「……ったく、人騒がせな奴。」
レポートの締切間近で、って泣きついてきたから急いで届けようとしたら、途中で日にちを間違えた、って謝りの電話。
「今度会った時でもいいし、…それとも今から一緒に飲む?」なんて言ってきたけど、それは辞退してそのまま引き返す事にした。
「俺んちでチャンミナとミノが2人きり、って…ダメだろ、それは。」
自然と足早になるのが、なんだかおかしくて。
マンションのエレベーターを降りて突き当たりの東角の部屋。
……あれっ?誰か外にいる?
一瞬、身体を跳ねるように驚いたミノが、目を見開いて俺を見る。
「………ユノさん?…どうして、こんなに早く?」
「ああ……。なんか日にちを勘違いしてたみたいでさぁ。途中で電話があって引き返してきた。」
心なしか青ざめているミノ。
「……ミノはどうしてこんな所に?」
玄関の扉を開けようと、ドアノブに手を伸ばして少し開けた所でミノに腕を掴まれた。
「…なぁ?…なんで中が真っ暗なの?…チャンミナは?」
俺の腕を掴んだまま扉をまた閉めるミノに、「…なぁ?チャンミナは?」…もう一度聞いた。
「ヒョンは……ヒョンは、多分…今、パニックになってますよ。」
「はっ?…どういう事だよ。」
「ユノさん…。どうしてこんなに早く……。」
「ミノ!!」
声を荒げた俺に、ミノが重々しく口を開く。
「……ブレーカー…おとしました。…ヒョンは……ヒョンは、…昔、倉庫のような小屋に誤って閉じ込められた事があって。
それから……暗所恐怖症…なんです。
……今頃、ユノさんの部屋で震えてますよ。」
暗い目をして淡々と話すミノに……
「…っ!!…だからっ!!…どうして?」
掴まれた反対の手でミノの肩を揺するけど……
ミノの瞳はどこか遠くを見ているようで……
「ヒョンが……ヒョンが…僕のヒョンなのに……これは…必要なことなんです。」
「ヒョンが……僕を呼んで…ミノ…って。…僕がヒョンを救うつもりだったのに。……なんで?ユノさんは邪魔ばかり……。」
「…ミノ!!」
掴まれた腕を振りほどき、ミノの両肩を揺さぶる。
「…おまえ、何してんの?…チャンミナの事…大切にしてんじゃねーの?……しっかりしろよ!」
とにかくチャンミナの元へ…と、ドアノブを乱暴に回す俺に。
「……だからっっ!!!」
胸の奥底から絞り出すような声。
「……いつか……いつか、ヒョンは誰かのものになるって分かってる。…でも、…どうしてそれが…僕と同じ…男なんですか?」
……何も言えなくて。
……ミノの気持ちが手に取るように分かる気がした。
ドアノブを回した手が一瞬止まった、その時……。
「……ぅわぁぁぁぁ!!……っっ!」
「……ユノ?……ユノ?ユノ…?ユノ!」
……俺の部屋から?
……チャンミナ?
「………ユ、ユノ───────ッ!!」
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なんか…ごめんなさい。の展開に(+。+)アチャー
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