ONE MORE THING(25)second | えりんぎのブログ






───しつこく打ち上げの場所を聞いてきたヒョン…
嫌な予感しかしなくて絶対教えなかったけど


誰かに聞けばすぐわかる事だし……ヒョンの行動も予想できたけど


………まさか、ジュリさんと来るなんて…!!

……この人…なんにも分かってない…!


実家が近所で大学までずっと一緒……さらに就職先まで一緒の2人

ヒョンは幼なじみだよ…って軽く言うけど
……2人並んだ時の…周りが思わず溜め息をついてしまうような……

大学の学祭でキングとクイーンに選ばれて2人仲良く並んだ写真を、見たくもないのに、偶然勝手に見てしまったアルバムで見つけてしまって……

言わなきゃいいのに、……すごいですね…って嫌みっぽく言ってみるけど、

「……まぁな!……3年連続だぜ…!」って、やっぱり通じてないし……


僕の知らないヒョンと長い年月を共に過ごしてきた彼女……

ヒョンはまるで気付いてないけど……

僕には分かる…たぶん、彼女は…ヒョンを……

あの縋るような……一瞬、隠しきれなかった熱い視線を…僕だけが気付いてしまった?

もちろん…何も言えないから、出来るだけ2人一緒のところを見ないように…って思っていたのに………



──…エレベーターを降りると待ちきれないかのように僕の腕を掴み、走り出しそうな速さで部屋へ向かうヒョン


「……ヒョン!!痛いって………!!」

「……んっ……分かってるよ……」

って、…………分かってないじゃん!!


玄関に入るとそのまま荷物を放り投げ、
急に振り向いたと思ったらきつく抱きしめられていた
いつまでたっても腕の力が緩むことなく、結構酔っていた僕は息も苦しくなってきて……

「ひょん……とりあえず、部屋にあが…」

ーーー言葉を遮って強引に噛みつくようなキス……!!!

何がヒョンをこんなにさせてるのか分からなくて
……とりあえず、離して欲しくて
……両手で肩を押しやるけど、
……ヒョンの欲情を静めることは出来ず、ますますエスカレートしてくる


片手で僕の後頭部を押さえながら、執拗に舌を絡め取っては息継ぎ出来ないほどのキス
……もう一方の手は器用に慣れた手付きで僕の上着やシャツをむしり取っていく


……その手慣れた感やさっきまでジュリさんと一緒に飲んでいた事実が…悲しくて……

「……ヒョン……嫌です……嫌だ…!」

必死でヒョンの肩を叩く

ヒョンは僕の必死さにビクッと肩を震わせ、

「………チャンミン……嫌……??」

って……切なそうに聞いてくるから……


「……今は……嫌です…………」

って俯きながら申し訳なさそうに頭をヒョンの肩に預けた


「…………ん……ごめん…………」
って今度は優しく肩を抱いてくれて……


「……俺……焦っちゃって、…ごめん…」


「ヒョン…焦らなくても、逃げませんよ……僕…」
って、ふざけたように微笑んだら、


フッと笑って、体を離し…

「…チャンミン…その格好…エロい!」
って、ニカッと笑って言ってきて……


中途半端に上着もシャツも脱がされていた自分に気付き、恥ずかしくて真っ赤になる僕


「////!!だっ、だ、だれが……!!!」


ヒョンは、あははっーーって笑って、僕のシャツを直し、恥ずかしくて顔が上げれない僕の手を引きリビングまで歩いていく


ねぇ、ヒョン……

ヒョンが今まで適当に遊んできた人の中にあの人はいない……

そんなことがなぜか……不安で…

頭では分かっていても、…心が追いつかない事って……あるんだね…ヒョン……