投げ飛ばされる プロフィールその3 | 心に想像の色彩を輝かせる! 命の輝きを知り10倍楽になる、世界とともにある生き方

心に想像の色彩を輝かせる! 命の輝きを知り10倍楽になる、世界とともにある生き方

いわゆる心の病、入院&療養&投薬25年。 闘う生活を止めることで”奇跡の回復”をしました。 回復過程で肉体・心・魂のエネルギーを扱えるようになる。 健康や人間関係だけでなく、仕事の成果アップ、商売繁盛ほか、あらゆる関係性がすべてが良くなります!

>>「~5歳 プロフィールその1」
>>「学校と戯れる プロフィールその2」

続きになります。



母は部屋の隅でうつ伏せに倒れていました。

あ、死んでしまうんだ。

119番に電話することが思いつかず、近所の友達の家に駆け込んで、通報してもらいました。

死んではいません。

胃潰瘍。   

「胃に穴が開いている」と聞いてぞっとしました。

(今にして思えば、穴はちと大げさじゃないか?)


そしてそのまま数ヶ月間の入院。



人って、こうやって死んでしまうんだ。

死ぬって、こういうこと?

初めての体感を持ちました。

この時以来、死ぬことの怖さが頭から離れなくなりました。



母親が入院で家の中に一人で取り残されました。

朝起きると父はもう出勤しています。

そして帰りはいつも深夜。

もともと平日は顔を合わせることが滅多にありませんでした。

学校から帰って寝るまで、ずっと一人です。



父はほとんど料理らしきものができない人で、自分は外で食事をして帰っていました。

そして、父が買って帰った弁当やパンを次の日に食べる毎日となりました。

火は扱えないし、電子レンジなんてまだなかったですからね。

いつも冷たい食事でした。

もっとも、これはこれでそんなに苦ではなかったのです。

いつも、出されてものは全部食べなさいと言われ続けていたので、一人の食事は気楽でしたから。



そんな折、珍しく勤め先から早く帰ってきた父。

父は、結論は初めにありきで、人の意見を聞かない人。

いつも自分が正しい人。

機嫌が悪いと、底からガスがボコボコ泡になって沸き上がってくるドブ川のよう。

(余談だけど、今どき、そんな汚い川はある?)


そして殴る人でした。



その日は、投げ飛ばされました。

右手にそれまで経験したことのなかった痛み。

何でも耐えろ、我慢しろで過ごしていたので、これもじっと堪えていました。

けど、右手全然動かない。



どんどん腫れ上がって来ます。

綺麗にボッキリ折れてました。

病院で父。

「ふざけていてプロレスごっこをしていたら転んで」


(なに、それ・・・?)



近所でも学校でも、たくさんの人に聞かれます。

そのたびに、「ふざけていて転んで」、

・・・そう自分でも答えていました。



本当のことを話すと恐ろしいことになる。

不思議なことに、何度も「転んで」と言っていると、本当にそうだったと思えてくるのです。



入院中の母を見舞いに行きます。

二人きりになったときでも、「転んで」としか言えません。

そしてこのときから何度も母は言うのです。

「毎晩遅く帰ってきて怒るし、文句や人の悪口ばかり・・・」

胃潰瘍の原因は、それだと。



父は悪い人、でもそんなことは誰にも言えない。

頭の中で考えるのも良くないこと。

なるべく考えないようにしよう。

もし、今度機嫌を損ねたら、どんな事になるかわからない。

できるだけ黙っていよう。

言うことも聞くようにしよう。 

今までだって、できる限り聞いていたのに。 



どうしても言うとおりにはできないときがある。

どうしたらいいのだろう・・・。



夜、一人で寝ていると、家具の黒い影がこちらに伸びてくるように思えました。


 (続きます)


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