~Y~
「先に出てるから、…あと、よろしく!!!」
って、唐揚げを1つ口に押し込んで出て行くジュリ
俺も残りのビールを一気に流し込んで会計を済ませ外にでる
「いやだぁ~~~!!偶然~~~!!」
なんて、わざとらしく店の前で二次会の相談をしてる団体に笑いかけてて……
おいおい、キュヒョン…その苦笑いやめろよ
「きゃーー!ユノさんと一緒だったんですかぁ??」
たちまちほろ酔いのちょっと大胆になった女子行員の子らに囲まれて身動きが出来なくなる
「ユノさんもジュリさんも一緒に二次会行きましょうよ~~!!明日はお休みなんだし!!!」
「え~~~???どうしよっかなぁ??まだ、飲み足りないしなぁ?」
なんて、その気になってるジュリの事は放っておいて……
…………チャンミン??
サッと見回しても姿を捉える事が出来なくて………
周りを囲む女の子達に愛想笑いしながらも視線をさまよわせる俺にキュヒョンが近づき、
「……チャンミナなら、あそこの奥まった所でシウォンさんと話してますよ。」
って、こっそり………
何とかその場を繕って、みんなから離れチャンミンを探す
店を曲がって少し奥まった壁を背中にしてチャンミンがいた………
壁に少しもたれかかるように…俯いて、
目の前にはシウォンがチャンミンの左肩の辺りの壁に手をついて、何やら熱心に話している
───シウォンが返事を待ってる?
無言になった2人…………
短い沈黙のあと、……ボソッとシウォンが囁く
ふっと視線をあげたチャンミン……
ふわっと頬が緩んで、ふふっ…て笑う
シウォンが照れたように苦笑いをしながら顔を横に振っていて…………
────まるで……そこだけ切り取られたかのように目が離せなくて……
…………すごい、焦燥感!!
背中を伝う汗は冷たいのに、……全身の血液が逆流しているかのような感覚…
────この感情は……何?
……冷静に……冷静になれ、って自分に言い聞かせて、ゆっくり歩いていく
「………ユノ……ヒョン…?」
────顔に出てる………???
チャンミンは、びっくりして目を見開いた後、怯えたように肩をすくめた
「………チャンミン……帰るぞ………」
感情を押し殺して息を吐くように呟くけど……チャンミンの瞳が責めるように俺を見つめるから……
「………いや……いい……
俺が、…帰るわ……」
文句を言いたげなシウォンと、何も言わないチャンミンに背中を向け、軽く手をあげて歩いていく
途中、本当に二次会に合流するらしいジュリに、…じゃあ、俺、帰るわ、…って一言声をかけて──────