『2月28日』
にも書いたとおり、私は福岡でお話をさせていただいて、患者として、弁護士として「ふみだす」きっかけをいただいてきた気がしました。
大変失礼なことに、その直後に佐賀にも呼んでいただいていた関係上、かなり嵐のように現れて、嵐のように去ってしまった感があります・・・ 実行委員会の皆様には盛大におもてなしいただきありがたかったとともに、ゆっくりお話できなかったことを大変申し訳なく思います。。(またいつか是非!)
で、そもそも20分という時間だというのに、お話を盛り込みまくったせいで、一番大事なところの説明がめちゃくちゃ雑になってしまった気がします。
途中から、「あああ~、博多から「かもめ(佐賀行きの特急)」が出る出る出る~(((( ;゚д゚))))」と時計を睨みながら話をしていたせいもあって、余計にマシンガントークになってしまったorz
(見ているかどうかわかりませんが)追記したいと思います。
講演テーマは『難病と就労』だったので、最後は『巷の採用担当の方へ伝えたいこと』と、『就活しようとする難病患者へ』というメッセージで締めました。
難病患者が健常者と対等に働くためには、採用冒頭での職場環境調整に向けた話し合いが必須です。
ただ、病名を明かすと「なにかあったら責任を取れない」「うぉ、面倒くさそう」などの理由により、即時かつ一切、採用対象から外されてしまうことが大半です。
ただ、そこを伏せて就職すると、「健常者として振る舞う」ことを強いられますので、当然患者の体調は悪化します。使用者にとると、全くあずかり知らない理由によってなにやらどんどん従業員の体調が悪化してしまうわけです。事情(病気)がわかっていないと、安全配慮義務を履行することもできず、「何サボってんの?」ということになっていきます。なので、採用時に、きちんと話をきいてもらい、病気を理解してもらうのが重要になってきます。
そこで、どうやったら話を聞いてもらうところまで持っていけるのか、なのですが、多分、改正雇用促進法差別解消条項などによって、「一顧だにせず不採用」という姿勢は取りづらくなると思われます。あとは、どうやったらきちんと理解してもらうことができるか、という話になります。
そこで私は、「自分の『商品価値』を高める研鑽を積んでほしい」と患者さんに向かって言いました。
ただでさえ病気で大変なのに、『商品価値』ってなんやねん、と思われたかもしれません。
ただ、働く、ということは、労働市場において自分を「商品」として売り込むことにほかならないと思うのです。
私は、司法修習期間中、なかなか採用内定をいただくことができませんでした。
そこへ、同じ修習部に配属された社会人経験豊富な同期に、「お前な、お前一人を1年間雇おうと思ったら、ちょっとした高級外車と同じくらいのお金がかかるねんで。そういうお金を出してもいいと思える売り込みしてるか?」と言われました。
自分に、ベンツ以上の価値があるのか。
私たちはなかなか、稼働力の面でそういった力は発揮できません。でも、労働者としての「商品価値」って、そこだけではないと思うのです。
弁護士登録後、私のところへ取材に来た記者さん(複数名に同旨のことを言われた)には、「月間に何本も記事を書く人もいれば、片手で数えるくらいしか書かない人もいる。でも、後者が価値が低いかと言われるとそうではなく、その人にしか書けない記事があるからだれも何も言わない。」と慰められたこともあります。
ようするに、「自分にしかできない何か」というものを見つめ、それをアピールし、「この人を取りそこねたらあとで後悔する!」くらいの気持ちになるほどに、採用担当者に惚れてもらうことが大事なんじゃないかと思います。
あ、簡単じゃないですよ。難しいんですけどね。そういう「ノリ」で、がんばってみたらいいんじゃないか、という、そういうレベルのお話です。