ONE MORE THING(1) | えりんぎのブログ






「チョン ユンホです。皆さんの2年先輩になります。よろしく。」

スラリとした長身に長い手足、通った綺麗な鼻筋にアーモンドアイが小さな顔に完璧に配置され、何ともいえないほどのオーラを纏った人…


新入行員として配属された支店の先輩であるこの人が、3日間の宿泊研修の最終日、講師として来るなんて全く知らなかった…

…といっても、支店に配属されて挨拶程度しか支店の方へは出勤しておらず、とにかく研修の毎日。

この宿泊研修が終了すれば晴れて支店での…個々での研修期間が始まる。

1年目はほぼ内勤で全ての事務や店舗での接客を学び、営業に回るのは2年目を過ぎてかららしい。

「チャンミン…?」

「……??えっ?…」

休憩中に急に声をかけられて、ビクッと体が跳ねる。

クスッと口角をあげ、優しげに微笑んだ彼…

「頑張ってる…?退屈だろ…?」

チャンミン…って、いきなり呼び捨てしたよな、今…ほとんど挨拶程度で喋った事ないのに…

でも、なぜかそれを嫌だ…という気持ちにはなれなくて、赤く火照ってしまう頬を隠すように、コクンと頷いた…