あるとき、クリシュナは牛飼いや牛などの仲間と一緒に森の中を歩いていました。
途中、彼らはたくさんのフルーツが実っている樹をを見つけました。
クリシュナは仲間をその樹のところに連れて行くと、こう言いました。
「みんな!あの樹を見てごらん。
わたしはいつになったら、あの樹のようになれるのだろうか。
果実でいっぱいになれば、樹は頭を下げる。
それなのに、人というのは果実でいっぱいになると、傲慢になってしまう。
学問もなく貧しければ人は謙虚でいられるのに、
学問を身につけたり、お金持ちになった途端に、
周りの人たちを見下すようになってしまう。
たとえりっぱな徳を持ちたいと思っていても、
持った途端に傲慢になってしまうものだ。
その点、樹は果実をつければつけるほど頭を下げて謙虚になっていく。
そして、なんの駆け引きもなしにこう言うんだ、
『どうぞ、ここに来て果実を取っていってください』と。