東京より始発で黒部峡谷鉄道トロッコ電車の終点欅平にある、秘湯を目指す。
トロッコ電車は、元々は関西電力がダム建設のために使用していた作業用の電車で、建設終了後、観光用として利用されるようになったものだ。その為、幅は新幹線の半分ほどでかなり狭い。自然厳しい渓谷を通るため、早く工事を進められるように幅を狭めて作られたそうだ。
天気に恵まれトロッコ電車では絶景を堪能できた。
「日本三大渓谷」「日本の秘境百選」に選ばれるこの景色を堪能できるのも、目がくらむほど大勢の人々の努力と犠牲の恩恵である。
とても厳しい雪山を分入るというのは、想像を絶する苦労だったと聞くには容易いが、話を聞けば聞くほどその壮絶さに言葉を失ってしまう。
最先端の科学技術を駆使し、自然をコントロールするべく努力した跡が、自然の美しさの其処彼処に見て取れる。
終電の欅平につくと、駅から40-45分ほど歩くとある祖母谷温泉を目指した。
山を登り、トンネルを二つ潜ると祖母谷温泉が見えてくる。
祖母谷温泉の泉質はかなりいい。こってりぬるりとしていて、肌がすぐにツルッツルになる。明るい空も気持ちがいい。掘っ建て小屋のようなや野生感も、また、一興だ。
温泉につかりながら、自然のダイナミックさを直接感じるのはとても心地よい。
温泉を出て、源泉「祖母谷地獄」の近くの川で瞑想。
水と風、流れがぶつかり合う音を聞く。
地層深く、マグマのエネルギーを感じる。
北陸の山は男性的で力強い山が多い。
全体の印象は東北の山に少し似ているが、山陰地方の山に似ているところもある。山陰地方は苔生す山、水をたっぷり含んだ山で、木と水のエネルギーが強く、人間で言うとお肌ぷるぷるの女性という感じ。
北陸の山は、瑞々しく筋肉質な青年という感じだろうか。火と土のエネルギーが強く、やんちゃさも感じるし、一筋縄ではいかない印象だ。
日が落ちる前に猿飛峡へと下る。
こちらもなかなかの絶景。