九弁連だより2011年1月号に
古坂良文弁護士(50期前半)が
投稿したものだが、九州の
弁護士としてかなりショッキングな
過疎地の実情を吐露した内容で
あった。久しぶりの投稿なのに
ネガティブな内容なのは残念だが
ここんとこネタ不足なのでご容赦を
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(五島に7年住み続けると)何よりも
地域社会が次第に衰退していく様を
肌で実感するようになった。店は一軒
また一軒と閉店し、会社も同様に
減っていく・・・会社の倒産話を聞く
たびに、また職を失う人が出現した
ことにため息が出る。自分の住む
町が少しづつ寂れていく時間を町と
ともに共有するのはなかなか辛い。
日弁連はどの地域でも弁護士1人
あたりの人口を3万人以内にしたい
らしく、五島は現在形式的には3万人を
越えているので対象地域のようだが、
心配は無用。黙っているだけで
あと5年ほどでこの目標を達成できる。
昔からずっと続いている、毎年2%の
人口減は今後も変わらないだろうから。
過疎地に長年住み実務を行ってきた
弁護士の実感として思うのは、弁護士
過疎地に弁護士が定着することは、
現実には経営的に相当な困難を伴う、
はっきり言えば無謀である、ということだ
・・・(過払ブーム終焉後)今後も事件が
完全になくなることはないだろうが、
10年20年の長期スパンで考えた場合、
経営を維持するに足りるだけの売上を
継続的に維持できるかについては大いに
疑問がある。断言するが、人がいない
ところ、企業がないところには、事件は
ない。人が減れば、企業が減れば、
事件も減る。
・・・結局のところ、今後も弁護士過疎地に
弁護士を常駐させるには、経営の維持を
重視しなくてもいい環境であることが
不可欠だ。1つ目はひまわり公設であり、
2つ目は法テラスの4号事務所であり、
3つ目が弁護士法人の支店を置いて
支店の赤字を本店の黒字で埋める
ことであり、4つ目が成仏理論である。
*成仏理論についてはコメント参照
・・・今後、人口と会社減少、過払激減に
より、おそらく3~5年以内に経営が
成り立たず、運営費援助を申請する
公設事務所が全国で増えていくと推測
している・・・長くいることのしんどさは
あるが、五島は好きな場所だ。しんどさの
共有は愛着の醸成でもある。
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そういえば、私がいま扱っている
多重債務も偶然ながら法テラス
経由が半数以上を占める。弁護士会
法律相談センター経由の事件では
いまや法テラス経由がどうしても
増加してしまうのだ。福岡市には
まだ人口が集中しており、事件数の
減少は現実化してしないのかもしれない。
が、弁護士数だけは激増している。
他所よりマシと思うしかないのか。
ろぼっと軽ジK