寝落ち壁ダッシュ 〜イルーナ日記〜

寝落ち壁ダッシュ 〜イルーナ日記〜

イルーナ戦記Online・Android版ワールド①での活動を綴るブログです。
主に所属ギルド「どっきゅーん」のことや、回想録、妄想ネタ、イルーナあるある短歌などを掲載しています。


ギルド「どっきゅーん」ホームページ
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デルマ大統領
「…さて、今日は例のホルトン山・人間規格統一装置についての処遇を検討したく、皆には集まってもらった。各々、忌憚のない意見を述べてもらいたい。」

防衛大臣
「それでは僭越ながら私から。…かの装置が我が国の『負の遺産』である以上、早急に破棄すべきものと存じます。もちろん、解体方法などには細心の注意を払わなければならない為、それなりの期間はかかるでしょうが、それでも可能な限り早く、処分すべきでしょう。…あの事件が明るみに出て以来、装置の情報を入手しようとする動きが、一部ではありますが報告されています。万が一、あの装置が量産されるようなことになれば、再びこの国は戦火に見舞われることでしょう…!」

産業大臣
「あいや待たれよ国防大臣どの。そなたはそうやってマイナス要素ばかりを並べておるが、何も棄てるばかりが能ではないぞ。あれはきっと役に立つ。技術者を投入し、我々の管理下におけば、いずれ使い道も見えてこよう。何より、今は国家の復興・発展こそが急務。使えるものは何でも使えばよいのではないか?…少なくともあれは、国家の繁栄を妨げようとする不穏分子への牽制には役立つ。」

国防大臣
「…!何を言っておる!それではあの科学者たちと変わらんではないか!?あの装置によってどれほどの人間が苦しんだと思っている!?」

産業大臣
「ほっほ…まぁそう熱くならずともよいではないか。実際問題、これまでの対外補償や国民への救済措置で、今この国は困窮しておる。あれを壊すだけで、いったいどれほどの経費がかかるかのう。…のぅ?財務大臣どの。」

財務大臣
「…国の財を預かる身として、お恥ずかしい限りでありますが、全くその通りでございます。…国防大臣どの、あの装置は大変特殊な技術を用いて造られているとのこと。維持するのにももちろん経費はかかりますが、安全に解体するとなると一度に莫大な予算を投じなければなりません…。正直、今の我々にはそれほどの余裕はないのです。産業大臣どのの仰ることにも一理あると…。」

国防大臣
「くっ…!しかしっ…!」

デルマ大統領
「…国防大臣、少し落ち着かれよ。産業大臣・財務大臣の言うことも、あくまでこの国を思ってのこと。確かに経済の力無くしてこの国は立ち行かん…。先の戦役によって疲弊したこの国を立て直す為には、経済的な豊かさも必要なのだ…。…しかし、それでも譲れない一線というものはある。かの装置は、国防大臣の言うとおり、間違いなく『負の遺産』。あれを使うことは、それが例えどのような用途であろうとも、世論は納得しまい。案じるべきは、まずは民の心であろう。…もし今ここに亡き陛下が居られれば、きっと同じことを仰ったはず…。」

国防大臣
「おぉ…。私もそう思います、大統領!」

産業大臣
「…フンっ…。ならば会議など開かず、最初からそう言えばよいものを…!とんだ出来レースじゃのぅ。…まぁ、アレですな、我々は従うしかありませんな…『亡き陛下の意志』とやらを継いだデルマ将軍に…おっと失礼、今は大統領でござったな。」

デルマ大統領
「…っ…。…では、詳細についてはまた後日検討することとする。皆、ご苦労であった。」


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産業大臣
「…ちとやり過ぎたかのぅ…?」

財務大臣
「いえ…会議の様子は間者によって逐一収集され、反デルマ勢力に伝えられているはず。閣僚内に、デルマ大統領になびかないものがいるという、その対立構造こそが、不穏分子の過激な活動を抑え、政権の安定に一役買っているのです。…我らとて、デルマ殿と同等、いやそれ以上に亡きメザルーナ様の意志を継いだ者。それ故、こうした嫌われ役を買って出ているのですから。産業大臣殿のそのご心労、きっと実を結ぶ時が来ましょうぞ…!」