消臭剤や芳香剤でお馴染みの「エステー」が、
今年１０月２０日、１５７５０円の放射線測定器を
発売すると発表し、株価がストップ高になるほど
話題になっています。
今こそ欲しい、安価の放射線測定器！
なぜ、電子機器メーカーではなく、芳香剤の
メーカーが発売することになったのでしょうか？
そのカラクリは、芳香剤のメーカーだけに、
とても臭うものがあります！
まず、「エステー」が発売する放射線測定器は、
ガイガー管を使わないタイプで、厳密に言うと、
「ガイガーカウンター」ではありません。
シリコン半導体でガンマ線を検知するタイプの
放射線測定器なので、その商品名！
「エアカウンター」。
ガイガー管が入手できず、これを使うとなると
価格も高くなってしまうので、シリコン半導体で
検知するのですが、実は、「放射線測定器」を
日本で売ろうとしたのは、エステーが初めてでは
ありません。
原発事故直後から、フランスのメーカーが
安価のガイガーカウンターを売るという報道も
ありましたが、何らかの理由で輸入が止められ、
日本での販売を断念したという話もあるほど。
ガイガーカウンターを作れるメーカーだって
たくさんあるのに、発売できなかったのです。
しかし、どうして機器なんて専門外であるはずの
芳香剤メーカーが、発売することができたのか？
それは、この「エアカウンター」を監修したのが、
「子供は１００ミリシーベルト浴びても安全」と
豪語する御用学者の福士政広氏であるという点に
「おやおや？」と思わせるものがあります。
おそらく、こういうことを書けば、放射能にビビる
頭のイッちゃった野郎の妄想なんじゃないかと、
ハゲ散らかした前髪がフワッフワするくらいの
向かい風が来ることは間違いないんですけど、
芳香剤メーカーのくせに、良い臭いがまったく
しないのだから、書かざるを得ません。
この「エアカウンター」の不思議だと思う部分は、
空気中のガンマ線だけを計測するという機能です。
確かに通常はガンマ線だけなんですが、間違えて
ベータ線を検出しないように、わざわざベータ線を
カットするフィルターを内蔵するトリックっぷり。
ヨウ素やセシウムといったものはベータ線を出す
わけですから、ベータ線も合わせて計測できたら、
より環境に近い数値がわかるはずなのに、わざと
数値を低くするためのフィルターをつけてしまう。
さらに、この「エアカウンター」を買うと、
もれなく安全大先生の福士政広氏が作成した
小冊子なるものがついてきて、「放射線が高い
地域で子供を遊ばせて大丈夫ですか？」という
お母さんからの質問にアンサーしているそうです。
１０月にならないと、どんなふうにアンサーするか
わからないのですが、今までの理論で言ったら、
「１時間に３．８マイクロシーベルト以下なら、
子供を外でどんどん遊ばせましょう！」。
こういう小冊子をつけることを条件に売ることが
できたというような腐ったことはないのだろうかと
疑わずにはいられませんが、これが危険野郎の
妄想に過ぎないことを祈らずにはいられません。
新幹線があり得ない事故を起こしたあげくに、
証拠隠滅のために生き埋めにされるような国の
ガイガーカウンターを使っている人に言われたく
ないかもしれませんが、１０月２０日は注目です。
もちろん、僕も買ってみようと思っています。
さて、今日は、長らくお伝えしてきました
「シリーズ東海村」のメインディッシュです。
子供たちに原子力を教える「原子力科学館」の
レポートをお届けいたします。
「原子力科学館」。
皆さんが恐れている放射能が、いかに世の中の
役に立っているのかを教え、子供たちに原子力の
分野に興味を持ってもらうための科学館。
ウェルカーム・トゥ・イバラキ・サイエンス・
ミュージアム・オブ・アトミック・エネルギー。
さっそくアーチで大歓迎された後は、入口の前に
こんな素敵なスペースが用意されていました。
