源氏物語その2 | 文学ing

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森本湧水(モリモトイズミ)の小説ブログです。

文学書の後ろの解説ってあんまり読まないけど、

おっもしろいですねえええ。


与謝野晶子訳の源氏物語再読しているんですが、

ちょっと飛ばして後ろの解説読んだら面白かった。


曰く、

源氏物語のもともとの主役は光の君ではない


んだそうです。


源氏ガールズにおける言わずとしれた二大巨頭、

藤壺の宮と紫の上

なんですが、

「紫」の名前を冠するこの二人の女性はそもそも皇族です。

内親王、女王といった身分の女性は、

国家の祭事を担当するいわば巫女なので

結婚という形をとることはもともと不可能です。


なので皇族の女性が結婚する場合、

それまでの身分を捨てて臣籍に下ってから嫁ぐのがセオリーなんだそうです。


つまりこの二人のレディムラサキは

「女源氏」

と呼べるのです。


だからもともと源氏物語の原型は

光源氏物語

ではなく

女源氏物語

であって、女性目線の物語だっという、説。


おもしろいなあ。


でもってそもそもこういう文書は現在みたいなエンターテイメント文書として大衆向けに製作されるものではなく、

両家の女子が教養を身につける際に、

お付の女先生がしたためて

字を覚えさせたり和歌のいろはを教えたり、

あるいはざっくり世の中のことを学ばせるための

実践テキストだったんだそうだ。

おされだなあ。


ということは歴史の行間に埋没してしまっただけで

このての文書は当時多く存在していたんだろうな。

これだから調べものは面白いんだよなあ☆