昨日は庭仕事に1日追われ疲れ切ってしまい、ブログを更新する意欲さえ残っていませんでした。昨日アップするつもりだったお料理を、今日のブログでご紹介です。


私、指を折ってよくよく数えてみると、海外で暮らした年月が、合算して18年を超えるのです!人生の1/3以上を海外で暮らしてしまいました。日本人に生まれながらなんで日本で暮らせんのか、本当、因果な運命を持って生まれてしまいました。


私が海を渡った頃は、日本の食品や調味料などが入手困難だったり、高価過ぎて手が出なかったものですが、最近では種類も数も増え、価格も大分手ごろになってきたので、海外に居るってことを忘れてしまうほど、和な食生活をすることが可能になりました。


なもんだから、日本の家庭料理は、イギリス時代も今も、なんでも作って食べてます!それなのに1つだけ、しかも大好物なのによ、18年の海外生活の中で、一度も作ったことのないものがありました。それを今回初めて作ってみたんすよ!


関西風おでん

和・美・Savvy Cooking

おでんが大好きなのに、これまで一度も作らなかったのには理由があるんです。まず1つには、イギリスでもアメリカでも、“牛すじ”と言うなで売っているくず肉を見かけたことがない。


スープ用の骨はよく見かけるし、頬肉もたまに見かけますが、tendon(筋)とかsinew(腱)と言う名で売られているくず肉を見かけたことがない。別の名で売られているのかもしれないし、肉屋に頼めば取り置きしてくれるのかも知れないけれど。


もっとも、普通の肉自体が筋だらけな海外の肉。そこから筋を取り除いていたら、食べるところがなくなるってか?(爆)


私が東京に住みだし驚いたことの1つが、関西のおでんとの出汁の取り方の違いでした。


関西では筋やアキレス腱を使って出汁を取り、2、3日じっくり煮込んで旨味を具に染みこませるのに対し、鰹や昆布の出汁でおでんを作るって聞き、そんなもん旨い訳ないやろう!って怒りさえ覚えましたもん!(笑)


おでんと言えば筋。筋がないとおでんは作れないと思っている私は、海外には筋が売っていないので(とりあえず私の知る限り見たことがない!)、おでんは海外では作れないものと言う感覚があったのです。


どうしても作って食べたければ、肉屋に行って筋を頼んだとは思うし、筋に似た風味のもの、例えばオックステール、などを代用して作ることも出来ました。


そこま私がしなかったのには、旦那も元彼も練り物があんまり好きじゃないため、他の鍋に比べおでんはいまひとつって風なのが、18年私におでんを作らせなかった第2の理由なのです。


でも、毎回オックステールスープを作る度、いつかこれを代用しておでんが作ってみたいという希望はありました。つい先日 オックステールスープ を作った時も、やっぱり同じこと考え、今年こそは絶対にトライしてみようと思いました。


そこに来て、今年はスロークッカーをゲットしたし、練り物が嫌いな旦那には練り物を手作りして食べさせるアイデアもひらめたい。じゃぁ、もう、作るしかおませんやん!(笑)


先週末、ウワジマヤまで材料を仕入れに行き、そこでオックステールも買おうとしたのですが、あまりにも高価で、手が出ませんでした!(涙)


それでもよっぽど買おうと思い、手にとっていたんですよ。したらその横に、オックステールに似たようなものが売っていた。これです!

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これはシャンクと呼ぶ牛の骨付きすね肉です。これも長時間じっくり煮込んで柔らかくするシチュー用の肉。値段は安くはないけれど、オックステールよりは多少安かった。あと。骨髄が最高のストックになりそうで惹かれました。


まず、汚れや血などを掃除するために、沸騰している湯に10分程度潜らせます。取り出して肉は流水で綺麗に洗い。鍋は一度洗剤で綺麗に汚れを洗い流します。


肉は骨とわけて適当な大きさに切り、串に3切れずつ刺します。骨は捨てませんよ!!!これは肉といっしょにボイルして、それこそ、骨の髄までストックに旨味を吸い取ります!(笑)

