~チャンミンside~
そのままユノヒョンは戻ってこない。
様子がおかしいのに気づいた女友達がパラパラとソヨンさんを囲んでいって。
彼女は泣いているのか、肩を震わせて俯いたまま。
「チャンミナ。」
真剣な顔したキュヒョン。
────取りあえず、今はユノヒョンに関わるなよ、って言いたいんだろ?
キュヒョンの気持ちはありがたいし、分かるけど。
「僕、・・ちょっと行ってくる。」
パンパンとお尻の砂を払いつつ立ちあがった。
キュッと眉を寄せて軽くため息。
しょうがねぇな、って顔。
「俺も・・何とか話しかけてこよっかな?これが終わったら、もう接点ないもんな?」
そんな言い方したら、2人して当たって砕けよう、って言ってるみたいだ。
ま、・・間違いではないけどね、と拳を突きだしたら、コツンと合わせてきて、2人してニヤッと笑った。
約束の場所へ、こっそりと裏手から入っていったら。
───────やっぱり・・いた。
燃えさかる炎と周りのお祭り騒ぎをジッと見つめる背中。
無言のまま僕も隣に座りこんだ。
「・・チャンミナ!」
「来るの早すぎですよ。まだまだ終わりそうにないのに。」
ふふ、と笑って、また視線を遠くへ向ける。
暗くて表情までよく分からないけど、昼間の笑顔が嘘のように沈んでみえた。
「いろいろと考え事してた。反省とか。後悔とか。
せっかく優勝したのに暗いな?俺。」
「・・僕はユノヒョンに感謝してますよ。体育祭なんて全然楽しみじゃなかったし、ましてや応援合戦なんて絶対ごめんだって思ってたのに。」
あの太陽が照りつける真夏のグランドで、ユノヒョンに言われた。
────おまえには無理なんじゃね?
挑発するような視線、小馬鹿にした態度。
「でも楽しかった。こんなに学校行事で必死になったの初めてで。」
目の前の人がどんなに有名人であろうと、ただ悔しくて。
初対面の人にいきなり素の自分を暴かれた。
「すごく楽しかったんです。」
「ユノヒョンがいてくれたから。」
────そしてこんなに惹かれた。
「・・・ありがとうございました。」
「え?ちょっ!チャンミン!」
軽く頭を下げた僕の両肩をガッと掴んで。
「なに?もう二度と会えないような言い方!」
さっきまで遥か遠くを眺めていた瞳、・・今は真っ直ぐ僕だけが映ってる。
「だって、・・全校生徒での行事なんて、あとは卒業式くらいですよ?」
「だから、・・今日はどうしてもお礼が言いたかったんです。あ、あと、・・
──────「好きだ。」
「え?」
両肩に置かれた重みは変わることなく、さらにギュッと力が入って痛いくらいで。
「・・好き、チャンミナ。おまえが好きだ。もう会えないなんて、・・そんな事言うな。」
そこまで言ってないのに、焦って、必死になって言葉を被せてくるユノヒョンが
、息がかかりそうなほどの距離にいて。
肩にあった両手が、今は僕の頬をすっぽりと覆っている。
────熱くて、熱くて、・・声が出ない。
いろいろなものが溢れてしまいそうで、言葉を選べない。
「・・チャンミナ?聞いてる?・・俺はおまえが好き。ずっと一緒にいたいんだよ。」
「変かもしれないけど、・・俺とつき合ってほしい。」
────ユノヒョン!
なんて答えればいいのか、沸騰しそうな脳みそで何とかそれをたぐり寄せる。
「お、・・お断り、・・します。///」
やっと出た言葉がコレだった。
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あれ?
お断りしちゃった^^;
ストーリーを決めて書いてるわけじゃないので、勝手に動いちゃうんですぅ(‥;)
momokoさん《cheering21》前記事コメント欄より♪
甘い2人です(//∇//)