第461話◇姿勢
合宿3日目に…。
例えば、虎は筋トレしない。
でも筋肉すごいね。まぁ、人間と野生動物を単純に比較するのは少し乱暴だけど。
知り合いで、ジムで鍛えている人がいる。
一方、ジムに行ってないのに鍛えた身体の人もいる。
筋トレしてないのに、鍛えられた身体というのは一体どういうことか。
その人は野生動物なのか?
…そうかもしれない。
…そうでないかもしれない。
意識、身体の姿勢、身体の使い方…、物事に取り組む姿勢や「生き方」が、その人の姿形を作り上げていく。
生き方とは、金太郎飴のように、その人のどこを切り取っても見出すことができる姿勢だ。
そして、姿勢の眼目はその「勢」にある。
勢い(流れ)が生じないような「姿」は「姿勢」とは言わない。
例えば、早起き。
これは能力ではなく、その人の姿勢である。
能力というのは一時的なもので、怠けていればとたんに落ちていくが、姿勢はその人の人となりを表す。
早起きの人は、今日一日を主体的に創造していこうという勢いがあるものだ。
だから、仕事をする上でも姿勢がいい人は信頼される。
一番大切にしたい姿勢は、ひとりの時、誰も見ていないときの姿勢。
「誰かが見てるからやる。誰も見ていないからやらない…」では、ただの人。
「道着脱いだら、ただの人」では、武道はただの習い事になってしまう。
武道は「道」である。
だから、取り組む姿勢を大切に。生きる姿勢を大切に。ひとりの時の姿勢を大切に。
歯も大切に。