楽器のこと | ピュ~と吹く朝菜の笛吹きブログ

ピュ~と吹く朝菜の笛吹きブログ

フルート奏者の坂本朝菜です。栃木県宇都宮市にて「くろねこ音楽教室」を主宰。
くろねこ音楽教室の日常と演奏情報がメイン。
きまぐれで好きなものについて書いてます(旅行・漫画・ゲーム音楽・猫)


今日はちょっと真面目なブログ

最近、使用楽器が変わりました。
色々あってね、ずっとずっと手にしたかったフルートと出会うことが出来て、これまで持ってた楽器を数本手放してその楽器を使う事にしました。

演奏家の中にはたくさんの楽器を所有して、使い分けたりする方もいらっしゃいますが、ここ数年色々試したけれど、どうも私にはその方法は向いてない。

例えばクラシックの時はこっちを吹いて、ジャズの時はこっち。とか、もっと器用な方はその日の気分で。とか。

でもわたしは、どんな曲をどんな気分で吹く時でもその時出したい音色を出せる一本の相棒と出会えたら何より幸せな事。思って来ました。

もちろん、楽器だけでなく吹き手の技量も必要。けれど何本も使い分ける技量より、一本をとことん吹きこなす技量を求める方がわたしには合ってるかなと。

そんなこんなで念願のフルートと出会って…

まずは対面、試奏。
やはり一癖あって、誰にでも吹き易いフルートでは無いのはわかってたのですが、この時点ではスカスカの音。でも的に当たった時の音の素晴らしさ!

悩みました…ちゃんと吹きこなせるようになるかな?って。

とは言え、元々ここ10年吹いていたフルートもかなりの曲者だったので、きっと1ヶ月も経てば今よりはマシかな。と。

持ち帰って一週間~1ヶ月頃…日に日に鳴ってくる。
うん、マトモな音で鳴らせる確率が上がってくる感じ。

丁度、昨年頃から自分の音を見直す機会にたくさん恵まれていて、フォームを変えたり、今までやってなかった基礎練を増やしたりしていた段階でした。
ソレを前のフルートでしばらくやっていたのが本当に幸いして、思ったよりも早く吹けるようになって来た感じ。

前の楽器は、かなり年代ものだったので音程にも問題があり、苦労しました。(今の楽器も5~60年前のものですけどね)
元々ピッチに関して耳がすごく良い訳でも無いので、本番の録音を後から聴きなおしては音程の悪さに落ち込む日々もありました。
けどそれでも何とか改善したいと粘ったのも、今とても役に立つ経験となりました。

そんなこんなで持ち替えて数ヶ月。

まだまだもっと良い音が出るであろう素晴らしい楽器なので、今はその良さの半分も出せていないかもしれません。
けれど、今まで20数年吹いてきて、こんなにもイメージと近い音が出せているのは初めて。

フルートなどの管楽器や、バイオリンなど、顎付近の骨?と触れて演奏する楽器というのは振動が耳に伝わる為、声と一緒で実際に出てる音と吹いてる時に自分に聞こえてる音に差があると言われています。(自分の録音などの声を聞いて、えっ、わたしってこんな声なの?ってなるのと一緒)

今まで自分の演奏聴くと
「え、わたしこんな音で吹いてたの?」っていつも思ってました。

でも今のフルートはそういう感じがしないんだよなぁ。誤差はあるけれど、どんどん理想に近づいていける感じがします。

本当に幸せ。

なんだか楽しくて学生の頃にさらったエチュードを1から吹いてみたり、らしくない練習までもしたくなるような感じ。

そして結婚式のお仕事とかで、今まで何千回も吹いて来て、寝てても吹ける位、自分にとってこなすだけのもの。となっていた曲を吹いてる時ですら、楽しい。

この出会いはわたしのフルート人生を変えるかも。そう思えてます。

もちろん、いつだって、誰だって、使用楽器以前の問題の方が大きいですよ。

でも、もう楽器の事で悩まなくて良い。
あとは自分自身の問題。

そう思えるだけで、なんとわかりやすく、シンプルで幸せなことか。

良い演奏、良い音楽を求めて日々迷いが生じる中、問題が絞られることがどれほど有難い事か。と思います。

ああ、本当に幸せ。

これからもっともっと良い音が届けられるよう、内面と腕を磨いていきます。




愛おしくて、いつも眺めてはニヤニヤしているわたしです。笑
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