コリメーター法 その後 | ちんちくりん的視点 “warped view”

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コリメーター法の続報です

前回、簡易コリメーター法で調整し直したペンSの試写結果です、、、

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距離:無限遠
絞り:5.6
シャッター速度:1/250
ISO100


近景も遠景も、全体にぼや~ん、、、

イヤな予感が的中、やっぱり調整失敗でした

何がいけなかったのか、もう一度最初からやり直しです、、、


⚫︎ピントグラスとルーペを使った遠景のピント合わせ

まずは、遠景のピントを目視で合わせる方法から

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あらかじめピントリングは外しておきます

ピントグラス(すりガラスやプラ板を加工したもの。ここでは一眼レフのファインダースクリーンを利用)を幕面(ざらっとした面)をレンズ側にして、フィルムガイドレール(内側)にセット

絞り開放、シャッター速度をB(バルブ)にして、ケーブルレリーズでシャッターが開いた状態に固定します

ルーペで覗きながら、遠くの景色にピントが合うように、ヘリコイドを回わして調整します

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ピントが合ったら、その位置にマーキングをしておきます


⚫︎簡易コリメーター法

そして再度、コリメーター法でピントを確認します

やり方は前回と同様(下記リンク参照)

この状態で、ピントが合ってなきゃいけないはずなんだけど、、、やっぱり合っていません

合う位置までヘリコイドを回していくと、、、前回の測定位置ともずれています

なんでやー!?

計測機(一眼レフ)のピントは、前回測った時に無限遠(∞)に固定したままなので、条件は全く同じです

2台の位置関係もほぼ同じ、光軸も揃っているはず

被検機(ペンS)に取り付けた十字印付きのピントグラスも前回使用したもの

だとしたら、取り付け方に問題が、、、?

と思って調べてみたら、やっぱりでした!

十字印を描いたトレペが少し浮いていたようで、フィルムのガイドレールに押し付けると、ピントがずれるのです

厚手とはいえ紙なので、ピンと張ったつもりでも、どうしてもたわみが出てしまい、正確な焦点位置に固定できないようです

これではピントが合うはずありませんでした、、、!


⚫︎ピントグラスの作り直し

そこで今度は、下敷き程度のしっかりした厚みのプラ板を加工して、浮いたり反ったりしにくいピントグラスを作ります

プラ板を細目のサンドペーバーでこすって、すりガラス状に曇らせます

そこに直接シャープな線を引くのは難しいので、カッターで切り込みを入れて、マジックで墨入れしました

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サイズもフィルムに合わせて、天地35ミリにカットしてあるので、フィルムレールにピッタリはまるはずです

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加工面をレンズ側にして、しっかりとテープで固定

これならバッチリのハズ

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光軸OK、

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ピントOK。

ピントが合ったところで、ペンSのヘリコイド位置を確認すると、

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きた───O(≧∇≦)O────っ♪

ドンピシャです✨

若干の誤差はあるものの、遠景目視でマーキングした位置と、ほぼビッタリ合いました

これで、簡易コリメーター法の実用性が確認されました

めでたしめでたし♪


【教訓】
ピントグラスに、トレーシングペーパーは不向きである(手抜きは失敗のもと)


⚫︎余談

中一訓氏の著書によると、フィルムガイドレール(内側)と圧板の間をフィルムが通る一般的なトンネル式の場合、その隙間が20/100ミリで、そこを15/100ミリ厚のフィルムが通るので、実際の焦点位置はフィルムレールから2/100ミリほど後退した位置である、というのです(どういう計算なのか実はよくわからないのですが、、、?)

なので、ピントグラスの幕面にセロテープを貼るなどして焦点位置を調整する、と書かれています

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たぶん、100分の数ミリのアソビ分も考慮に入れろ、ということなのでしょう

それでも、フィルムの種類の違い、時間経過や気温、湿度による伸縮などで刻々と条件が変わるので、厳密なピント調整を行うのは容易ではない、ともあります

こりゃもう追い込み始めたらキリがないです、、、

そもそも素人が手を出してはいけない、というのは、こういうことだったんですね(反省)

実際に撮影してみて、実用に支障がなければそれでよしとするしかないです

とりあえずまあ、セロテープだけは貼っておこうかな、、、



〓ちん〓