~ユノside~
「・・痛っつ─────っ。」
「ほら?口の中切れてるんだから、大人しく消毒されなさい!」
ここは保健室。
怪我を理由にもしかしてチャンミンがいるかも、と来てみたけど。
「ああ、シムくんならまだ調子悪そうだったから早退させたわよ?」
軽く保健室の先生に言われた。
「せんせー、少しここにいさせて?俺、頭痛いし。」
そんな俺を軽く無視して、──結構傷深いわね~、なんてしみるだけの消毒に没頭している。
カシャン、とピンセットを置いた音。
姉御肌のさっぱりとした性格が人気の先生が、ニィっと笑って俺の額を指で弾いた。
「ったく、あんなに目立ったことするから!」
「彼女、怒ったでしょ?女子達にもヒンシュクだったんだって?」
「は?///」
俺も部活絡みで先生には随分世話になってるし、ここはお悩み相談室や女子達の社交場のようにも使われていて。
それにしても、・・ヒンシュクとか、ホント噂ってはやい。
だってさっきまでチャンミンが寝てたはずなのに。
「さっきここから職員室行くまでにどれだけの子達に呼び止められたと思う?・・まったくぅ。」
「ここで何があったか知りたくてしょうがないみたいよ?彼女たち。」
────あなたとシムくん。
そう言いながら立てた人差し指をすぼめた唇にそっと当てて。
「あのチュウは内緒、ね!」ってウィンク。
「あ、あれは///、チュウじゃないっ!」
焦って反論する俺。
あはは~、って笑うだけの先生。
その時、ガラッとドアの開く音がして。
振り向いたら、キュヒョン。
「あ、ユノヒョン!こんな所にいたんですね?」
どうやらチャンミンがハンカチを忘れてそれを探しにきたらしい。
「ヒョン、チャンミナがお礼言ってましたよ。もう帰っちゃいましたけどね。」
────あ、あった!
と、ベッドの脇に伸ばした手。
「え?」
あ、・・先に奪っちゃった。
目をくりっとさせてびっくりしてる奴に、
「えっと、・・俺が渡すから。」
言った途端、ゲラゲラ笑いだした先生。
「懲りないわねぇ~!」って、涙まで流しそうな勢い。
うるせぇ、聞いてんなよ!
「本当に懲りないですねぇ。」
は?キュヒョンまで?
「・・その怪我。シウォンさんなんでしょ?ユノヒョンは一切手を出さなかったって聞きましたよ?」
はぁ、と大きなため息。
「思いっきり認めてる、ってブーブー言われてますけど?」
「は?何を?」
本当に女子の集団は怖い。
寄ってたかって悪者扱い。
それを当事者が言うならまだしも関係のないやつらほどギャーギャーと煩いし。
「ユノヒョンとチャンミナの仲に決まってるじゃないですか?」
呆れたように言って、また大きなため息。
「あいつは本当に目立つの苦手なんです。マジで勘弁してくださいよ~。」
「そんなこと言われても、身体が勝手に動いてんの。」
パッと俺を見て、さらに大袈裟にため息ついて。
「ハァ、・・ヒョン、分かりましたから。・・ちなみにそのハンカチ、ちゃんと洗濯してくださいよ。で、急いでないんで、ほとぼりが冷めるまでは返すの駄目ですからね!」
念を押すように俺を見て、保健室から出ていこうとドアに手をかけるキュヒョンに。
「あ、ちょっと待てよ。」
なぜか呼び止めて。
不思議そうにしてるヤツを相手に。
「あのさ、・・チャンミナって、俺のこと、・・好きだと思う?」
なんて聞いてしまった。
「・・////────知るかっ!」
そう言ったのは昔から知る幼なじみのキュヒョン。
その時、────ガタンと。
半分開いたドアの向こう。
何ともいえない表情で立ち尽くしていた、──────ソヨン。
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懲りないんです、こちらのユノヒョン^^;
momokoさん《cheering10》前記事コメント欄より♪
仕事をバリバリしちゃう2人の描写、大好きなんです(〃'▽'〃)
こんなリアリティ溢れる描写なら特に!