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たっぷりの水に酒100mlほどと、串に刺したすね肉、骨をくわえ火にかけます。沸騰したら蓋をし、火を弱めて1時間ほどことことと煮ます。


肉は取り出し、ストックは一度上質のペーパーで漉して、冷めたら冷蔵庫に入れて一晩冷やします。筋でおでんを作る時も全く同じ手順です。

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翌日、いよいよおでん作りです!まずは下準備の要る具からスタート。こちらは鶏つくねです。

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練り物が嫌いな旦那は、つくねも市販のものは喜びましぇん。なので私は鍋の時には必ずつくねを手作りしています。


今回は前日のラーメン鍋にも入れたかったので、400gほどの鶏ミンチで作りました。シャロット(またはたまねぎ)、葱、生姜などのみじん切りと、溶き卵1/2個、塩小さじ1、片栗粉大さじ2程度を混ぜ肉種を作っています。


つくねの肉種は、柔らかすぎてまとめられないくらいのものの方が美味しいっす。手に水か油をつけて丸めてくんなまし。先にボイルしておくと、鍋のスープが灰汁で汚くならなくて良いのです。


じゃがいもも水から下茹でしておきます。理由は、でんぷん分を落として、煮崩れを防ぐ為です。私は煮崩れしたじゃがいもほどこの世で嫌いなものがないのです!(もともとじゃがいも嫌いだし...笑)

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沸騰したらほんの1~2分でざるに上げて水切りしておきます。


大根はひたひたの水に米大さじ1ほどを入れて火にかけ、沸騰したら15分ほど下茹でしておきます。

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この他卵を茹で、しらたきもさっとボイルして臭みを取っておきます。


さて、ではいよいよ肝心のおでんスープの準備です。冷蔵庫で冷やしておいたストックを取り出し、もう一度ペーパーで漉して、冷えて固まった脂身を取り除き、更に余分な脂肪や汚れを取り除いたクリアーなストックにします。

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ストックの内1.2リットルを鍋に入れて火にかけ沸騰させます。味付けですが、それはもう簡単すぎるほど簡単!これを使うからです。

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筋(今回はそれに似たようなすね肉)などの旨味がしっかり染みこんだストックです。下手に調味料を駆使しなくても、おでんの素1袋使えばそれで十分!但しみりんだけは大さじ2ほど加えてくださいまし。


スロークッカーに具を並べ、スープを注ぎ入れ、低温で6時間調理し、その後高温に温度を上げて1時間半煮たら出来上がりです。

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いかがでございましょうか?海外生活18年にして初めて作ったおでんが、こちらです!午後中、おでんの良い香りが家の中を漂い彷徨っておりました!(笑)晩飯が待ち遠しゅうて、待ち遠しゅうて。

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牛筋でストックを取って作ったおでんは、具よりもスープが旨いんだす!それをご飯にかけて食べるのが、おでんの醍醐味!たくさん作ったおでんは、翌日、翌々日の私のお昼ご飯を想定して。だからご飯もその分を含め2合も炊きました。


“ご飯が炊けました!ご飯をほぐしてください!”と、パナソニックのねぇちゃんが炊飯器の中から言うので、ハイハイと、ほぐしに行きました。おでんは既に出来ているので、後はご飯を茶碗に装えば晩ご飯。なのに...


炊飯器の蓋を開けて唖然!私としたことが、初のおでんで興奮していたのか、水を入れずにスイッチを入れてしまっていたのです。ご飯は米よりもパサパサ!(滝汗)

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18年目にして初めてのおでんに、ご飯なしのサラダと共に?冗談はよせ!ムカつきまくり!(怒)

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でもね、おでんはすんごく美味しかった!すね肉で作っても筋と全く同じ風味。肉はとろっとろだし、スープは旨すぎて涙がちょちょぎれる!


ご飯が無かったのと、ちくわ以外練り物が全部自家製だったので、なんと旦那はおかわりしたんだよね。


練り物から手作りした今回のおでん。ちょっと大変だったけど、夫婦でここまで美味しくいただけたら、また近いうちに作ろうかなと思います。