【森羅万象】
これまた壮大なテーマを、作品にしたものだ。
言葉の意味を紐解けば【宇宙に存在する全ての物事や現象。天地の間にある一切の事象。】(goo辞書)とある。
“全て”を表現するってことを考えて考えて、ぐるぐる旋回するうちに行き着いたのは、“無”って場所だった。
“全て”を表現する以上、どれか一つの“何か”ではならない。
つまりは“何物でもない何か”を書く。
まるで難解な謎解きのようである。
「幸せは自分の心ひとつ」
制作の過程においてそんな言葉が頭に浮かんで、そして私は、この作品は観る人それぞれの感じるままに委ねてみたいと思った。
そこに何が見えて何を感じるかの余白を作りたかった。
つまりは、それこそが何物でもない何かを書くということ。
無いけど在る。
はい、また謎解き…。
とんでもなく難しいけれど、この葛藤、問答、構築こそが書で表現するということの面白さの神髄のような気もした。
言葉を愛する理屈屋にとって、この作品の制作はこの上なく興味深く、至福の時であったことは言うまでもありません。
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