こんにちは
心が輝くメイクを伝える
JPMパーソナルメイクアドバイザー  福井美余です。

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準備中から飲むわたし(笑)



昨日は大切なお友達のピアノライブでした。》》》詳しくはこちらの記事で

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なおさんが弾いた中に童謡の「赤とんぼ」がありました。


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私はこの唄に

生涯忘れることのない思い出があります。

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私は生まれてから3ヶ月で
母方の祖母に引き取られています。

父と母と会うのは週末のみで
あとは母の実家で、祖父母に育てられました。


祖母は大正2年うまれ

貧しい農家の長女です。

生まれたばかりの弟をおぶって
小学校に行き、廊下で世話をしながら
読み書きの勉強をしたそうです。


13才からは、女中奉公に出ました。


実家を遠くはなれ

お金持ちのお家で女中として働きながら
親に仕送りをする仕事です。


20才を過ぎたころ
川を挟んだ隣村の祖父と結婚をしました。


太子田橋と呼ばれる
細長い橋のかかった川です。


祝言の日に初めて顔を合わせたそうです。


祖母はよく、この頃の自分のことを


家畜以下だ。


そうつぶやいていました。


当時の農家では、田畑を耕すために馬や牛を飼います。


馬や牛のほうが、まだマシな扱いをされていた。


過酷な田んぼと畑仕事以外に

夫と義父母、夫の弟や妹の家事を
一手に引き受けるのだけど。


嫁には金のかかるものは
食べさせるなと言われて


肉や卵なんて食べたことのない。


そんな人です。


長男が生まれて
2人目には女の子が生まれました。


その頃の祖母は23才。


二回目のお産のとき
産後の出血がひどく、命を落としかけます。


祖母の様子を見に来た産婆さんが


義父母や弟たちを見かねて
一言声をかけました。


お宅のお嫁さん
このままだと危ないんですよ。


お宅の食べてるその味噌汁
あの人に食べさせてやってくれませんかね?


それを聞いた義父は


手元にあった味噌汁を
すかさず産婆さんにかけたそうです。



嫁に食べさせるくらいなら
こうしたほうがよっぽどいい。


布団の中から


その様子を見ていた祖母は
あることを決意します。


もう

子供を連れて実家に帰ろう。


乳飲み子と可愛い盛りの長男を連れて
祖母は太子田橋を渡ります。


この橋を渡りきると、隣村の実家に戻れる。


ところが当時の日本では


嫁いだ先にから実家に帰るということは
死んで骨になる他ありません。


橋の途中まで来たとき


2人の子を連れて
このまま川に飛び込もうと思いました。


流れのはやい大きな川です。


飛び込む勇気を待つあいだに
少し日が暮れてきました。


夕暮れの空を見て
上の男の子が歌いはじめます。


夕焼け小焼けの赤とんぼ
負われて見たのはいつの日か


モミジのような小さな手を
握りながら歌う我が子の姿に


祖母は我に返ります。


自分の他に、誰がこの子を守れるんだろう。


祖母は92才まで生きました。


3日ほど寝込んだ朝


雨の日にひっそりと亡くなりました。


無名の田舎のおばあちゃんです。


小柄でおとなしく
目立つところは何もありません。


いつもお古の服ばかり着ているので
新しいキレイな服を渡すのだけれど

もったいないと言って着ない

そんな人です。



あの日

子供の唄を聞いて死ぬのを思いとどまってから。

5人の子供が生まれて

11人の孫ができました。

ひ孫が14人。


孫のうちの一人が私です。


祖母は、テレビで役者を見るたびに
とても羨ましがっていました。


役者は死んでも
こうして写真や映画で残る。


自分には何も残らないから。



でも

どうでしょう?


偉人とは何も

大きなことを成し遂げた人ばかりではありません。


あの日、祖母が川に飛び込んでいたら
今の私はここにはいません。


5人の子供も11人も14人のひ孫も。
誰もいません。


いま、報われなくても
いま、無名でも


何十年も後に


大勢の人から感謝をされる。


そんなこともあるんです。


命を与えること。


これほどすごいことが他にあるでしょうか?


おばあちゃんという人がいたから
こうして皆が笑っていられる。


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おばあちゃんは名もなき人です。

特別なにかがすごかった訳ではありません。


だけど、子供たちはみんな。


あなたという人の偉大さを
年を経るごとに感じています。