弘前大学 フィールドサイエンス研究会(F研)

弘前大学 フィールドサイエンス研究会(F研)

弘前大学公認サークル「フィールドサイエンス研究会」(F研)のブログです。 弘前大学を拠点に,海・川・山林で生物の観察や採集をしています。
毎週月曜日18:00~農生棟203で定例会を行っています。

こんにちは、またしても学部一年のtarponです。ブログを書くモチベが結構高いので引き続き書きます!

 

タナゴ釣行の傍ら、”バス釣りの痕跡”を見つけたことを前々回のブログで報告しました。

 

その後気になり、りんご公園横ため池の外周を散歩していたお爺さんにバスのことを聞いて見ました。

 

すると、「去年、台風で池が氾濫した時、10〜40センチくらいのバスたちが川に流れていったのを見たぞ。」とのこと。

 

確実に定着していたようです。

 

 

適当に選んだ近所のため池にバスが定着しているくらいなら、結構市内に点在しているのでは?

 

そう思い、県内の湿地帯に通っているであろうトンボ採集をしてる先輩方に聞いて見たところ、何箇所かバスが密放流されている場所を聞き出すことができました。

 

 

大半が津軽平野の水郷地帯でしたが、一箇所「弘前市内の林道沿い」にあるそうです。

早速友達とそのポイントへ向かいました。久しぶりのバス釣りに腕がなります。

 

長い林道を潜り抜け、当地に到着するや否や、ありえない量のバスの魚影が目に入りました。

すぐさまソフトベイトをキャストすると、ヌーッと物陰から良型のバスがひったくてきました。

「食った!」とフッキング。

ま、相変わらずバイトは重たい水草レベルですが、何事もなくランディング。

 

 

ノーザンラージマウスバスMicropterus salmoides  in弘前市

ミシシッピ水系を中心に分布するサンフィッシュ科の淡水魚、通称”ブラックバス”。本来「ブラックバス」という名称はオオクチバス属Micropterusの魚(ノーザンラージマウスバス、フロリダバス、レッドアイバス、スポテッドバスなど8種)の総称です。

 

北アメリカ原産の特定外来生物ですが、魚としての芸術点は中々高い!

頭部から背中にかけて盛り上がる曲線は天下一品

 

 

そして、スズキ目を代表するような背鰭の鰭式(D Ⅷ−12)堪りません、、、

あと独特なバスの良い匂いも良いですよね。同じサンフィッシュ科でもブルーギルは臭いですが、バスは全く臭くない。

 

 

 

このようにノーザンラージマウスバスは、多くのバサー(バス釣りを行う人たちの意)を魅了し、虚像の「アメリカン・ドリーム」を抱かせました。ゲーム性の高さ故、各地でのスポーツフィッシングの展開にも貢献。

 

その結果、バス釣りのメッカ、アメリカ合衆国から遠く離れた青森の山奥の池にさえ密放流されています。

 

人のエゴにより各地で放流され、各地で駆除されてきた可哀想な魚種といっても過言ではないかもしれません。

害魚の名を関するブルーギルに比べるとマシかもしれないが…

↑”害魚”ブルーギルLepomis macrochirus 地元山梨県にて。

 

 

 

脱線したので、話を戻します。

 

同行してくれた友人も短時間で良型のバスを何匹もキープ

流石すぎる腕です。頭が上がりません、、僕が心底尊敬する釣り人の一人。

 

中でも驚愕したのはその洞察力です。

 

ここの池のバスたちは産卵のために水辺に接近するトンボを好んで食べていました。

 

ですので、多くのバスが中心部より、岸ギリギリに接岸していました。

 

その状態をいち早く読み取った友人は、すかさずソフトベイトを「トンボの産卵行動」のように水面間近で動かし、数秒も経たずに良型のバスを釣り上げていました。

 

まさしく「トンボパターン」です。その地に特化した捕食方法を得るバスも恐るべし。

 

↓トンボパターンで釣れたノーザンラージマウスバス。

 

僕も負けじと、頑張りますが…

こんにちは、学部一年のtarponです。

 

前回に引き続き、本日もタナゴを探して市内を駆け巡ります。

 

今回、目星をつけたポイントは何と弘前城外濠です。

 

といっても大半のお堀は禁漁区です。

ですが、「津軽ねぷた村」の正面の箇所のみ解禁区となっております。

 

