GX-65MLX "紀ノ川ケルベロス" の詳細スペック。 | ジェノクロス もっくんの 『GENOCROSS from 紀ノ川』

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オカッパリ専用オリジナルバスロッドブランド 『GENOCROSS(ジェノクロス)』の情報をはじめ、モニターを務めるガンクラフト製品、デジーノ製品のインプレッション、そしてそれらを使用したもっくんの釣行記やコラムをお届けします。

すでに完成をみてから約3ヶ月。
もう数本は納品させていただいたのですが、ようやく正式発表したいと思います。


GX-65MLX "紀ノ川ケルベロス"の詳細スペックについてです。

紀ノ川ケルベロス-1-リサイズ
      【上】最終プロト版    【下】製品版(グレード:TYPE-R)


15.10.11-紀ノ川ケルベロス【詳細スペック】
全長: 6’5”
標準自重: 122g
テーパーアクション: ファースト
パワー表記: ミディアムライト (BFクロスオーバー)
対応ルアー: 1/8~1/2oz
対応ライン: 8~14lb

※グリップはコルクでも製作可能


紀ノ川ケルベロスはその名の通り、紀ノ川専用のスペシャリティロッドです。
ベイトフィネスでの紀ノ川攻略法の発見、そしてそれでのロクマル捕獲、そして近年ようやく確立できてきたマキモノ攻略方法など、僕が紀ノ川に本格的に通い始めたこの5年間の経験がこのロッドには詰まっています。

このロッドに関わらず、オカッパリで釣りをする以上ロッドはなるべく少なくしたい(=ロッドのバーサタイル化)、というのが僕のロッドビルドに一貫するコンセプトですが、このロッドもやはり「このロッド1本あれば紀ノ川での釣りを完結できる」ということを狙って設計されてます。(もちろん超ライトリグやビッグベイト等、物理的に無理なものは想定外ですが)


ネーミングは使用想定ルアーに由来しており、このロッドのコンセプトを表しています。
「ケルベロス」とはギリシャ神話に登場する、3つの頭を持つ犬のことです。
そして紀ノ川を攻略する上で絶対に欠かせない戦略は

① ベイトフィネス (単体重量2.3~3.5g程度のスモラバ、総重量5~8g程度のネコリグ)
② 3/8ozのスピナーベイト (主にキラーズベイト/ガンクラフトを想定)
③ スモールプラグ (主に1/4~3/8oz程度)


の3つ。

この3本柱に完全対応できるロッドという意味を込めて、このロッドに「ケルベロス(3つ頭の番犬)」と名付けました。

12.6.13-ロクマルやはり紀ノ川でのベイトフィネス戦略は絶対的主柱の1つ。ベイトフィネスというのもがまだ関西ではほとんど浸透していなかった頃、僕は紀ノ川での釣りにおいていち早くそれを採り入れ、そして強力な攻略法を見つけることができました。それを決定的にしたのはこの写真、2012年6月の紀ノ川本流でのロクマル捕獲でした。
近年では誰もが紀ノ川でベイトフィネス戦略を実践しているため当時の破壊力は完全に失われてしまいましたが、それでもなお今現在、僕の紀ノ川での釣果を支えているのはベイトフィネスです。ロクマル捕獲当時はスモラバが強かったですが、今ではそれにスレてしまったようでむしろネコリグが強いですね。
そしてこのロッドは、紀ノ川での「流れの重みを感じながらベイトフィネスを操作する」という部分に焦点をあてたセッティングとなっています。それはつまり、感度を非常に重視したロッドであるという意味ですね。全域、比較的カレントが穏やかな紀ノ川では、この微妙な流れを感じ取れるかが重要なキーとなるのです。


14.5.28-2←しかし軽視してはいけないのがマキモノ戦略。特に、何気に大切なのはスピナベの操作性僕は、紀ノ川下流域に限っては誰よりも水中の沈みモノを把握しているという自信があります。それは一時期、釣果度外視でスピナベを投げまくって徹底的に地形調査を行なっていたから。ただしリバーフィールドは刻々と地形が変わっていくので、リアルタイムでそれを把握し続ける必要があります。だからこそ、このメソッドは絶対に外せない戦略の1つなのです。そしてこれも高感度ロッドだからこそなし得る技です。ちなみにスピナベはボトムを把握しやすいキラーズベイト/ガンクラフトが絶対オススメ。

15.9.30-1←プラグ系に関しては1/4oz前後の比較的軽量なものに相性が良いセッティングです。ジェノクロス共通の十分にトルクを持ったロッドなので、ブランクスのポテンシャル的には5/8ozクラスのクランクのブン投げだって可能なのですが、そういった重量級ルアーはリトリーブ時のブルブル感も大きく、ファーストテーパーかつ感度が非常に良いこのロッドでそれらを扱うと、ルアーの振動を感じすぎてしんどく感じられるためあまりオススメできません。「高感度」といってもすべてのルアーにおいて高感度ということはなく、テーパーアクションや各セッティングによって得意・不得意があります。



詳細なスペックですが、特徴的なのは以下の2点でしょうか。


■フル4軸ブランクス (デジーノ製未発表ブランク)
この紀ノ川ケルベロスでは、ジェノクロス初(個人ブランドとしても初?)の4軸ブランクスを採用しています。
冒頭の写真を見ての通り、45*45の4軸補強で、バット~ベリーに至るまでのほぼ全身に採用されています。
(そもそも個人レベルで入手可能なブランクに4軸採用のものは未だ存在しないのですが)従来の4軸ブランクスは「補強部分が曲がらない」という致命的なデメリットを持っていたのですが、このブランクではそのネガティブ要素が完全に克服されており、しっかりと曲がってしっかりと戻るトルクフルな設計になっています。
しかし4軸特有のパリっとした張り感と、同じ強度なら2軸ロッドよりも軽くできるという特性から、ハイバランス化からくる超高感度を得ることができました。
このスペックがこのロッドのコンセプトにはドンピシャだったので、迷いなくこのブランクを採用しました。

テーパーアクションは普遍的なファーストテーパーです。
太軸フックのベイトフィネスやスピナーベイトをメインに扱うロッドである以上、ファーストテーパー以外は考えられませんでした。
「ティップだけが柔らかくてベリー以下が硬い」というタイプのファーストではなく、あくまで素直なファーストテーパーです。なので曲がりはすごくキレイで、ファーストとはいえ高負荷時にはしっかりとバットまで使えるアクションなので、遠投するとメチャ飛びますし遠方でのフッキングでもバシバシキマります。
ちなみにこのロッドのテストで経験したのですが、やはり4軸ブランクスの宿命というべきか、特殊なテーパーアクションやスロー気味のテーパーアクションは4軸とは相性が悪いですね。補強材がメインブランクにそれだけ多大な影響を与えているということなのでしょう。(ちなみに世間でよく言われる対ネジレ性能という点については、普通の2軸ロッドと大差はありません)

霞バーサークとの比較ですが、霞バーサークはアメリカンロッド的要素を持った典型的なムッチリ系ブランクス。対してこの紀ノ川ケルベロスはパリっとした張りを持った純国産的シャッキリ系ブランクスで、一般的にはこちらのほうがウケがいいかもしれません。
霞バーサークは「実際にフィールドでしばらく使ってこそ良さがわかる」という感じですが、紀ノ川ケルベロスは「室内でも握った瞬間に良いと思える」という感じですね。明らかに軽くてシャッキリしてますから。(でも2000年代初頭のキンキン高弾性系では決してありませんよ)


■ショートグリップ
まぁそんなに極端に短いわけではありませんが、ややグリップが短い仕様です。
全長は6フィート5インチとスペック上はなっていますが、有効レングスは66に近いくらいあります。ただ、グリップが標準規格よりもやや短いためにスペック上はあくまで65なのです。
これは重量級ルアーをあまり想定していない故ですね。


以上がこのロッドの詳細スペックになります。
もっと語ればいくらでも語れるのですが、これくらいにしておきます(笑) もっと深く知りたい方は直接ご連絡ください(笑)

すでに注文はお請けできる状態となっております。
価格についてですが、まだ調整中な部分がある上に個々のオーダーをされる方も多いので、現状はその都度お見積りをさせていただいた上でお伝えしています。


15.7.22-1-M←スペックで書くと特に何の変哲もないロッドに思えるのですが、本当にめちゃくちゃイイロッドです。「何の変哲もない」、僕は実はそれこそ良いロッドの王道だと思います。よくオーダーメイドでの作成依頼を頂く際に「普通にはない、変態的なロッドがほしい」と言われることがめちゃくちゃ多いのですが、実際に何十本とロッドを作ってきた経験から言うとあまりに変わったスペックを持つロッドは往々にして良いものにはなりません。優れた実戦性能を持つロッドを造りたいなら普遍的なスペックでもそれをどれだけ深く煮詰められるか、たくさん失敗を重ねてきたからこそ行き着いた解答です。


お問合せ先: genocross_rods@yahoo.co.jp