~チャンミンside~
──────「…言えよ。」
なんて、何でそんなにエラソーなんだ?
半分強制的に言わされた、…好き。の言葉。
呆れて塞がらない口に、またもクチュッ、とキスされて。
「…なんか、照れるな?」
って、今さら/////!!
「……僕の気持ち、…知ってた?」
あまりの自信ありげな態度につい口にでた。
「まさか。…まったく、…全然。」
「ぷっ、…なに、それ?」
「でもさ、今日、医務室に駆け込んできたおまえ見て。…こいつ、俺のこと好きなのかな、って。」
「……すっごい自信ですね。」
「…まぁな。好きオーラが出てたぞ?」
なんて、今まで見たこともないような甘い顔。
どうして急にこんな展開になっちゃったのか。
この間まで戸惑いと後悔の色を浮かべていた目の前の人をジッと見つめた。
───僕の不安が伝わった?
「……信用できない?」
キッチンの床に座り込み、あなたの立てた両膝の間で、なぜか正座しちゃってる僕。
必然的に僕の顔の方が高い位置にあるから、恥ずかしさに俯いても、スッと簡単に下からのぞき込まれちゃって。
「…あなたは、簡単に好きって言える人だから。」
「ん?……男には、初めてだぞ?」
「…あ、当たり前///////!…そこまで節操のない人だったら……。」
ニッ、っと不敵な笑い。
「………だったら?……なに?」
あ、あれ?////……僕が最初に告白されたんだよな?
なにがどうして、…いきなり立場が逆転したような雰囲気なんだ?
「………べつに。」
なんか、…納得できない。
ふい、っと横を向いた先、目の端にうつった、あなたの真っ赤な顔。
「…ごめん。……なんか、ほんと…照れる/////。」
片手で口を覆いながら───。
「…感情を、さ。表に出さない訓練していて、…俺、優秀だったんだけど。」
「………おまえには、駄目みたい。」
「…好きだ、って…気づいちゃったから、…もう、駄目みたい。」
─────そ、そんな瞳で見られたら、僕こそ、……。
ガチャ──
「…あっれ?…まだ寝てねーの?」
───ドンジュさんのこと、…忘れてた!
ピクッと跳ねる肩。
あなたは、さも鬱陶しそうに舌打ちをする。
髪の毛を拭きながら出てきたドンジュさんは、すぐには僕たちを視界に入れることが出来なかったようで、キョロキョロと…。
「…何してんの?2人とも。」
キッチンの床にやたら近い距離で座り込む男2人───やっぱ変だよな?
「あ、あの、…お水こぼしちゃって。」
雑巾はすでにシンクの中だけど。
「きれいになったし、…僕、もう寝ますね。」
すくっ、と立ち上がり、シンクに投げ込まれた雑巾をゆすいで元あった場所に戻した。
その間、ユノさんの視線は熱く、…僕に重なったまま。
ドンジュさんに背中を向けてるからいいようなものの、…あなたのその顔、ヤバいよ?
あの初めて我を忘れたあの日のような、…身体中から匂い立つ、雄のそれ。
あなたの瞳はギラギラと、もっと僕に触れたい、って言ってるけど、…残念、タイムオーバーみたい。
困ったようにあなたを見つめたら、そんな自分の視線に初めて気づいたかのようにあなたは、ゆっくりと頭を左右に振り、…やっぱり戸惑いながら、ニッ、と笑った。