ふいご







友よ…



その熱い血潮を

今こそ燃えたぎらせ

昇華させよ!





あなたの味わったその苦しみの、

その風雪に耐えた日々は、



単なるエネルギー!





そこであなたの鏡を歪ませてはならない!





それは、

ここで今こそ燃え上がる為の

単なる大きな踏切板!





そこでエネルギーの使い方を間違ってはならない!





今こそ



あなたのその炎を

燃え立たせ、



吹く風を

煌めかせよ!





経験した様々な出来事の一つ一つに、

苦しさ故にちっぽけでくだらない意味付けをしてはならない!





みんなみんな、

それはこれから飛翔するための、



大切な大切な、



鞴(ふいご)に過ぎなかっただけなのだから…








ht
【第六夜】


お日様が昇って
ぴっぴが都に戻ります


今日は都にもどる風
大きな風が吹く日です



ぴっぴはおじちゃんから戴いた
指輪の冠を頭に載せると
上機嫌で旅立ちの準備です!


おじちゃん辻まで見送ります。
ぴっぴは大空高く舞い上がります!
$Bebe Suaveのブログ

丘を越えて
雪の平原越えて
氷の湖越えて
ぴっぴは都に戻ります


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


あぁあぁ都に戻れます
あぁあぁ命、存(ながら)えた
嬉し恋しい都だわ


ぴっぴは所詮、みやこどり
北のお宿にゃカナリヤさん
せめておじちゃん
どうかどうか
カナリヤおばさん大切に!
ぴっぴは金の鳥籠も銀の寝床も
要らないよ
ぴっぴはおじちゃんの
本当の優しさに触れたから
最果ての地まで飛んで来て
良かったよ


だってだっておじちゃんは
ぴっぴの歌は忘れない
だってだってぴっぴは
おじちゃんの愛を忘れない


絶対絶対忘れない
いついつまでもいつまでも



ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん




ぴっぴが北に旅した間
都は春の嵐だったんだって


けれどぴっぴが戻ったら
風はすっかり止んでいた



あぁあぁ都は満開の
夜桜の花も賑々しい


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


この花の賑々しさも
哀しいおじちゃんに飛んでいけ


ぴっぴの愛したおじちゃんへ
満開の桜飛んでいけ


$Bebe Suaveのブログ

夜桜の花の木の枝で
夜啼きウグイスのぴっぴは
今宵も歌います。


けれどぴっぴの歌声は
どうです?
もっと大きな声になったでしょ?
喜びに満ち満ちた満開の桜のような鳴き声になったでしょ?


そして今でも夜啼きウグイスのぴっぴの頭には冠が光っているのは
こういうわけだったのさ。
そう!最果ての宿屋のおじちゃんの指輪の冠が、ね!



そしてそして
東のお空のオレンジ色のお星さまも
にっこりにっこり笑いなすったとさ。。



ぴっぴの冒険は
これでお終い!


でもきっとぴっぴは
格段に飛べるようになったね!
おじちゃんに会えて良かったね、ぴっぴ!!

【第五夜】

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ぴっぴがせっせと歌うので
おじちゃん優しくなってきた!


お寝坊鳥のぴっぴちゃん
もう日は高いよ起きなさい
今日の昼餉をお食べなさい


おじちゃん優しくなったけれど
ぴっぴはまだまだビクビクです。



今日の昼餉はてんこ盛り!
小鳥サイズじゃありません
これはきっと犬さんの
量にきっと違いない


さあさあぴっぴよ
お食べなさい!
これは特製まんまだよ


お皿の上はてんこ盛り!
ちょっぴりたりとも残したら
柳の鞭で打たれましょう!


ぴっぴは涼しく食べあげて
美味し美味しと歌います。


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん
おじちゃんやっぱり天才だ
ぴっぴはここ来て良かったよ
ホントにホントにありがとね
みんなおじちゃんのお陰です



おじちゃんすっかり心を開き

美味しい夕餉もいただけた!


まだまだ油断はなりません。
どうか上手にこぼさずに
綺麗におじちゃんご馳走を
ぴっぴは上手に食べなくちゃ!



そしてまたまた歌います。


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん

美味しいおまんまありがとう♪
こんな美味しいおまんまは
都じゃとっても食べられない
あぁやっぱりおじちゃんだ!
ぴっぴはここ来て良かったよ

ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


おじちゃん、いよいよ大上機嫌!


