医療は検査技術が発達し、どんどん鋭敏に様々な疾患を検出することができるようになってきています

 

またAIが発達し、プログラムされた多くの病歴を元に、目の前の患者さんの疾患に瞬時にたどり着けてしまうようにすらなりました

 

 

 

医師の役割のなかで手あてとも呼ぶべき、自らの五感をフル活用した診療態度がますます重要になってきています

 

 

 

え!?逆じゃないかって?

 

 

逆じゃありません

 

検査の技術が発達したり、適切な病歴聴取があれば診断に辿りつけるのであれば

 

 

いつその検査が必要かを適切に判断しなければならず

 

侵襲度とか経済性とかのことも考えなければならず

 

診断のために必要な病歴を適切に聴取しなければならず

 

患者さんの言葉や身体に表れる変化を医療用語に変換し、結論が出た後には患者さんが理解できるように再変換して伝えなければならないのです

 

 

もちろん治療そのものも大事ですし、治療の効果判定や、副作用への対応など、常々患者さんと向き合わねばならないことは重要な点であることに変わりありません

 

 

 

人間以外ができることが増えてきたということは、人間にしかできないことの価値が高まるということです

 

今後、人間にしかできない、アートのような領域を突き詰めていけるかどうかが、医師の価値を決めると行っても過言ではないのかもしれません

 

 

そんなアートの領域

 

手あての医療に関する書籍が出ました

 

 

全国各地で「フィジカルクラブ」と称して身体診察の重要性を説いて回っている平島修先生の呼びかけで、多数の医師が集まり、一冊の本が出来上がったのです

 

医療面接や身体診察におけるちょっとしたコツや大事なポイント、あまり教科書には載っていない必殺技(殺してはいけないので必活技?)のようなものまで、幅広い範囲の知識や技術を網羅しています

 

僕も一部執筆担当致しました

 

血圧とショックに関して、研修医に普段伝えているようなことをまとめています

 

 

言いたいことはこれだけです

①血圧はきちんと測定してきちんと評価しましょう

②ショックは血圧に頼らず早期に見抜きましょう

 

 

具体的な方法が知りたい人は本屋へ急いでくださいw

 

すぐほしい人はポチりましょう!!

 

 

 

 

 

 

さて、ついでなので、ショックという言葉について書いておきます

 

ショックは一般の人から見れば、衝撃的な出来事があり精神的な打撃を受けている状態を指すのかもしれませんが、日本救急医学会的には

 

生体に対する侵襲あるいは侵襲に対する生体反応の結果、重要臓器の血流が維持できなくなり、細胞の代謝障害や臓器障害が起こり、生命の危機にいたる急性の症候群

 

と定義されています

 

 

もともとショックとは衝撃を意味する言葉です

 

1737年に、Le Dranが銃創後の反射的病態を報告する上でchoc(フランス語のshock)という言葉を用いたのを、その後1743年にClarkeが重症外傷後の突然の悪化について報告する際に、chocが悪化の病態を説明する言葉であるように誤訳し、shockは突然の全身状態悪化として定着していくことになりました

 

誤りがそのまま定着し、さらに現代に至るまでに言葉のもつ意味合いがさらに変化しているのは面白いところです

 

 

4月から研修医になる皆さん、4月から先輩になる研修医の皆さん、4月から病棟実習が始まるという学生さん、指導医の皆様方

 

全ての人にオススメの一冊です

 

あまりの豊富な内容にショックを受けるはずです!!