ヘラブナ釣りらしきお爺さんを見かけたため程よく流れある半止水環境のため候補地に選びました。

 

 

 

<ポイント2>弘前城外濠

魚影の濃さから景観写真を撮るのを忘れていました。

早速ギンブナCarassius langsdorfii です。キャストした途端釣れました。

なかなか良いサイズ。

 

水面を小さい魚がフラフラ泳いでいました。

多分キタノメダカOryzias sakaizumiiです。東北ならではですね。

こういった釣りでは狙いづらい小物は後々ガサガサで狙います。

 

アタリが乏しくなってきたので、集魚用に大きめの練り餌を撒いたところ大量のギンブナや謎の小魚がヒラを打ってきました

ハリとハリスを小さくして、ヒラ打ちしている謎の小魚を狙います。 

タモロコでもアブラハヤでもない初見な見た目です。

 

 

 

 

 

 

 

モツゴPseudorasbora parva の群れでした。入れ食い状態です。

口吻がとても小さいため「クチボソ」とも呼ばれます。

青森県だと移入個体群になり、当県固有種のシナイモツゴPseudorasbora pumilaと交配し、遺伝子撹乱を引き起こしているそうです。

 

生物学的には国内外来種に位置付けられるため悪役ですが、一魚としてはとても魅力的な見た目をしています。

腹鰭や尾鰭のグラデーション、体色にのる朧げな紫色は素晴らしいです。繁殖期であるためオスには追い星ができていました。

 

その後も無限にモツゴは湧き、水面が揺れるほど数は増えていました。

 

タナゴ釣りの目的を忘れ、モツゴとずっと遊んでいると、先ほど投下した練り餌に”平たい魚”が数匹集まっていること気づきます。

 

「なんだ?…」と目を凝らして見ていると、キラッ、キラッと蒼色桃色の婚姻色に彩られた魚がヒラ打ちを!!

 

「アカヒレタビラだ!!!」

ついに発見しました。二箇所目にして確実にタナゴの雄の魚影を確かに目撃しました。

 

しかも、その横に一回り大きく、薄桃色で、全体的に白色のタナゴも何匹かいました。タイリクバラタナゴです。(多分)

 

弘前城の外濠に2種のタナゴと思しき姿を確認できました。

みるみる湧き出てくるやる気を駆動力にタナゴを狙い本腰を入れます。

 

外濠のタナは

 

上層  モツゴ

 

中層  モツゴ

 

中下層 モツゴ,タナゴ

 

最下層 モツゴ,フナ  の有様…

 

 

そしてモツゴ60に対してタナゴ3ほどの比率。難しい!!

 

投下したエサは凄まじいスピードでモツゴに持ってかれてしまいます。

 

有象無象のモツゴに苦戦していると、猛スピードでウキが引っ張られます。

「何だ??鮒じゃないぞ」

 

タナゴ用の竿がしなり、普通のモツゴにはないファイトを繰り広げます、

 

めちゃくちゃデカイモツゴでした。明らかに規格外。

体高も異常にあり、正真正銘のランカーモツゴ?です。8センチもありました。

野生下でこのサイズは巨モツゴと呼んで良いでしょう。

タナゴ釣りに邪魔.  国内外来種なので一応持ち帰り食べました。

天ぷらが内臓がほろ苦く美味しかったです。

 

こう並べると巨モツゴの大きさが際立ちますよね。

 

 

本題のタナゴたちはモツゴの群れに飲まれるように姿を消していきました。

悔しいですが、僕の完全敗退です。

 

その後も何回か通いましたが、魚影は見えるもののタナゴがなかなか食いついてくれません。

シーズン的に昆虫採集の方も忙しくなり、今年のタナゴ調査は終了。

 

来年は弘前城外濠のリベンジに加え、津軽地域・能代地域への進出も目論みます。

 

 

 

<番外編 弘前城外濠で釣れた他の魚種たち>

 

スプーンでも釣れました。ギンブナって本当に面白い。

 

ニゴイHemibarbus barbus も釣れました。稚魚で可愛いです。

カマツカ亜科だけあり、不思議な見た目です。

 

次回のタナゴ釣行記は来年度になると思いますがご容赦ください。

 

 

文責tarpon

 

 

 

 

 

 

初めまして、今年入学した学部一年のtarponです。

普段はオサムシ科の甲虫や日本淡水魚などを好んで集めています。

 

