『E.T.』『ジュラシック・パーク』『シンドラーのリスト』などで知られるスティーブン・スピルバーグ監督が、2012年10月、「ディスレクシア(orディスレキシア/Dyslexia/読み書き障害、読字障害)」という「LD(Learning Disabilities/学習障害)」であることを明らかにしました。


●朝日新聞『スピルバーグ氏、学習障害を告白 「映画で救われた」 』(2012年10月3日21時14分)

●毎日新聞社説『ディスレクシア スピルバーグ氏の「伝言」 』(2012年10月13日 02時30分)

●J CASTニュース『スピルバーグ監督「謎が解けた」! 学習障害「ディスレクシア」を告白 』(2012/10/4 18:02)

●Wikipedia→スティーヴン・スピルバーグ


特定非営利活動法人 EDGE によると、ディスレクシアとは「知的に問題はないものの読み書きの能力に著しい困難を持つ症状」。


スピルバーグ監督は5年前に診断されて初めて知ったそうで、学生の頃読み書きのレベルが同級生より遅れていたことについて「自分についての大きな謎が解けた」と。今でも本や脚本を読むのに人の2倍時間がかかるそうです。


ディスレクシアが原因で中学生の頃はいじめに遭い、学校へ行くことが苦痛で、卒業も2年遅れたけれども、家族の愛情と、10代初めから撮り始めた8ミリ映画が心の支えとなり、人生を切りひらくことができたそうで、同じ障害を持つ若者に対し、

「学習障害は思っているより一般的だ。君は一人じゃない。対処法もあるし、それが原因で人生が不利になるわけではない」

とメッセージを贈っています。


なお、ディスレクシアは英米では人口の10%、日本では5% もいると言われており(欧米では10~15%、日本では5~8%という説も→特定非営利活動法人EDGE )、同じく映画界では、トム・クルーズキアヌ・リーブスオーランド・ブルームキーラ・ナイトレイ も自らディスレクシアであることを公表しています。


12月15日に福岡・西鉄ホールで講演される杉山登志朗先生 は著書の中で、認知に高い峰と低い谷の両者を持つ人について、”発達障害”ではなく、”発達凸凹(でこぼこ)”という名称を提唱されています。苦手なこと(凹)もあるけれど、得意なこと(凸)を見つけて、そこを伸ばして活かすことで、未来を切り拓くことができるんだ・・・と思わせていただけた、スピルバーグ監督の告白でした。