アンティーク家具修復士の時間

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修復ということ

想いは同じ

オークハイバック
ツイストチェアの修復




生地も現状のをはがし
もう一度貼り直し
そのままを
そのままに修復

ハイバックで
ツイストは修復を依頼される
時点で心配が重なる
ツイストの背柱という
素敵なデザインは
クビレ部分の細さが
美しさを際立たせるのと
反面
弱さも持ち合わせる

今回のこちらの椅子も
背柱のとくに
いちばん負荷のかかる部分に
ツイストが施されているチェア
そのため
何度も
折れた形跡があり
何度か修復した跡が残り
その都度
鉄の釘やビスで
止められていた




無理やりとも
見えるけど
優しいのカタマリ

固定したいと
支えたいと
もう一度
という
想いは
今も昔も
僕の前のヒトも
同じだから
つけてくれていた
ビスひとつひとつも
想いのカタチとして
外してあげる

折れたツイストの
強度をもう一度保つため
鉄の心棒を入れて繋ぐ
ツイストのクビレは
とても細く
そこに心棒を入れるとき
木の心棒だと細すぎる木に
なってしまうため
鉄心棒を使う

心棒が終わる上下のところに
空間が残ると
負荷がかかり
またそこから折れることもあるため
穴の先の隅まで
心棒とボンドが詰まるようにする

折れた木口は
ギザギザで
古い膠とボンドの跡が残り
それが邪魔して
ピッタリと木口が合わない

古い膠を除去するのに
刃物を使うと
木まで削ってしまうことがあるから
ボンドを使う
ボンドをつけ木口に
しっかりつけ
水分で
膠を柔らかくして
数回繰り返して
ブラッシングするように
ニカワを除去すると
一度折れた修復箇所だから
完全には木口は
合わないが
ほぼ
外の形状は揃う

心棒を入れ
木口を合わせて
しっかりと最大限の強度の
接着







部分的に必要な
修復は先にするけど
できるなら
癖があるアンティークは
パーツを一気に組み上げる
ことが多い
歪みや
向き
曲がり等
もとの位置に戻しながら
全体接着

生地張り
今回は
既存の生地で仕上げるために
丁寧に外し
膨らや中の形がズレると
既存の生地が足りなくなったり
生地に付いた折れた跡の癖が
ズレてしまうため
中を丁寧に調整する

仕上げの既存生地を
ほんの少し
引っ張って
ちょうど張れる
くらいの大きさに
中をする

最後に
一緒に連れていってあげれなかった
ブレードの代わりに
ひとつひとつ
鋲を打ちこんで

ワックスをかけ
仕上がり

もともとの
チェアと
ブレード部分以外は
変わらないように
ずっと昔と
今とこれからを繋ぐ修復

修復のなかで出会う
ずっと昔のこと
もともとは
レザーで今回自分が打ち込んだ
部分に鋲打ち仕上げだった

それがわかる
跡が
生地をすべて剥がしたときに
あった
鋲打ちあとの丸の連続と
部分てきに
残されていた
古い鉄釘に挟まった
本革のカケラ



きっと
もっと
強さのあるレザーと
装飾の強い木のフレームが
争うように
主張して
その場所とその時間に
存在感の背比べを
していたんじゃないかな

なんて
想像させて
くれました

アンティーク家具修復は
宝探しみたいに
見えないことを
教えてくれたり
ずっとずっと昔のヒトの
宛のない手紙であり
アンティーク家具が残してくれる
メッセージが
いつも
あって

好き

ご依頼
ありがとうございました
また
その先へ
繋がって
いつかの誰かが
開けた時
ずっと昔とその時が
繋がりますように

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