僕の地元は中部山岳地帯でしたので、青森県、ましてや東北は自分にとって異郷の地です。

また、実家周辺は高標高の溶岩地でカルデラ湖はあったものの、湿地帯や河川に乏しく、青森県に点在する水郷地帯全てが新鮮でした。

 

「地元にいなかった日本淡水魚を見てみたい!」

 

という純粋な感情から、引っ越し準備が終わるや否や『山渓ハンディ図鑑 日本の淡水魚』を隈なく精読し、青森県に分布するニッタン(日本淡水魚の略)を書き出しました。

 

「タナゴ類が生息している!!」

 

地元は国外外来種に埋め尽くされており、小物釣りとはかけ離れていた環境でしたので青森にタナゴが分布していることに大きな衝撃を受けました。

 

兼ねてから”憧れ”の存在であり、ニッタンの”顔”でもあるタナゴ類が青森県に何種もいる…そう思うだけで胸が高鳴ります。

この時、自分のうちに秘めていた”魚への欲動”が微かに動き始めました。(オサムシ採集で抑圧された部分)

 

 

『山渓ハンディ図鑑 日本の淡水魚』によると

青森県には

ヤリタナゴTanakia lanceolata 

タナゴ(マタナゴ)Acheilognathus melanogaster

アカヒレタビラAcheilognathus tabira erythropterus(移入個体群)

シロヒレタビラAcheilognathus tabira tabira(移入個体群)

タイリクバラタナゴRhodeus ocellatus(国外外来種)

の5種が分布しており、

 

秋田県にはキタノアカヒレタビラAcheilognathus tabira tohokuensis、岩手県には在来アカヒレタビラが分布しています。

 

中でもヤリタナゴ、タビラ、バラタナゴは筆者らが通う弘前大学の位置する津軽地域にかけて生息しているそうです。

 

 

また、タナゴ類は三つのグループ(属)に分けることができ、

ヤリタナゴ、アブラボテなどのTanakia

カネヒラ、タビラ系などのAcheilognathus

バラタナゴ、カゼトゲタナゴなどのRhodeus となります。

 

僕的には、

Tanakiaは緩やかな流れのある平野部の河川に生息しているイメージです。

よってヤリタナゴは弘大の位置する内陸部より、岩木川下流域の水郷地帯にかけて分布するはず…

 

一方、タビラ系は緩やかな河川から、湿地帯、湖沼などの止水域と、様々な環境に生息します。

タビラ達ならりんご用ため池などが乱立する弘前市でも狙えると思い、Google マップでひたすらポイント落とし。

 

今まで散々御宅を並べてきましたが、

筆者は今までタナゴを取ったどころか、野外で見たことさえありません。

経験的には、完全に未知な魚でありますが、

「あやふやな所から少しづつ実態を掴み、生息地に迫る」というのは生物採集の醍醐味であるとも言えます。

 

 

早速目星をつけたポイントに釣行へ行きます

 

<ポイント1>りんご公園横ため池

雰囲気的にはバッチしです。120点の見た目。

 

込み上げてくる衝動を抑えて、釣り道具の準備をしていると、水面にモワッと波紋が…

ため池に何かしらの魚がいるという証です。安心と共にやる気が込み上がります。

 

小鳥の囀りを聞きながらタナゴ竿を降り出し、水面にウキを垂らします。

餌はさなぎ粉小麦粉しょうがチューブを適量混ぜたもので、集魚メインの配分にしました。

 

 

そんなこんなで微かなアタリを待つつ、ふと見上げると、

あっ…  

 

あれスピナベとスイムベイト(バス釣り用の擬似餌)じゃね?」

ため池の真上の電線に多くのルアーが引っ掛かってました。

 

そうです。このため池にアメリカンギャング(=ノーザンラージマウスバス)がいるということです。

タナゴ類および日本の淡水魚が生息している見込みは薄くなりました。

 

外来種がいるという事実に圧倒され、半分諦めかけていたら、ウキがピクピク上下に動き、確かなアタリが!!

 

すかさずアワセると、タナゴとは思えないほど引きます。なんだ…?

