仕事中ハニーちゃんからの着信履歴
折り返すと泣きじゃくるハニーちゃん
嗚咽です何を言ってるかわからないくらい
わかったのは 『病院に来て欲しい』という事
わざと明るい声で
『大丈夫。とりあえず一回落ち着き。
深呼吸して、何をせなあかんのかゆっくり考え。
今は病院に行かなあかんねやろ?
子供の迎えはなんとかするし、とりあえず一旦病院で落ち合おう。くれぐれも事故せんよーに
落ち着いてから来ーや』
何も状態がわからないくせにどの口が大丈夫と言うのか 我ながら電話を切ってから呆れた
病院に着くとあーちゃんが看護師の方から説明を受けている途中だった
そのあと先生からの説明もあって
病状はかなり悪く
意識があって会話ができるうちに 合わせたい人には合わせた方がいい
って事であーちゃんからハニーちゃん、ハニーちゃんからオレに連絡を入れてくれたみたい。
だいぶ体のダルさ、しんどさを訴えていて、ダルさをとる薬は睡眠薬の類いで薬の量が増えれば うとうとしたり、眠気がつよくなる
そうすると起きている時間が減ってしまうんだって
その投薬のまえに、家族みんなで話しかけた
孫の顔見たらさ、めちゃくちゃ笑いやんの
めちゃくちゃしんどいくせに
ニコッと笑って
手を上げるのも辛いはずなのに
頭なでやんの
『先生がな、えらいのが落ち着くように薬入れてくれはんねんて
そしたらだいぶマシになるらしいわ
それで、ちょっとでも楽になるとえぇな』
って言ったらな
ちっちゃいちっちゃい声でな
『そうか、ありがとう』
って言うんよ
なんにも、
何にもしてないよ
なんにも力になれてないよ
だからお礼なんて言わんでええやん
チビタソが
おじいちゃんの手をさすりながら泣いてたんよ
それ見ておじいちゃんが困った顔するんよ
それ見たら涙が溢れてきて
こらえるのに必死だった
こんな時に写真なんて不謹慎なのはわかってる
それでも、それでもこの瞬間を残したいって思った
チビタソが優しくさすった手を
さすりながら流した涙を
握り返した手を
細くなった腕もコケた顔も
それでも優しく笑ってくれた事を
次来た時、また話せるかな
あんまり時間はない
やれる準備 しとかなあかんな
吐き出させてくれてありがとうございます