アジアの若者も経済的に余裕が出てきて
消費の牽引役になってきているようです。

シンガポールなどは日本の若者よりも豊からしい。

モノよりもコトに比重があるというのも
日本とは違うかな。

アジアの勢いを感じます。

「海外旅行」7カ国で首位 アジア10カ国若者調査
買いたい・利用したい 所得向上で体験志向/フィリピンなどは「自動車」
健康診断・スポーツジムにも関心
2015/1/28 3:30日経 朝刊



 日本経済新聞の「アジア10カ国の若者調査」によると「今後3年以内に新たに買いたい製品・利用したいサービス」(複数回答)で海外旅行が中国、インド、タイなど7カ国で首位だった。一方、若者の欲しいモノで代表的な自動車はフィリピンやインドネシアなど3カ国で1位だった。経済発展が進むにつれ、所有する「モノ」よりも経験する「コト」を重視する姿勢が鮮明になっている。

 「ハリポタのつえを買いたい!」。中国・大連(遼寧省)の旅行会社、中国旅行社総社には、昨年来、こう話す若者が絶えない。大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)にできた映画「ハリー・ポッター」の新エリアでは、登場人物の魔法のつえを売っている。交流サイト(SNS)でこれを見た若者が自分も体験してみたいと旅行社に押し寄せた。


 香港の証券会社CLSAの試算では2020年には2億人の中国人が海外旅行に出かける。2位ドイツの2倍という圧倒的な世界一だ。旅行に出かける人の84%はSNSで写真を発信するという。スマートフォン(スマホ)はモノだが、旅行先で写真を撮り、それを友人と共有したりするのに必須のアイテムとして若者の需要が高い。


ジャカルタのショッピングモールには車が展示されている
 シンガポールのIT(情報技術)企業に勤める女性のコー・チンウェンさん(25)はこのほど9日間かけてミャンマーを回った。かかった費用は1000シンガポールドル(約9万円)。この1年でタイやインドネシアも旅行し、合計3000シンガポールドルを使った。「旅行は自分への投資。現地の人や自然と触れ合うと視野が広がる。今年は少し貯金して南米に行きたい」と話す。

 インドの43.5%は「スポーツジム」、フィリピンの40%は「習い事」、シンガポールの39.5%は「定期健康診断」にお金を使うという。シンガポールの専門学校に通うリーさん(25)は、1回あたり98シンガポールドル(約8500円)のフェイシャルエステを月1回のペースで受ける。モノよりコトを求める若者が望むサービスは国によって多様化している。

 「家族で乗るにはミニバンが一番。中古車としての買い取り価格も安定してる」とインドネシアの20代の女性会社員はこう語る。首都ジャカルタは地下鉄や路面電車がないため、自動車は生活必需品になっている。

 所得の低い国では自動車の人気が高い。1人当たり国内総生産(GDP)が3千ドル(約35万4千円)を超えると家電などの耐久消費財が普及するといわれるが、自動車が首位だった3カ国はその水準を超えたばかりか、下回る国だ。1人当たりGDPの高い国はすでに若者の自動車保有率も高い。車を所有している人はマレーシアの70.5%を筆頭にタイ、インド、中国で5割を超えた。

 また、シンガポールなどでは自動車購入時の税金などが高く、日本で200万円もしない車を所有するのに1000万円程度もかかることもあることから、自動車を敬遠する若者も多い。

 博報堂ブランドデザイン若者研究所の原田曜平リーダーは「アジアでは国の発展段階や所得水準によって、欲しいモノやサービスは異なる。インドネシアなどではまだクルマへのあこがれが強い。国が豊かになるにつれてモノよりも時間やライフワークバランスを重視する傾向が強まるだろう」と指摘している。

 調査では日本の若者で「経済的に余裕があった」と答えた人は10カ国中最低の25%にとどまり、3年後に「同世代の人より生活レベルが上になっている」とみる人も最低の28%だった。10カ国で唯一「国内旅行」(39%)が海外旅行(33%)を上回り、旅行でも近場が人気だった。収入に満足している人は18.5%、仕事に満足している人は28%。恋人・配偶者との関係に満足している人も32.5%と最も低かった。