 

 

 

ギンブナCarassius langsdorfii でした。

ヘラブナよりも体高が低く、金色をうっすら帯びています。確か雌性発生(無性生殖の一種)という特殊な生態を持つフナ属の一種です。一応背鰭軟条数も数えましたが列記としたギンブナでした。

地元には外来ヘラブナしかいなかったので初釣りです。THEフナのこの相貌はコイ科の良さを凝縮した賜物です。

 

その後もポツポツ量型のフナが釣れました。

簡単だけとめちゃくちゃ楽しい。この釣り思ったより奥が深い。

先人に釣りの事を「ふなに始まりふなに終わる」と言わしめただけあります。

そんな中、フナに混じりアタるのにノラない「微小なアタリ」が来ていることに気づきます。

「タナゴかもしれない」という野心を抱き、早速、ハリを小さくしてみたところ、、、

 

タモロコGnathopogon elongatus elongatus

 

田んぼ横の用水路等に生息するモロコの仲間です。この子も初釣り。地元では外来ホンモロコしか釣ったことなかったので新鮮でした。青森県では他県からの移入個体群になります。

侘び寂び溢れる銀白色の体色は、タナゴ類の極彩色と双璧をなす和風な秀麗さが詰まっています。

背鰭の分岐軟条の透け感に加え、胸鰭の黄色が地味な体色の差し色になっていて尚良い。

 

その後もタモロコやギンブナを何匹か釣り、日が暮れてきたので納竿。

 

その後も何度かこのため池に通いましたが、本題のタナゴ類、

ましてや定着を危惧したバスでさえ魚影一つ見ることができませんでした

(あのルアーはなんだったんだ…)

色々疑問点は残りますが、次回は別のポイントにてタナゴを探してみます。

 

                       

 

 

文責 tarpon

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お久しぶりです。愛用のタモ網を遠征初日に失くして意気消沈中、4年のゲンゴロウです。

 

 

 

私は一応ゲンゴロウ屋なのですが、水生昆虫以外の綺麗な虫(e.g.アゲハチョウ科)も好きです。というわけでギフチョウを採ってみたいという想いは小さいころから抱いていました。

 

 

 

今年4月、F研メンバーたちが次々に県内某所のヒメギフチョウを採っている中(下記リンク参照)、私も行こうと思ってましたが気付いたら時期を逃してたorz

 

嫉妬やない、これだけはハッキリしとる。

 

この記事が 悔しかった 面白かったので今これを書いています。

 

 

 

 

ところで先日、研究室の調査でギフチョウの分布域に行く機会があり、道中「時期は遅いけど、ひょっとしたらギフチョウいるんじゃねw」なんて話してたんですよねー。

 

 

そんななかで、とある里山環境ポイントで採集していた時のこと。同行していた友人のねくはむ君が「ギフチョウを見た」と。

 

またまたご冗談をHAHAHA…

 

 

 

 

いた

 

見た目はナミアゲハに似ているがあきらかに小さいチョウが飛んでました(離れていてもギフチョウだとすぐに分かった)。

 

 

慌てながら走って追いかけ、手に持っていたタモ網(予備)をすかさずスイング!

 

が、空振りからの転倒。恥ずかしすぎる…。捕虫網に持ち替えて次のチャンスを待ちます。

 

 

 

 

少し移動して沢へ。

ここではサンショウウオを探しました。

 

するとムカシトンボのようなトンボが横切り、一気に空中戦モードへ切り替え。県外のムカシトンボとかめっちゃ採りたいんだけど!! ※かっこいいトンボも大好き(e.g.ヤンマ科)

 

 

 

しばらく待ち構えていると… 来た!

 

 

捕虫網が華麗に宙を舞い、風が吹き森に一瞬の静寂が訪れた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そっちかーいw

 

とにかく人生初ギフチョウ Luehdorfia japonicaの採集に成功。よっしゃああああああ!!!この時いつも通り叫んだのですが、離れた場所にいたねくはむ君にはムカシトンボを採ったと勘違いされました。

 

そして三角紙に入れるため荷物の置き場所へ戻る途中、目の前を何かがひらひらと接近。

 

 

 

 

素手でキャッチ!網には1匹目が入っていたので

 


ダメ元でも試してみるもんですんねー。まさか素手でギフチョウを採る日が来るとは思いませんでした。後から考えてみると青色のTシャツを着ていたのが効いたのかも(ギフチョウは青色に誘引されるらしい)。この個体はなんだか翅の色が薄い気がするけど気のせいかな?

