そのメールは、

長かった一時帰国からインドへ戻って
2日目の深夜に来た


「ピコ(私の飼い犬のチワワ)が何だか変
体調悪いのかも?病院連れて行った方がいい?」


と、日本に住む母から
(ピコはインド転勤時から、私の母に預けられている)

え?私達が帰る寸前まであんなに元気だったやん?どうしたん?
まぁ、吐いたり意識無くなったりしてないなら、朝になってから病院連れてくので大丈夫やと思う


と、返事をしておいたが

気になって眠れない
朝は早くから息子のお弁当作らねばならん。起きられなかったら困るのに、
ぜんっぜん眠れないヨ、ママん…


ピコさん
どうしたんやろう
寂しいんかなぁ?日本も急に暑くなったらしいし、バテとるんかもなぁ
大したことないとええんやけど…

ほぼ眠れないまま、起きてお弁当作った


寝不足な上、インド戻って数日なのと、ピコのことが心配で気分はダークブルー

リフレッシュにヨガがしたかったけど、あいにくその日は先生がお休み

はぁぁ〜〜〜

長い長い溜息出る


その日はヨガ仲間が誘ってくれて、みんなでお茶しながら日本でのアレコレ報告会
友達とおしゃべりしてると気がまぎれるな
こうやって、インド駐在マダム達は
海外で暮らす辛さを紛らわしているのデス


インドが嫌なんじゃない
ココが日本じゃないことが辛いんデスよーー

海外は、旅行で行けばとても楽しい

でも住むのは中々ハードルが高い
ましてやインドに住むなんて結構なストレス


快適な日本から戻ったばかりだと

なかなか配達に来ないスーパーの店員にも腹立つし、萎びた野菜しかない八百屋にも腹立つし、単一電池が欲しいのに見つからん事にも腹立つし


とにかく色々腹立つ!!

不便なんじゃーボケぇ〜
そして色々テキトー過ぎンダよ
もっとちゃんとして!!

と、インドに慣れてしまえば何ともない事が、無性に気になるしイラつく


しかも飼い犬が調子悪いとかオカン言うてくるし
長い溜息も出るわ


心配で夜も寝られやんのに、母から更に追い討ちメール来る

「ピコ、お腹に異物が見つかったから明日手術します。とても元気が無く、グッタリしてます」


もう
今すぐ日本帰りたい

ピコに会いたい
手術の前後、側にいてあげたい

もうーーー
明日の飛行機に乗ってやる!!

くらいの勢いでオカンに電話する

ワタシ!ピコの為に日本帰る!
もうパパ単身赴任でもいい
もう日本帰るーー!
こんな心配ばかりして悲しいのもうヤダ
帰るーーー
日本帰るーーーーーわーーーん


42歳のいい大人とは思えないネ!!!

案の定、オカンに

「落ち着きなさい
あんたが日本に戻ってしもたら、今度はパパが病気になるかもしれんでしょうが!」


もうっ
ほんならどうしたらええのサー


「とにかく、明日の手術が終わったらまたメールするから。アンタは落ち着きなさい」


全然落ち着けない42歳
号泣スル

心配なのと、こんな時に側に居られない寂しさで1人部屋で咽び泣く


うぅぅ…ツライ
1人で泣くのツライ!!!
誰か助けて、プリーーズ


耐えられず
同じマンションに住む友人に電話スル

うぅぅ、い、っ
犬がっっ…犬が、しゅっ
手術せんとアカンくて
わ、わたひ、心配で…うぐっっ…
ひぃーーーーーーーーっっく
ぐふぅぅ……←もう喋れない


「わかったから
とにかく、今すぐウチに来なサイ」


うぅぅ…ありがとうございます

んで
泣きながら歩いて友達宅に行く
小学生か?!

一応、大人だから恥ずかしいので、サングラスしてったケドな!


その後
泣きながらも何とか話を聞いてもらうが、
話をしながら私があまりにもえぐえぐ泣くので、友人のメイドさんも

「Don't cry Madam.
心配しないで。明日は今日よりきっといい日だから」

と、涙を拭ってくれる

そんな優しさに触れて
ますます涙が止まらない

ココまで来ると、もうガマンしなくていい気になり、

思う存分泣いたったわ

友人は「何事もね、大丈夫だと思えば大丈夫なモンなの!だから心配しなくていい
あなたの犬も大丈夫と思えば大丈夫よ!」
と言ってくれた

こんな力強い大丈夫
私は初めて聞いた気がする


いつもパワー溢れる彼女
彼女だって悲しい時や辛い時もあるだろう
でもきっと
「大丈夫だから!」と乗り越えて来たんだな


心配事は、新たな心配事を引き寄せるのだそうだ。だから心配を消してしまえば、次の心配事はやってこない


真理やな…


Don't worry be happy 


そう思えば心も軽くなる

うん、大丈夫
きっと上手くいく


次の日
母から電話が来た

「うん、手術は無事終わったからね。

異物じゃなくて、人間でいう腸捻転だったみたいだわ。ストレスが原因だろうって。
まぁ、あんた達が帰って寂しかったのと、ハシャギ過ぎたんもあるんじゃないの?

とにかく、異物じゃなかったから手術も腸を切らずに済んで、負担も少なかったらしいから、大丈夫だよ」
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ほーらね
大丈夫だったヨーー


(昨日は泣き喚いとったクセに)


友人「だから大丈夫って言ったでショウインク


うん
ホントやなー


今回の事で、犬の身体への負担も考慮し、余程の理由がない限り、やはりインドへは連れて来ないことに決定した

側に居られないのは寂しいけれど

大丈夫大丈夫


ピコが側に居なくても
素直に涙を見せられる友人がいる
話を聞いてくれる友達がいる
元気をくれる友達もたくさんいる
犬の話を聞いてくれる友達も


だからきっと

これからも私はインドで頑張れる