武蔵野大学演劇研究部のブログ

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武蔵野大学演劇研究部の稽古日誌です!

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じっとりと汗ばむ蒸し暑さに閉口
する毎日が続きます。夏公演2017武蔵野サイド【オイル】演出のクーです。

野田秀樹作【オイル】は14年前に初めて上演された物で、戦後の時代性は元よりその時代性も色濃く反映された作品です。

以下、「文学界」5月号より引用。
「今、稽古場にいながら、このたびの戦争が始まり、その戦況が日々変わっていくたび、この芝居が違って見える。
この芝居の様々な場面が日々違った意味を持ってくる。
寓話は、その時代のありようによって、こうも違って見えてくる。
その生々しさに、改めて驚いている。
寓話は、今この瞬間に起こっている戦争には無力であるが、永遠に起こりつづけるかもしれない戦争というものに呼びかける力はある。
その思いで今、この芝居は始まる。 野田秀樹」


私は今、2017年に生きています。北朝鮮の核ミサイル開発、ロケットエンジンの実験、「アメリカが良ければ、他は知らない」というトランプ氏の発言など、人の闘争欲は未だ尽きる事を知りません。私はそういう情報を得ると平穏は縮んだバネに過ぎないのかもしれないと思ってしまいます。
寓話の解釈を決める価値観の違いはそういう発言や行動という名の時代の変化に依存するのではないでしょうか。

人の記憶の残像は時代を越えて襲ってきます。それが私のオイルの解釈で、劇として見なければエグい論文のように思えます。しかし私は演劇として見て欲しいという基盤の上に作りました。
今回足を運んで下さったお客様に劇としてどこまで心が動かされたかどうかはわかりませんが、自分では作りたいものを作ったつもりです。そして演出として役者としてとても楽しく劇を作り終えることが出来たと思います。

複雑でベビーな劇を私自身楽しんで成功させる事が出来たのも今回劇に携わった方々全員のおかげです。本当にありがとうございました。