新宿ショーも閉幕し、同好諸氏の方々の戦果報告や、
詳細検証もブログにUPされ始め、未だ熱冷めやらず
と言うことで、今回手にれたテスケロサウルスの歯冠を
検証して行きます。^^
Thescelosaurus.neglectus
テスケロサウルス・ネグレクトゥス:全長 4m
アメリカ合衆国サウスダコタ州ヘルクリーク累層産
白亜紀後期マーストリヒチアン 6,680~6,600万年前
標本長
高さ(最大) 6.9mm 歯冠部 3.0mm
幅 CBL 3.1mm CBW 2.2mm
いわゆる牙状の歯冠で、前上顎骨歯になります。
図版:Wikipedia より
テスケロサウルスからは上顎の左右に各6本生えていました。
この標本はパレオS社の通販に載っていたものですが、
「3本一緒に仕入れたが、この子だけ売れ残ってしまったので、
○※×△円でいいですよ。・・・^^」
小さい標本でしたが牙は未入手でしたので、迷わず購入w
それでは歯冠を細かく見て行きましょう。
唇側
歯冠表面には縮緬状の皺がみられます。
遠心側(顎側)
カリナ(小歯)は痕跡も含め、みられませんでした。
舌側
先端部に咬耗面がみられ、歯冠中央部には縦の割れ目?
が幾つかみられます。
近心側(口先側)
こちら側にもカリナはありませんでした。
先端側と歯根側
歯根断面は楕円形です。
では、これらの特徴がテスケロサウルスの牙に合致するか
どうかですが、これがコレクターを悩ます歯冠の一つなのです。
同じ地層からは、堅頭竜のパキケファロサウルスが見つかるの
ですが、全ての部位の歯冠で両者は良く似ています。^^;
と言うのも、両者とも異歯性(歯が部位によって形状や機能に
違いを生じる現象)が強く、業者であっても?が付く状態で
○×サウルスとして、売られていることがままあるからです。
この牙の一番の特徴は、カリナ(小歯)が無いことと
咬耗面が存在することなので、この辺りを文献や、同好諸氏の
方々のブログで調べてみました。
まずカリナの存在ですが、過去にパキの歯をお伝えした際に
引用した文献で、古い属のステゴケラスにはカリナがあったこと、
また同好諸氏の方のパキの牙検証で、遠心側にはカリナがあった
ことから、テスケロサウルスの可能性が高いと感じました。
一方咬耗面ですが、様々文献や同好諸氏の方々のレポを読むと
咬み合う歯が無いと発生しないとなっていることが多く、
鳥盤目の恐竜で前上顎骨歯に咬み合う歯は、前歯骨歯ということに
なるんですが、パキには存在し、テスケロには見つかっていない
ことが判りました。
ということは、この咬耗面を持つ牙はパキの牙?と言うことに
なります。^^;
ところがテスケロサウルスの論文で、前歯骨歯が無くても、
咬耗面が発生しているという記述を見つけました。
論文名:The cranial anatomy of the neornithischian dinosaur Thescelosaurus neglectus
その論文では、前歯骨に歯冠が存在しにことと、前上顎骨歯に
明瞭な咬耗面が発生し、すり減らした歯冠が存在すること、
前上顎骨歯は遠心側へ湾曲傾向が歯列によって進むこと、
歯根断面が楕円形であることなどが、書かれていました。
この論文が100%正しいか判断が付きませんが、
論文の通りならこの歯冠はサイズは小さいものの、
テスケロサウルスの左側前上顎骨歯のいづれかということに
なりそうです。^^
ではまた。
詳細検証もブログにUPされ始め、未だ熱冷めやらず
と言うことで、今回手にれたテスケロサウルスの歯冠を
検証して行きます。^^
Thescelosaurus.neglectus
テスケロサウルス・ネグレクトゥス:全長 4m
アメリカ合衆国サウスダコタ州ヘルクリーク累層産
白亜紀後期マーストリヒチアン 6,680~6,600万年前
標本長
高さ(最大) 6.9mm 歯冠部 3.0mm
幅 CBL 3.1mm CBW 2.2mm
いわゆる牙状の歯冠で、前上顎骨歯になります。
図版:Wikipedia より
テスケロサウルスからは上顎の左右に各6本生えていました。
この標本はパレオS社の通販に載っていたものですが、
「3本一緒に仕入れたが、この子だけ売れ残ってしまったので、
○※×△円でいいですよ。・・・^^」
小さい標本でしたが牙は未入手でしたので、迷わず購入w
それでは歯冠を細かく見て行きましょう。
唇側
歯冠表面には縮緬状の皺がみられます。
遠心側(顎側)
カリナ(小歯)は痕跡も含め、みられませんでした。
舌側
先端部に咬耗面がみられ、歯冠中央部には縦の割れ目?
が幾つかみられます。
近心側(口先側)
こちら側にもカリナはありませんでした。
先端側と歯根側
歯根断面は楕円形です。
では、これらの特徴がテスケロサウルスの牙に合致するか
どうかですが、これがコレクターを悩ます歯冠の一つなのです。
同じ地層からは、堅頭竜のパキケファロサウルスが見つかるの
ですが、全ての部位の歯冠で両者は良く似ています。^^;
と言うのも、両者とも異歯性(歯が部位によって形状や機能に
違いを生じる現象)が強く、業者であっても?が付く状態で
○×サウルスとして、売られていることがままあるからです。
この牙の一番の特徴は、カリナ(小歯)が無いことと
咬耗面が存在することなので、この辺りを文献や、同好諸氏の
方々のブログで調べてみました。
まずカリナの存在ですが、過去にパキの歯をお伝えした際に
引用した文献で、古い属のステゴケラスにはカリナがあったこと、
また同好諸氏の方のパキの牙検証で、遠心側にはカリナがあった
ことから、テスケロサウルスの可能性が高いと感じました。
一方咬耗面ですが、様々文献や同好諸氏の方々のレポを読むと
咬み合う歯が無いと発生しないとなっていることが多く、
鳥盤目の恐竜で前上顎骨歯に咬み合う歯は、前歯骨歯ということに
なるんですが、パキには存在し、テスケロには見つかっていない
ことが判りました。
ということは、この咬耗面を持つ牙はパキの牙?と言うことに
なります。^^;
ところがテスケロサウルスの論文で、前歯骨歯が無くても、
咬耗面が発生しているという記述を見つけました。
論文名:The cranial anatomy of the neornithischian dinosaur Thescelosaurus neglectus
その論文では、前歯骨に歯冠が存在しにことと、前上顎骨歯に
明瞭な咬耗面が発生し、すり減らした歯冠が存在すること、
前上顎骨歯は遠心側へ湾曲傾向が歯列によって進むこと、
歯根断面が楕円形であることなどが、書かれていました。
この論文が100%正しいか判断が付きませんが、
論文の通りならこの歯冠はサイズは小さいものの、
テスケロサウルスの左側前上顎骨歯のいづれかということに
なりそうです。^^
ではまた。