逢いたくて逢いたくて(80)~リヨン篇~ | えりんぎのブログ








「ふふ…。……ユノらしいですね。」


何年も前の…ユノとリヨンさんの夏の日の出会い。


───だから、ユノ…リヨンさんのこと、見たことあるって言ってたんだ。


「チャンミンくんは、…あのユノさんを、……らしい。って思うの?」


「……?…んー。ユノって…普通に歩いてるだけでも目立つし、…ダンスなんてしちゃってたらそれこそ凄いけど。」


「……でも、結構普通に抜けてるし、…純粋で、一生懸命で、…温かい瞳を持ってるから……。」


カフェオレを持つ手が微かに震えてる?


「うん……。…そう。……そうなの。」


────リヨンさんの大きな瞳からポタポタっときれいな雫がおちて、ドーナツの下に敷いたナフキンにシミを作った。


「リ、…リヨンさん?」


「ごめ…。……私ね。この出会いをずっと宝物のように胸にしまって…誰にも話した事ないの。」


「……でも、チャンミンくんには聞いてほしかった。」


「……ごめんね。チャンミンくん。……私、そんなユノさんに…2年以上…ずっと、片思い…してます。」


「この間の、パートナーの件も…売り言葉に買い言葉って分かっているけど…震えるほど、…嬉しかった。」


頬を赤く染めて、…ひとことひとこと…噛みしめるように話すリヨンさん。


頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けて、悟られないように震える指先をテーブルの下に隠した。


「やだなぁ、…リヨンさんってば、僕に気を遣ってくれてるんですか?」


「僕はリヨンさんのこと…姉のように尊敬してるし、好きです。…でも、リヨンさんがユノを想う好きとは違うから。だって…分かってるでしょ?」


「私も…弟のようにチャンミンくんが好きよ。」


サッと涙を拭ってニコッと微笑む。


「……ねぇ、チャンミンくん。…私はこのままユノさんを好きでいていいの?」




─────────ユノ。



うまい言葉が見つからず…俯いてしまった僕を、うーんっ、と両手をあげて背筋を伸ばしたリヨンさんが優しく見つめる。


「あー、スッキリしたぁ。…ありがと。…ねぇ、早く、仲直り…しなよ?」


……少しだけ淋しそうに笑った。


その後、ドンへさんが現れて、僕とユノと、リヨンさんとスヒさんのダブルペアにしたらどうか?とか…とにかく気分良くパーティーに参加できる方法に頭を悩ませてくれてるみたい。


「ふふ。…じゃあ、私からスヒに話してみるから…チャンミンくんはユノさんに…いい?」


未だ怒ってるユノを考えると気が重いけど…小さくコクリと頷いた。




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わんこさん♪

ごめんね。
仲直りは次回でした^^;