においこぶしはユーカリやタイム同様に呼吸器に働きかけのある香りなのですが、西洋の精油に感じる「つーんとする感じ」が少なく、使いやすい精油です。

日本薬局方に記載される生薬の「辛夷(しんい)」で、耳鼻咽喉の漢方として有名だそう。ということで、においこぶしの精油は、アレルギー性の疾患をもつ方のリラックスにおすすめします。

そもそもアレルギーというのは、抗体(外界の敵)に対して自分の免疫が過剰に反応することを言います。原因はさまざまな説があるものの、いまだ不明。

最も基本となる治療は原因抗原の回避と除去。それにステロイドをはじめとする自己免疫のコントロール、というのが西洋医学的アプローチ。

一方、免疫学の医師である安保徹先生(青森県出身)によりますと、アレルギー疾患は副交感神経が優位になりすぎて発生するものだそうです。


詳しい説明は割愛しますが、副交感神経が優位になりすぎてアレルギーが起こるということは、アレルギー対策には交感神経をしかるべき方法で刺激するのがよろしいそうです。


からだは緊張と弛緩、両方のバランスが大事なのです。


その点から、においこぶしの精油の成分をみてみると・・・

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<オキサイド類>
1.8シネオール…27%

<アルデヒド類>
ゲラニアール…19%
ネラール…14%

<モノテルペン炭化水素>
パラシメン…9%
β‐ピネン…6%など

<フェノール類>
アネトール…1%

<ケトン類>
カンファー…1%
(名古屋大学調べ)

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てな感じ。


においこぶしの精油は、ローズマリーのように、身体をシャキっとさせてくれる1.8シネオールの香りと、ゲラニアールやネラールのように甘くてからだを緩めてくれる香りとがバランスよく含まれています。要は緊張と弛緩が両方含まれている精油だということ。


そしてさらに精油の不思議なところは、多く含まれる成分が必ずしも強く作用するわけではないということ。


その方にとって必要な成分を受け取るようにできている。つまり精油を嗅いだとき、自分自身がバランスをとるようにできています。


キャリアオイルに希釈して、お顔のトリートメントがおすすめ。

香りを近くに感じられると同時に、もっとも皮膚感覚が鋭いお顔に触れることは、最高の自分メンテナンスです(*^^*)





においこぶし
2ミリ 5,508円




参考
「日本の森から生まれたアロマ」稲本正,世界文化社,2010