前回に引き続き、大阪梅田の飲み屋に行ってきました。

前回は、名称を知らなかったんだけど、どうやらこの横丁、「新梅田食堂街」という横丁のようだ。

本日は「とり平 総本店」に行ってきました。

カウンターだけのシンプルな作りで、しかもこの食堂街の中でもかなり奥の方に位置するこの店。

きっと女性一人だと確実に行きにくいことでしょう。

なぜなら、店員さんは一見愛想がない。
数十年来の常連さんが多くいる。(その中のお一方と結果的に仲良く飲ませていただきましたが笑)
メニューは基本的に焼き鳥しかない。

などなど。


ただし、この店、ホンモノでした。
店員さんに聞くと、この店、1962年創業。

んで、焼き鳥に命かけてるんだなということがヒシヒシと伝わってくる。

なぜなら、まずお通しとして出てきたのが、大根おろしに醤油とポン酢。それとカラシ。

おーー、おそらくこの大根おろしがお通しで、からしはこれから頼む焼き鳥に付けろという意味なのだろうと解釈した。

しかし、その解釈は大いに裏切られたのだ。

数分後、「お通しでーす」と言われて目の前に出されたのがコレ。
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合鴨の胸肉(右手の2本)と合鴨のモモ肉(左手の2本)。
しかも胸肉には玉ねぎのスライスを。
モモ肉のほうには長ネギを刺してある。

なんともたまらない心遣いである。

胸肉は脂身が少ないので、玉ねぎの甘くジューシーな部分を共にいただくことで肉にも甘みを加えることができる。
そしてモモ肉には、ネギを添えることで、甘みを足すだけでなく臭みを取ることも兼ねている。

ひとつの料理としてただただ理にかなっているのである。
シンプルながら、料理のイロハをしっかりと体現している。

そして次に、僕が頼んだ料理の中に「ネオポンポン」なるものがあった。
これは、ぼんじりのことだと店員の男性が教えてくれた。(実は他にもネオドンドン、ネオピンピンなるものがあるようだが、これは頼んでいない)

このぼんじり、雄鶏と雌鶏の肉を使い分けているとのこと。
(僕はそこまでグルメではないので、「あー、これがメスかー。ん!?  これはオスだな!」みたいなことまではわかりません)


話は変わるが、実は数週間前、ネットを見ていたら、偶然見つけたページに、とある焼き鳥屋の思いが綴られていた。
そこには、「どうか焼き鳥をシェアしないで!串から外さずに、一人で一本そのまま食べてもらいたい」的なことが書かれていた。

理由はこうだ。

焼き鳥は、一口目には少しだけ塩を濃いめに。
そして、最後の一口は薄めに作っている。

これは、店主の思いやりとこだわりである。
しかし、そのこだわりこそが愛じゃないか。

鍛えてきた自分の味覚、試行錯誤の上に見出した自分のこだわりこそ、お客さんに納得していただける武器である。

それをなくしてしまったら、なにも、どこにも、全て存在しなくなってしまうのである。

ある意味、近からず遠からず、とても似た心意気を感じた店。
それが、梅田の「とり平  総本店」である。

なお、僕が一番気に入ってしまったのが、この店のお通しなのだが、(ちなみにお通しが旨い店はハズレはない)このお通し、「アンコール」と注文すると、追加で同じものを頼むことができる。
これも、30年来の常連さんに教えてもらいました!

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ではまた!