逢いたくて逢いたくて(58)ーYー~ミノ篇~ | えりんぎのブログ





「……ったく、人騒がせな奴。」


レポートの締切間近で、って泣きついてきたから急いで届けようとしたら、途中で日にちを間違えた、って謝りの電話。

「今度会った時でもいいし、…それとも今から一緒に飲む?」なんて言ってきたけど、それは辞退してそのまま引き返す事にした。


「俺んちでチャンミナとミノが2人きり、って…ダメだろ、それは。」
自然と足早になるのが、なんだかおかしくて。


マンションのエレベーターを降りて突き当たりの東角の部屋。

……あれっ?誰か外にいる?

一瞬、身体を跳ねるように驚いたミノが、目を見開いて俺を見る。


「………ユノさん?…どうして、こんなに早く?」


「ああ……。なんか日にちを勘違いしてたみたいでさぁ。途中で電話があって引き返してきた。」


心なしか青ざめているミノ。

「……ミノはどうしてこんな所に?」


玄関の扉を開けようと、ドアノブに手を伸ばして少し開けた所でミノに腕を掴まれた。


「…なぁ?…なんで中が真っ暗なの?…チャンミナは?」


俺の腕を掴んだまま扉をまた閉めるミノに、「…なぁ?チャンミナは?」…もう一度聞いた。


「ヒョンは……ヒョンは、多分…今、パニックになってますよ。」

「はっ?…どういう事だよ。」

「ユノさん…。どうしてこんなに早く……。」

「ミノ!!」

声を荒げた俺に、ミノが重々しく口を開く。


「……ブレーカー…おとしました。…ヒョンは……ヒョンは、…昔、倉庫のような小屋に誤って閉じ込められた事があって。
それから……暗所恐怖症…なんです。
……今頃、ユノさんの部屋で震えてますよ。」

暗い目をして淡々と話すミノに……

「…っ!!…だからっ!!…どうして?」

掴まれた反対の手でミノの肩を揺するけど……

ミノの瞳はどこか遠くを見ているようで……


「ヒョンが……ヒョンが…僕のヒョンなのに……これは…必要なことなんです。」


「ヒョンが……僕を呼んで…ミノ…って。…僕がヒョンを救うつもりだったのに。……なんで?ユノさんは邪魔ばかり……。」

「…ミノ!!」

掴まれた腕を振りほどき、ミノの両肩を揺さぶる。

「…おまえ、何してんの?…チャンミナの事…大切にしてんじゃねーの?……しっかりしろよ!」


とにかくチャンミナの元へ…と、ドアノブを乱暴に回す俺に。


「……だからっっ!!!」


胸の奥底から絞り出すような声。


「……いつか……いつか、ヒョンは誰かのものになるって分かってる。…でも、…どうしてそれが…僕と同じ…男なんですか?」


……何も言えなくて。
……ミノの気持ちが手に取るように分かる気がした。


ドアノブを回した手が一瞬止まった、その時……。



「……ぅわぁぁぁぁ!!……っっ!」


「……ユノ?……ユノ?ユノ…?ユノ!」


……俺の部屋から?
……チャンミナ?


「………ユ、ユノ───────ッ!!」



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なんか…ごめんなさい。の展開に(+。+)アチャー

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