 

 

結局ムカシトンボは姿を見せませんでしたが、ギフチョウは計2匹採ることができました。ヤッタネ^^

 

 

 

 

後日この個体の写真を後輩のトリバネ君に見せたところ、「イエローテール」と呼ばれる色彩変異個体ではないかと。

 

またオレ何かやっちゃいました?

 

チョウ屋じゃなくもこれは嬉しい! てっきり老熟個体で赤色部分が色落ちしたのかと思った…。(無知)

 

 

 

この遠征では他にも初めて見る生き物を色々と見ることができたので、そのへんは気が向いたら会誌にでも書こうかなと思いまーす。

 

 

それではまたどこかの湿地帯で会いましょう(TBT)

 

 

 

文責:(この日の採集で64か所も虫に刺された)ゲンゴロウ

 

 

 

 

 

ーこの記事は一年間共に闘い抜いた相棒のタモ網に捧ぐー

どうも、産卵・孵化編に引き続き、F研現会長・3年の葉月です。

 

 

ここからはハッカハムシ(Chrysolina exanthematica)幼虫の成長を振り返っていきます。

 

 

 

孵化から4日も経つと、体がずんぐりとしてきました。かわいいね^^

 

脱皮する(2齢~3齢)幼虫

 

1つのタッパーで飼育するにはとても狭いため、2つの容器に分けて飼育することにしました。

 

そして孵化2週間が経過した頃には終齢に……。

 

この頃から餌をほとんど食べなくなりました

拒食なのか、蛹化準備なのかも分からず、ハムシの飼育が初めてな私は不安で夜も眠れないことが多々ありました😔。

 

私は蛹化準備の可能性を考慮することにしました。ハッカハムシは土中で蛹化する(Kimoto, 1957)ことが知られているため、飼育容器には湿らせたキッチンペーパーを詰め(土では観察が困難になてしまう)、まだ食べてくれることも期待してミントの葉を添え、様子をみることにしました。

 

様子を見ている間に、前蛹らしき状態になった個体も多かったのですが、そこで力尽きてしまった個体がとても多かったように思います……。悲しい気持ちに苛まれるこの状況が1ヶ月続き、さすがに他の個体は何か動きがあるだろうと、キッチンペーパーの掘り起こし(?)に取り掛かりました

 

 

すると……

 

 

キッチンペーパーの中で黒い何かが蠢いており、はみ出た足には成虫そっくりな爪がついていることに気が付きました。

 

 

これは……!?

 

 

 

早速掘り起こしてみると、破れたキッチンペーパーから、明らかに成虫のものと思われる頭部と前胸がひょっこり!

 

 

羽化したねえ^^

 

 

嬉しさで思わず体が飛び上がりました。他の個体も確認しようとキッチンペーパーを広げていると……

黄色い蛹がいくつか見つかり、これには筆者もニッコリ。

 

ハッカハムシの蛹はまるで飴細工のようで美しいものでした。

 

大学構内でハッカハムシを見つけて私に連絡をしてくれた知人に「ハッカ羽化した!!!!!!蛹もある!!!!!」と真っ先に連絡

自宅に駆けつけてくれて、共に新成虫と蛹の羽化を見守ることができました(F研メンバーもミーティングがてらリモートで見守ってくれました)

 


ハッカハムシ蛹と羽化途中の個体     羽化直後の個体①

羽化直後の個体②

 

 

羽化不全、蛹化不全の個体もおり、最終的に新成虫は3個体となってしまいましたが、現在も元気にミントを食べてくれています(孵化日から数えて半年くらい生きてくれています^^)。そんな彼らももう交尾を始めて……(累代に期待!)

 

↑頑張って羽化してくれた成虫たちの姿です。お納めください😭

 

 

 

以上をもちまして、 波乱のハッカハムシ飼育記 の更新は終了です!

ここまでハッカハムシ飼育記をお読みいただきありがとうございました!!

 

野外で出会う生き物たちとの刺激にあふれた物語を綴ることも、とても楽しいものですが、飼育して始めて抱く感情や始めて知ること、経験は計り知れないものであると思っています。※個人の感想です

 

今後も我々フィールドサイエンス研究会メンバーは、色々な生き物との出会いと経験を通して、生き物たちとの新たな物語の1ページを刻んでいきます!

 

今後ともよろしくお願いいたします!!

 

 

文責:(育てていた植物の芽生えが枯れて号泣した)葉月