10月に上演する「結城座」380周年記念公演「オールドリフレイン」の台本の直し、ドラマの撮影、風邪などが重なり、ブログの更新なかなかできませんでした。

御無沙汰しています。

入鹿の娘さん、私もお会いできるのを楽しみにしています。お母様によろしくお伝え下さい。

若い頃お母さんと良く朝まで演劇論を戦わせましたよ!




これは4月30日、ドラマの撮影が朝の9時半で終わったので、急いで出かけた映画館シネスイッチの前です。朝の10時20分からの回だったので空いているのでは?と思ったら大間違い。

「世界の果ての通学路」というドキュメンタリー映画を観るために並んだシニアの方たち。雨の日なのに、昔のアングラの芝居に並ぶお客を思い出しました。となりでは「チョコレートドーナッツ」が上映中で、これも観たい映画です。

とにかく「世界の果ての通学路」に泣きました。明日からあきらめずに頑張らなければ!と私も、山形から単身上京しとにかく芝居の勉強をしなければと徹夜を繰り返した日々を思い出しました。努力しなければ、昔の私が怒りますよね!

アフリカのケニアで片道二時間の道を走って登校するする少年少女は像に襲われて死ぬかもしれない通学路を毎日往復する。学ぶために。学んでパイロットになり、家族を支えたいと輝く目をして語る。

撮影するスタッフも命がけでカメラを回す。少年にも泣いたが、スタッフの思いにも泣けた。


インドの障害を持つ車いすの少年を車椅子ごと介助しながら登校する兄弟たち。これも泣いた。

学校に到着すると自然に協力するクラスメイト。大変な思い出毎日登校しているのにこの兄弟たちのなんと幸福そうなことか・・・


医者になるために四時間岩山を歩いて登校する少女たちにも感動。にわとりを籠に入れ、お菓子と交換する場面で、忘れていた感覚を思い出した。

私が生まれた30世帯しかない村「山王」での暮らしを思い出したのだった。

日本も50年前はこのドキュメンタリーと似たような暮らしだったのだった。


中学の頃、みんなで汗をかきかき遠足で到着した場所はクラスメイトの家の隣だったことがあった。

クラスメイトは毎日朝四時に起きて登校していたのだった。山形第六中学校での話である。

冬になり大雪が積もると、クラスの幾人かは登校できなかった。

「世界の果ての通学路」を観て、故郷での記憶がよみがえり、若かった祖母や両親の笑顔も思いだし

さらに号泣してしまった。


この映画を観た後、まだ時間があったので渋谷のイメージフォーラムで「ザ・アクトオブキリング」を観た。

これもドキュメンタリー映画だ。そしてこれも、今度は若者たちが並んでいる。私も整理券38番で並んだ。早めに行っておいて良かった。「整理券○番の方から●番の方までどうぞ」と言う係の人に誘導されていて、また昔のアングラを思い出した。


凄い映画だった。若い頃観た「ゆきゆきて進軍」に匹敵する。

感動と興奮。この15年で観たドキュメンタリーの中で一番かもしれないと思ったほどである。

 アメリカ人によるアメリカ批判。

しかし、この映像は私自身の中に潜む本当のグロテスクなものをも掴みだす。

今、自分ができることやらなくてはならないことを思う。

映像が非常に美しい。それがまた残酷である。ああ。この映像が頭から離れない。


長くなってしまった。


渡辺流演劇塾のオーディションも終わった。ありがとうございました。