記念撮影スペース！
原子力科学館に来たことを一生の思い出に！
ここでカップルで写真を撮れば、近い将来、
「あの頃は美織とラブラブだったのに！」と
アルバムを見ながら泣けること間違いなし。
入口には、アインシュタインをモチーフにした
博士のキャラクターが立っていたんですけど、
その横には、いくらの金が流れたのか不明な
謎の彫刻があり・・・。
「チョリーッス！！
セシウム吸ってる？」
そんなムカつく顔の石像を無視して、
さっそく「別館」の方から入ってみることに。
オープニングから展開されていたのは、まさかの
ホワイトボードに貼られた、つまらない説明の数々。
思ったよりショボいのかなと思って、入ってみると、
そこで目にしたのは・・・！！
「放射能は、こんなものに役立っています」と、
タイヤや注射器、ビートバンなど、その作る工程で
Ｘ線などが当てられる商品がラインナップされ、
その横には、こんな模型が！
皆さんが、病気になった時や健康診断の時に
受けるであろう、レントゲンやＣＴスキャンなどの
放射線を使った診療のコーナー。
これについては、いちいち模型を作って説明を
してくれなくても、何となく知っているんですが、
さすがは原子力マネーがジャブジャブしている
「原子力科学館」です。
この展示物には、何やら怪しいボタンが！
ボタンを見つけると、とりあえず押してしまう
性格の僕ですから、これが仮に核ミサイルの
ボタンだったとしても、「ポチッとな！」なんて
言ってしまうと思うんですけれども。
これはＣＴスキャンの模型になっているので、
このボタンを押したら、どうなってしまうのか！
ちょっとワクワクしていたんですが・・・。
・・・えっ！？
・・・え、えっ！？
光っただけ。
これだけ壮大なスケールで模型を作っておいて、
光るだけって、おい！ 「動かんのかーい！！」。
その他にも、いくつかの光るだけの展示物に
釘づけになりながら、この別館のメインは・・・。
ＪＣＯ臨界事故パネル。
１９９９年に起こった「ＪＣＯ臨界事故」というのが、
どのような経緯で起こり、どのような迅速な対応を
したのかという自己満足レポートを公開したもの。
この事故では、３人の作業員の方がお亡くなりに
なったのですが、本当の被害はそれだけではなく、
住民の中にも、被曝の後遺症に悩まされている
人たちが今もいるのですが、そのことについては、
一切書かれておらず・・・。
いかに早くテレビで速報テロップを流したのか。
いかに早く常磐線や常磐道を封鎖したのか。
さらには、いかに早くＪＣＯの違法行為であると
突き止めて、大至急、家宅捜査＆逮捕したのか。
今も仲良しの仲間のくせに、まるで「ＪＣＯ」という
悪者の組織を、いかに一丸となって立ち向かい、
解決に導いたのかのように展示されていまして、
最終的に、どんなオチになったかと言うと・・・！
「オフサイトセンター」という
ハコモノを作りましたという話。
あんな事故を二度と起こさないようにするには、
どうしたらいいのかという分析と反省を踏まえ、
「オフサイトセンターを作った」というところで、
このＪＣＯの事故の話は終了していたのでした。
あの事故以来、「ぶらぶら病」になってしまった
農家のオジサンの話とかは、一切していません。
生々しい話は一切せず、作業員３名の尊い命が
なくなってしまったということだけに終始している
このパネル。こんなことで、放射能の危険性を
ちゃんと伝えられるはずがありません。
原子力を推進するための科学館なのに、
本当に危険なところを伝えてどうするんだという
ことになるので、こんな場所で伝えられるはずが
ないんですけど、放射能の本当の危険だったり、
問題だったりするところは、いつも隠される・・・。
明日は、人々がどうして放射能を危険だとは
思わないのか。原発を素晴らしいと思うのか。
その理由が少し垣間見れる話をお伝えします。