またまたぴっぴを自慢する


さあさあ今夜は最後の夜さ
友達呼んで宴じゃぞ


ぴっぴもびっくりレコヲドも
たっぷり掛けてやるからな
ションベン垂れても知らねえぞ


ゾンゾンゾンゾン
ズズッッッッッッピダバビー
ダカスカダカスカダカスカダカスカ
ンンチャリーーーーーーー


あぁあぁぴっぴは痺れるよ
ホントにホントにやられたよ
ホントにホントに惚れちゃった


ズンズンズンズンズンズン
ズンズンズンズンズンズン


あぁあぁなんて悲しいんだろ
おじちゃん、この歌なんだろね!


そうだろ、そうだろ
小さき鳥よ
これがおじちゃんの
哀しい哀しい歌なのさ。。



おじちゃん友達やってきて
ぴっぴの自慢を始めます


おうおう友よ
この鳥は珍しきだけではなかりけん
この鳥元気に見えれども
朝も昼も眠る鳥
ただ夜目をば覚ましたら
かように歌う鳥なるぞ


ようこそようこそやって来た
俺の懐飛んで来た
哀しく可愛い鳥なるぞ


おじちゃん友達歌います


よくぞいらしてくださった
こいつの自慢がわかります
まだ飛んで来た束の間に
再び飛んで帰るとは!!
次なる飛来はいつなるぞ?



おじちゃん、すかさず答えます


夏には戻って来る鳥よ
寒さの苦手なぴっぴだが
花も咲き草も茂り
お天道様も燃えて
蝉の鳴く頃に
再び飛んで来る鳥ぞ



あぁあぁおじちゃん!
ぴっぴとは再び顔も見たくない
もう二度と再び飛んで来るなと
幾日前に言ったのか?


でもでもぴっぴも嬉しいよ
心の底から歌います


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


今今作った音の玉
これもあなたに入れましょう

今今作った音の霊
これもあなたにあげましょう


ぴっぴは小さき鳥なれど
ぴっぴはか弱き鳥なれど

おじちゃんホントに愛しいから
心を込めて丸めます


ほうらぽぅんと音の玉
あなたの音で丸めた玉を
あなたに入れてやりましょう


ぴっぴ明日、日が昇り
都へ向かう風に乗り
再び都に戻る鳥

でもでもおじちゃん
ありがとう!
置いてくれてありがとう
愛でてくれてありがとう

ぴっぴはとっても幸せよ


おじちゃん大事な宝箱
おじちゃん大事な音の箱

とびきり音色も聴かせてくれて
ぴっぴはすっかり上機嫌
ぴっぴはすっかり鳴らされた!


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん



ぴっぴはもっと羽の色も
嘴の色も声色も
すっかりこっくり輝いた



おじちゃん、やおらにシャッポを脱いで
おじちゃん、ぴっぴに言いました。


お前にゃ全く脱帽だ!
お前をなめていたようだ
ぴっぴよ、どうかこの指輪
おまえの頭に載せようぞ


おじちゃんは子指に嵌めていた指輪を抜き取ると
ぴっぴの頭に載せました。
それはそれはぴっぴにぴったりな冠になりました。


ぴっぴもますます喜んで
ぴっぴの歌声響きます


あぁあぁおじちゃんありがとう
ぴっぴのこの声ますます艶めくのも
ぴっぴのこの声ますます届くのも
みなみなみぃんなおじちゃんのお陰


最果ての地に飛んで来て
ホントにホントに良かったよ
ぴっぴは帰った後からは
この地に花も咲くでしょう
おじちゃんにも花が咲くでしょう



ぴっぴの冠、おじちゃんの指輪
ピカピカ光る冠よ
冠被ってぴっぴは歌う
嬉しい嬉しいありがとう
楽しい楽しいありがとう
幸せ幸せありがとう


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん
$Bebe Suaveのブログ

ぴっぴはまたまた歌います。


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


明日に都に戻る鳥
どうかカナリヤおばさんも
愛でてやってくださいな
きっと哀しい鳥仲間


ぴっぴは戻る都があるが
カナリヤおばさん、
おじちゃんと共に死ぬ気で飛んで来た鳥よ


びっぴは再び愛でられて
とってもとっても幸せよ
おじちゃんホントにありがとう


ぴっぴはおじちゃん好きだから
もうもう怖さも消えたから
遠く都に戻ってもおじちゃん思って歌います


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん



ほうらおじちゃんの身体には
ぴっぴの歌が響いてる


今宵はぴっぴの最後の宵
ずっと歌って明かしましょ


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん

ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


ダカスカダカスカ
ダダダンダン


ドドドンドドドン
ドンツクドン


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん