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P O P S × D O N' T × C R Y

“Not oldies but goodies”

先日急用があって姉が吉祥寺まで来た。
昨年末に死んだ父親の財産相続を放棄する手続きを3月中にしてしまわないと仮に父親が借金を抱えていた場合、今後その責任が子である姉か僕に降りかかってくる可能性が大いにあるらしい。
父は大変な問題人だったのでおそらく色んなところからちょくちょく借金をしているにちがいないので、しゃれにならんのだ。
死亡の報告を受けたのが1/15、そこから数えて何ヶ月かを過ぎると取り立て屋は突如動き出すらしいので、それまでに家庭裁判所にしかるべき書類を提出し、後日家に届いた書類にしかるべき記入をして返送、そうするとまた後日にある正式な証明書のような物が届く。
もしヤクザ者が僕の家に取り立てに訪れても、この紙を『この紋所が目に入らぬか』とばかりに見せつけてやればヤクザ者は僕に指一本たりとも触れられない、といった按配の心強い紙切れなのだ。
要は『私は父のいかなる財産も法的に放棄したため、負の財産を背負う義務もないのである』ということだ。
その手続きに必要な書類を揃えて姉が訪ねてくれた。直筆じゃないといけないらしいからである。
書類を書き終えて姉を駅の途中まで送りながら、実家の近況を聞く。
姉には申し訳ないが僕は母と関わるのが煩わしくて実家を出て以来7年間一度も帰っていないし母にも会っていないので、姉と会うと実家の近況を聞く。
そしてその度に、鉛を流し込んだように心が重たく沈む。
死んだ父にしろ、今の父母にしろ、本当にろくでもない人間しかいなくて心底うんざりする。
僕が子供の頃から先生など周りの大人に対して一貫して反抗的で、また現在もいい年して『大人はクソだ』などとぬかしてピーターパン気分でいるのは幼い頃からろくでもない大人に育てられたのが原因だと言える。