2009年に公開された、畑澤監督作品「時空警察ハイペリオン」が配信中!だとか。

http://gyao.yahoo.co.jp/p/00339/v08576/

その頃から(今でもか)僕は作品を作るのにだけ夢中になりすぎて、その作品がどのように届けられるのか(いつどこで、どういう規模で放送される、配信される、公開されるのか)に無頓着で(もちろん、いつどこでどういう風に発表したい作品です、と「企画」はするのだけど。

 

テレビをやっていた時代から(特に再放送など)いつも放送が終わってからやってるのを教えてもらう始末だった。

 

「時空警察ハイペリオン」の頃…

テレビシリーズ「時空警察ヴェッカーシグナ」の続編映画を企画していたけどクランクイン寸前に中止になり(ひどい話だけど、意外に少なくない)、茫然自失になっていたが、もう作り終えていた着ぐるみや衣装、小道具などをどうにかしなくてはならない。その頃僕は一応制作会社の経営者でもあったので、なんとしても「何か」作(って公開せ)ねばならない!(でないとお支払いができない)

 

そんな折、声優さんたちによるスピンオフドラマCD企画が進んでいた(ドラマCD自体は「ハイペリオン幕末異聞伝」としてのちに実現する)ので、「えいっ!やぁっ!」とそれを無理やり映画企画に仕立て直した。

 

…それが「映画 時空警察ハイペリオン」である。

ビデオ映画2本分の予算しか取れず、これまた窮余の策でビデオ映画2本の前後編として制作した。

内容がまったく同じ、という訳にもいかないので映画として公開した方にはそれ用のエピローグが付いている(ので混乱された方も多いようだ)。

 

当時(今でも)「中の人」と呼ばれていた声優さんと、文字通り着ぐるみの「中の人」であるスーツアクターさんを「外」に出し、ダブル主演させる!

主演:和田三四郎(スーツアクター)・森久保祥太郎(声優)

これに「ヴェッカーシグナ」の続編だった要素もかなり(強引に)足した。

その要素とは最近「こればっかり」になった多次元世界要素。この子たちは多次元世界の「ヴェッカーシグナ」の主人公たち。

コスチュームは木村貴宏さんに(無理やり)デザインしてもらった。木村さんは劇中にもカメオ出演されている。

 

ついでのように書いて申し訳ないですが、当時(当然ファンとして)おつきあいのあった高峰圭二さんにも重要な役でご出演頂いている。高峰さんからのお口添えで黒部進さんにもご出演しただいた。

時空警察長官はⅯ78星雲人だったのである。

 

声優×スーツアクター×アイドル

 

最強コラボ!が(偶然)出来た。

合体変身する探偵ヒーローって設定も「仮面ライダーダブル」の1年前にやっている。

 

久しぶり(もう8年か)に観直してみた。

探偵物語のパロディーから入り(確か30周年だった)、大好きな1980年代を描こうとしている。ふたりの対照的な探偵を中心にSF、変身アクション、アイドルがほどよくブレンドされ、

けっこう心地よく最後まで見届けられる。

客観的に観て、いろいろ稚拙さはあるにしろ、意外に面白い。

 

…どうしてこの映画が「まったくヒットしなかった」のかが分からない。

どんな作品も「ヒットしてくれ!」と(誰もが)願うものだけど、僕はあの頃、「この作品はなんだかヒットする気がする」と思っていた。

…のに。

 

結果は大惨敗であった。

森久保さんに、三四郎君に、高峰さんや黒部さんにも合わす顔がない。

観てもらえない事には面白いのかどうかも分からない。「時空警察ハイペリオン」はロクに「見ても」もらえなかった映画なのだ。

 

それから長く映画が撮れない日々が続き…

実は今に至る。

「デッドリーナイトシェイド」は実は「ハイペリオン」より前からあった企画。これもいろいろあって完成、上映までに物凄く時間がかかった。

 

僕には借金だけが残り、会社も休眠(実質倒産)させざる負えなくなった。

その後僕は逃げるように中国へわたる。

 

「時空警察ハイペリオン」

僕にとってはこれが今のところ最後の映画になる。

「時空警察シリーズ」のスピンオフでありながらひとつの到達点だった。

「時空警察シリーズ」はその後「舞台」というこれ以上なく相性のいい「舞台」と出会い、舞台作品として現在まで続く作品として生き残れたのだけど。

 

「最後の」映画もう一度、(無料でも)観て頂ける機会が出来たようで嬉しい。

 

何度でも「最後の」映画を創りたい!

と最近つとに思う。