420話◇本(もと)を立てる


「妙な遠慮などしなくていい。隠したりせずに、堂々とやりたいようにやったらいい!」

その通りなのだ!



しかし、その前に身命を投げ出すに足りる志(理想や目標)を見出していなければ、あちこちでちょっと面白いものを探してウロウロするだけだ。


志を見出すには、自分の才能や特質、生まれながらの持ち前(性)を自覚して、それを開発鍛錬していかなければ、誰かに流されて漂流しかねない。


自分の性(生まれながらの持ち前)を自覚するには、自分の真心・素直・誠等に返らなければ、甘さや幼稚さが前面に出てしまい、自分を見失いがちになる。


自分の誠に返るには、人道や道理を弁(わきま)えておく必要がある。



だから、道場でも「東洋思想」を学んで道理や人道を重んじて、甘さやいい加減な態度を一掃し、「自分は何ができるか」より前に「自分は何であるか」を明らかにし、志義を立てて、そのために必要な技術や知識を身につける。



道理を明らかにし、

真心・誠に返り、

自分を把握すれば、

志は掲げられ、

進むべき道は自ずから生ずる。



本(もと)立ちて、道生ず。

本(もと)立たなければ、取っ散らかる。


昼間は己の道を歩む。

夜は本(もと)を確認してみる。


だから、夜は道場(道を確認する場)に稽古しに来るのでしょう?笑

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