植物も思考する。しかも我々が思っている以上に賢い可能性(ドイツ研究)







植物思考1



 植物も人と同じように思考する。しかも得られた情報から合理的な選択を導き出し、複雑な意思決定を行うことができる。そんな研究結果が報告された。



 この研究は、ドイツのUFZ研究所とゲッティング大学の共同研究チームが行ったもので、研究者たちは、ヨーロッパに広く分布するメギ科の植物セイヨウメギ(学名:Berberis vulgaris)とヒイラギメギ(学名:Berberis aquifolium)を実験対象にし、これらの植物が食害を受けた時に見せる行動を観察した。




 研究チームは、これら植物の実を採集し、中に入っている種子の状態を調べた。メギ科の植物の果実には通常1個ないし数個の種子が含まれているが、寄生虫(ミバエ科のハエ)によって果実の中に卵を産み付けられると、孵化した幼虫に種子は全部食べられてしまう。



 調査の結果、セイヨウメギは、寄生虫が果実に侵入してくると、種子の成長を止めることがわかった。しかも驚くべきことに、果実の中の種子の数がいくつあるのかを考え、種子の成長を止めるかどうか決めていることも分かったそうだ。






セイヨウメギ

植物思考2



 寄生された果実のうち、種子が2つ以上ある実の約75%が、種子の成長を止めていたのに対し、種子が1つしかない実の場合では、約5%しか成長を止めなかったという。種子が複数ある実なら、成長を止めることで片方の種子を犠牲にし、残りの1つだけを守ることができるからだ。



 この行動はヒイラギメギでは見られなかった。更に食害を受けた実の数はセイヨウメギに比べ10倍も多かったという。






 ヒイラギメギ

植物思考3





今回の研究についてUFZ研究所のハンスヘルマン・タルク氏はこう述べている。「今回の発見は、植物が複雑な意思決定を行っていることを示す最初の証拠となるだろう。セイヨウメギは、なんらかの構造的記憶能力を持っており、外的環境で得た情報を内部に反映させ、複雑な意思決定をし、リスク管理を行っているということだ。正直驚きを隠せない。」と。



 何故セイヨウメギにだけこういった行動が見られるのかはまだ謎である。今後の研究の期待したい。そういやトマトを構成する遺伝子は人間よりも多いって話があったから、ちょっとトマトに関してもいろいろ調べてみてもらいたいものだ。










<カラパイア 記事より>







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