My ALDEN
"中村さんがALDEN履いてるイメージってないですね" とよく言われます。
おそらく社内でも私がALDENを履いているイメージは全くないと思います。
確かに、もう10数年履いていないのは確かですが、実はこんなに持っているんです。
ローファーとタッセル合わせて8足。
結構持っています。(笑)
ローファーは5足。
カーフとコードバンでそれぞれ黒茶、そして型押しのカーフのオレンジっぽいブラウンの5足。
オレンジっぽいブラウンは"海老茶"と言われ、80年代から90年代の初め頃、”最もBEAMSらしい色のALDEN” と言われ、スタッフのマストアイテムでした。
ネームも昔のロゴです。
BEAMSの文字を二重線で囲ったロゴが懐かしいです。
私が高校生の頃、一世を風靡したロゴ入りスウェットブームの時にBEAMSのスウェットに入っていたロゴがこれでした。
私はそのロゴ入りスウェットで初めてBEAMSを知ったので、私にとって由緒正しいロゴなんです。
私のローファーは全て爪先の芯が潰れてフニャフニャになっています。
理由は、ブルックス ブラザースのALDENのコードバンローファーはライニングの無い一枚革で作られているので爪先の芯もなく、トウのラインが丸みを帯びているのに対して、通常のライニングありのモノは芯が入っているのでトウが角張っているのです。
その角張ったトウの芯をつぶしてブルックスブラザースのトウの様な丸みを作るために、当時のスタッフは爪先の芯を手で揉んでつぶしていたのです。
なにもわからない新人が入ってきて、角張ったトウのローファーを履いていると、先輩から爪先を踏みつけられたものです。
今なら完全にパワハラですね。(笑)
今となっては正しかったのか間違っていたのか判断は難しいですが、洋服バカの先輩達からBEAMS魂みたいなものを叩き込まれた良い時代のエピソードです。
タッセルはこの3色。
ブラウンのカーフはブルックス ブラザース ネームのALDENです。
これがブルックス ブラザースのALDENメイドのタッセルの特徴的なディティールです。
このタッセルは確か当時ブルックス ブラザースのファミリーセールで買ったものだと思います。
ALDENのタッセルは私がまだ若手だった頃、BEAMSのスタッフの間でも大流行したモデルでした。
当時はドレスでもカジュアルでもタッセルを合わせることがカッコいいとされていたので、スーツやジャケットスタイルにもファイブポケットにもタッセルを合わせて履いていました。
今の流れと似ていますね。
因みに、前にも何度かこのブログでも書きましたが、ALDENが最もALDENらしい靴と言っているのが実はこのタッセルです。
この話は私が直接ALDENの社長から何度も聞いた話なので間違いのない真実です。
ローファーとタッセル以外に型押しのカーフでバリーラストのプレーントウを持っていましたが、アッパーとソールの縫い付け部分から裂けてしまい、それ以降ALDENは購入していません。
このALDEN、コンディションは全て今も履ける状態です。
でも履けません。
理由はサイズが小さいからなんです。
私の足が大きくなったのではなく、買った当時のフィッティングと今のフィッティングが違うというのが理由です。
購入した当時は先輩達からピッタリめに履くのがかぶれだと教わり、USAサイズの6を履いていましたが、今履くとパツパツでどう考えてもハーフサイズ小さいです。
スリッポンのフィッティングはただでさえ難しいのに、先輩達からピッタリ履くのがかぶれだなんて言われていたのですから仕方ないですね。
昔はなんの違和感もなく履いていましたが、いま履くとパツパツでかなり違和感があります。
タッセルの流れが来ているので、屋根裏から引っ張りだして履いてみましたが、やはり無理でした。(苦笑)
8足全てアーカイブ資料として屋根裏で眠らせることにします。
ということで、My ALDENは履けない事がわかったので、クロケットのキャベンディシュを買おうと思っています。
英国の靴はアメリカの靴と比べると仕上がりが綺麗です。
ALDENのファクトリーに行ったときALDENの社長もそういっていました。
そう言えば、アンラインドのコードバンローファーも持っていました。
ALDENに似ています。
モデル名もBOSTONですからね。(笑)
おろす前に磨かないといけません。
これも先輩達から教わった洋服屋としてやらなければいけない儀式なんです。