1978年、昭和53年発刊の14巻からです。
本日、6月2日は、「ぐうたら感謝の日」です。
のび太が作った国民の祝日です。
そもそも事の発端は、のび太が6月が来てしまったことに嘆くところから始まります。
「ついに、ことしもきたか…ああ。」
「日曜のほか一日も休めない。こんなつまんない月があるか!」
そうです、発刊当初は学校も会社も、土曜日が休みなんていう生易しい日本ではありませんでした。
当初祝日の無かった7月(今は海の日)と、8月は夏休みがかぶるために、のび太は日曜以外にも休めるわけです。
←ご立腹です
「あああ、ゆううつ…。」といつもの昼寝モードに入るのび太。
ここでドラえもん、また恐ろしい秘密道具を出します。
「日本標準カレンダー」
って、ん?なぜにドラえもんが、日本の中心になってしまうような道具を。
ドラえもんはこの手の危険な道具をいくつも持っています。
22世紀の気象庁が使うという「天気決定表」(12巻)なるものまで持っています。
今回の「日本標準カレンダー」とは、「このカレンダーをいじると、日本じゅうのカレンダーが、それに合わせて変わる。」らしい。
そんなもののび太に使わせるなんて、ドラえもんもどうかしてます。。。
全部休みにしてしまうじゃないですか
しかしここはマンガの進行に支障をきたさないように、休みは一日だけにしておきます。
欲望を抑えたのび太、これだから読まずにはいられなくなるんです。
そこで、「あした休み。」といいながら6月2日のところに、休みになるシールを貼りつけます。
さっそく明日休みですか....さすがのび太ですね、だらけることに関してはトップクラスです。
そこでのび太が名づけます、「勤労感謝の日があるんだから、ぐうたら感謝の日とでもするか。
次の日、のび太とドラえもんは街に繰り出します。するとどの家にも日の丸が。
まさに日本中を変えてしまったのです。
←「たいしたカレンダーだなあ。」 感心してる場合じゃありません、もっと罪の意識を....
「日本人は、遊ぶことにさえ必死になりますからねえ。」
こんなことを藤子大先生は、小さな子どもに訴えかけています。
いずれ大人になり、その意味がわかったとき、藤子大先生の偉大さを知るわけです。
ここで、お腹がすいた二人。ママをアテにすると、「したくなんかしませんよ」
おっと、意表をついた攻撃ぐうたら精神にそむかないよう、ママは家事を一切しません。
パパも「法律は守らんといかん。」
なんと律儀な家庭。。。ごはんが食べられない二人、大ピンチです。ドラえもんはずるいですから、ぐうたら感謝の日が終わるまで、自分でしっぽを引っ張り、スイッチを切ってしまいます。 結果、
←猫から魚を奪う始末。
同じくお腹のすいたジャイアンが強奪。
助けを求めるも、交番も休みw
ドラえもんのスイッチを入れて、のび太が助けを求めます。
「シールをはがせば、もとにもどるけど…。」
はがしました。
6月2日は、祝日であった証拠はどこにもありません。
しかしなぜか国民は家に閉じこもっています。
あわてて出勤&登校&仕事
ところがドラえもん、いやに済ました顔で、
みんなにめいわくかけたな。
そんだけですか日本中の国民をパニックにさせておきながら....。
今回は突っ込みどころが少ないんです、というのも、話が徹底的に「ぐうたら」な方向へ進んでいるためです。
傑作の一つだと思います。
細かく言えば、確かにありますが、なかなか読み応えあり、爆笑ありで。
ちなみにこんな場面があります。
テレビの出演者が働いてるというのび太の指摘に、テレビは答えます。「あらかじめ録音したもの」だと。
←「ははあ。」
ドラえもんの顔に注目です。
普段こんな目をしないですね、貴重なシーンです。
ぐうたらしすぎて、ドラえもんご自慢の「夜でも見える赤外線アイ」が機能していないのでしょうか。