三上陽永☆みなさまアザース! -6ページ目

ぽこぽこクラブvol.3『あいつをクビにするか』

ぽこぽこクラブvol.3
『あいつをクビにするか』


無事全公演終了したぜぃ!


いやぁ〜〜ヒヤヒヤしたぜぃ!


今回は劇場入らないとわからない事が多すぎて…


プチプチの感じとか、それにあたる照明の感じ。


ギャラリーの見え方も。


難しかった╮(•́ω•̀)╭


時間が全然足りず、初日空いてからも試行錯誤する毎日だった…疲れたぜい!


さてさて、今回の作品はぽこぽこクラブらしさを残しつつ、新たなジャンルへの挑戦だった。


B級ホラーや、サスペンス的な要素。


作品全体に謎や伏線を散りばめた。


一度しか見れないお客さんにも楽しんでもらえるように配慮したが、やはり、2度、3度観たくなる。観劇後、いろいろ考えたり、語りたくなる作品を目指した。


これは賛否わかれるところだろうが、意外に好評で、ぽこぽこ歴代1番面白かったと言ってくれる方が多かった気がする。



普通と異常の境目は何か?


よくあるテーマではあるが、そのテーマにもう一歩踏み込んだつもり。


あなたは普通?異常?隣の人は?恋人は?家族は?そもそも、普通の基準は?


モヤモヤする内容を、モヤモヤするストーリーで描きつつ、激しく愛を求める人間くささをプラスして、ぽこぽこクラブならではの『B級ホラーサイコ青春活劇』な作品になったのでは?と思う。



この作品の始まりは?


と聞かれても、なかなか答えられない。たぶん同時多発的に立ち上がった作品。


『あいつをクビにするか』というタイトルは、まだなんとなくしか内容も何も無い時に、作戦会議をする場に季節外れのインフルエンザにかかり欠席した高橋玄太を、ギャグで「あいつをクビにするか?」と誰かが言い、渡辺が、それタイトルにしよう。と言い、決定した。



サイコパスの話が中心になったのは、メイ役の磯部がオーディションに参加したからだ。
彼女の人間離れしたフランス人形のような顔立ちから、彼女をサイコパスにしよう。となり…


でも、彼女の感情を爆発させる演技力を十分に発揮してもらうには、完全なるサイコパスじゃない方がいいんじゃないか…



まさかの伊藤さんが出演にオッケーしてくれるとの事で、父親の存在も大きくなり…



サイコパスの娘を持った父親の苦悩を描く方向へ…


そこから紆余曲折があり、今回のような作品になる。


結局メイは、サイコパスというよりは、愛着障害がこじれた女の子として描かれた。


逆に、まったくノーマークであった長男カズヤが先天性のサイコパス。生粋の悪として描かれたのだが。周りからしたら完全悪でも、本人からしたら悪意という意識も無いのかもしれない。



最初俺がやるはずだった役の三田先生。何気に好きな役。人間の弱さの象徴のような人物。彼なんかは世間一般的に、変態教師。異常な奴とされるだろう。


また、この作品は、ホラーやサスペンス要素が強い感じがするけど、物凄〜く愛憎劇でもある。


真理雄のメイに対する純粋な愛。
発達障害をもち普通では無いとされる彼ではあるが、両親からたくさんの愛をもらい、それ以上の愛をメイに向け続ける。


きっと、メイだけが彼を特別扱いしなかったのでは?と思う。お互い何かが欠落して、壊れた2人。通じあうものがあったのかも。


普通の代表として描かれたマキ。
でも、子供も作らず?親戚の家に弁当を届ける日々。彼女の役割は?
権蔵の意味深な台詞。
「役割間違えたらお肉になっちゃうよ?」
いろんな解釈ができると思うが、マキも一歩間違ったら…


そもそもあの舞台自体が蠢く肉達によって支配されている。普通な人間なんて1人もいないのかも。

プチプチ越しにボヤける出演者達の姿。


今自分が見てる人間の表情は、すでにプチプチ越しに見ているそれと変わらないのかも。


『異常』さを、抑えこんでいるだけ。


あの人、この人、自分も…


ラスト近く、桐島はモモコに言う。
「あいつは普通じゃなかったんだよ」

ハッとするモモコの表情。
そしてすぐに桐島にキスをされる。


何かにフタをされるように。


ぽこぽこが描きたかった恐怖は、自分にもある何か。それにフタをする僕ら。


恋人や、お酒、タバコや…いろんなものでフタをしている。そこにみんな触れないのは、暗黙の了解だから。だってみんなそうじゃん。

でもこの作品では、そこをえぐる。そこにぽこぽこのホラーがあるのではないかと思う。


語りだすとキリがないのでこの辺りで。


ちなみに、いろいろな映画を参考にしてる。
・少年は残酷な弓を射る
・先生を流産させる会
・トレインスポッティング
などなど…

「良心をもたない人達」という本もかなり参考になった。



さてさて…


ぽこぽこクラブは本当、どこに向かうのか?


次はドコメディーとか(笑)!?


ただぽこぽこクラブは少しずつ確実に面白くなっている。そう確信できる公演だったと思う。


ちゃんとした芝居?糞くらいだぜ!


ぽこぽこクラブは、やりたい事を死ぬ気で描く!


これからもぽこぽこクラブをよろしくお願いします。


ぽこぽこ♪