事故について | 肉の鎧を脱ぐ為に

肉の鎧を脱ぐ為に

ロードバイクは果たして痩せるのか!?

このチラシ裏ブログに読者が
いらっしゃるとは思いませんが、
自身の話が多少なりとも誰かの
役に立つのであれば、と思い
筆を執ります。

前回更新から放置状態でしたが
今も継続してロードバイク乗ってます
本当にオルトレに変えました(汗
この話はまたいずれ…



本題です。

私本来ROM専なのですが、
最近ちょくちょくコメントで
絡んで頂いている、
”あれも欲しい これも欲しい”の
きっちさんの事故の話を見て
記事を書きました。


私、プロフィールにあるように
交通事故関係の仕事をしています。
言わば人の不幸が飯の種と言う 
因果な商売です。

自身がロードバイクに乗るように
なって日本の自転車に対する法的
な観点は先進国の中でも最悪だと
改めて認識しましたし、現に今も
あまり変化が無いのが実情です。

簡単に言えば、日本が自動車産業で
発展した国だからこそ、道路や他の
インフラ全てが「自動車視点」で
出来ているから。自転車など、
今でも道路上の邪魔者扱いなのは
変わりません。

それを踏まえ、事故処理として
被害に遭われた方向けの話をしたい
と思います。

まず、事故処理の業界の考え方に
「払うほうが強い」という考え方が
根強くある事。

例えば無過失で完全被害の場合。
普通は「加害側が手厚く対応する」
と思いますよね?
しかし加害側がイカレタ人物だったり
話にならない人物だった場合、その
契約を受けている保険会社はあくまで
契約者の味方の為、契約者が
払わないと意思表示した場合、
一円たりとも払え無いのです。

もしこうなると、明らかに自分に
過失が無い側が、えらい労力、
時間を費やして少額訴訟(いきなり
通常訴訟も有)や弁護士の手配を
行い、加害側に対し損害賠償請求
をしなければなりません。

理不尽ですよね。


次に過失について。
判例タイムズに記載のある
事故類型に沿って処理される
場合であっても、事故は千差万別
ですので、必ずしもそのように
ならない とお考え下さい。

過失の考え方はネット検索すれば
色々出てきますがそれらも実務上
は怪しいものがかなりあります。

過失は本来、事故の瞬間より前の
時系列、つまり事故に至るまでに
双方当事者がどのような行動を
行ったか が要点です。
事故を予見出来たのか、
回避する事は可能だったのか、
道路交通法、運送車両法に
照らして事故を惹起する行動は
無かったか、

こういった事を総合的に勘案します。

なので

追突だから100:0
動いていたから過失がある

とはならない場合もあると
思ったほうがよろしいでしょう。
追突にも多種あります。
信号停止等完全停止中の追突
直進中の追突
進路変更直後追突
キリがありませんが、それぞれ
衝突形態が同じでも事故に
至るまでの行動が異なります。

ちなみに追突の原因トップは
余所見となってますが、
近年では間違いなくスマホと
思われますね。
でもコレを素直に言う人は
殆ど居ませんが。

仮に自身に全く非が無く、
道路左側を普通に走って
いたとします。
この状況で追突されたとして、
追突側の加害者が
「自転車がふらついて車道に
寄ったから衝突した」
と言い出した場合。

先の過失観点に照らすと、
無茶苦茶言う保険会社なら
ビックリするような過失割合を
言ってきます。
尚且つ、人身一括対応不可、
被害者請求をどうぞ  の一言で
放置したりします。

こういった状況にならないよう
事故当時の写真および目撃者の
確保は必須です。もっと言えば、
アクションカム等の録画装置は
ドライブレコーダー代わりに
動作させておくのが万全です。

逆に言えば、そのような
客観的根拠が示せなければ、
無過失を主張するのは
困難だと言う事なんです。
理不尽ですが。

次に、警察への届け出ですが
「物損届けでも身体の対応は
出来ますので是非人身届けは
避けて頂きたい」等の話は
半分嘘ですのでお気をつけ下さい。
人身不届け理由書等で人身対応
する事は出来なく無いですが、
対応可能な期間が人身届けされた
場合とかなり異なります。
と、いうことは短い期間で
打ち切られると言う事です。
被害側にとって何のメリットも
ありません。

また、慰謝料が通院回数に
比例するのは色々な所で話に
ある通りです。
面倒でも足繁く通われるほうが
良いです。
症状によってはタクシーが
使えたりするはずです。
人身対応担当に確認下さい。



長くなりますが最後に。
物損の時価算定についてです。

自転車の場合、国税HPに
耐用年数2年と記載があり、
コレを使って残存率10%として
計算される事があります。
また、着衣損害や携行品に
ついても、どこから持ってきた
根拠かわからない耐用年数と
償却率で計算されたりします。

国税HPの耐用年数はあくまで
税処理の為の数値ですし、
ひとくくりに自転車と言っても、
ママチャリとロードバイクが
同じ耐用年数同じ残存率の
はずがありません。
被害に遭われた物品の入手価格、
経年、中古市場での(いわゆる
再取得相場)価値、及び償却後の
残存価値を正確に検討の上で、
賠償交渉に臨んで下さい。


色々書きましたが…
自転車を乗るにあたっても、
保険が必要なのは色々な方が
ブログに書かれていますが
自身が加害側になる場合を
想定された話は多く見かけますが
自身を守る事も
考えなくてはなりません。

自動車任意保険に付帯の
弁護士特約や日常生活賠償特約は
当然として、自分が
ロードバイクに乗っていて
怪我をした場合でも担保する
特約があったりします。
自分と家族の負担についても
良く考えて保険の無駄掛けに
ならないよう注意が必要です。