難曲でしたがとても楽しく演奏できました。

 

 

長々と書きましたがもし読んでいただけた方いらっしゃいましたらありがとうございます…

色んなチャレンジをしながらオカリナの魅力をどんどん広げていくことも自分の仕事だと思っていますので常に浮かぶアイディアの数々をなるべく高次元で実現させていきたいと思います。それに応えてくれるメンバーの皆様にもいつも感謝です!

忙しくても忙しくなくてもこれからも手を抜かず全力で頑張ろう、と改めて思った今回の本番でした。